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教育とは、学ぶとは、知識そして知性とは?

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日本の学校教育このままで大丈夫でしょうか。私たちは何のために学ぶのか、知識とは、知性とは、について考えていることを書いています。
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記事一覧

今日ときめいた言葉125ー「現在の当たり前の価値観から離れ、長い歴史を俯瞰できれば、もっと変革を生み出せるのに」

(2024年3月14日付 朝日新聞 「当たり前は変わる 歴史に学んで」COTEN(コテン)代表 深井龍之介氏の言葉) 深井氏は、「歴史の可能性」を信じている。何故なら、たまたま手にした古代中国の思想家の本を読んだ時、「遠い昔に生きた孟子や孔子らが、現代にも通じる思考を展開している」と感じたからだ。 歴史書を片っ端から読んで得た、その知識の蓄積を深井氏は「メタ認知」と呼ぶ。「メタ認知」があると、多様な視点で自身や環境を客観的にみることができると言う。 だから経営者にメタ認

今日よみがえった言葉124ー「歴史の教科書はどうして縄文時代から始まるんでしょうね。近現代から始まってもいいと思うんですがね」

(タイトル写真は山川出版社のサイトから転載) 私の高校一年の時の地理の先生の言葉である。先生は日本史も世界史も教えていたが、一年生の我々が習ったのは地理であった。後で知ったのだが、郷土の歴史家で史跡や遺構の発掘などで著名な人物だったようだ。ちょっと前、戊辰戦争の戦場になった郷里の遺跡のことで新聞に載った記事を読んだことがある。 地理の授業もかなりユニークで、教科書中心ではなく先生が話すことの方が重要だった。試験についても「僕は試験はやらなくてもいいと思うんですけどね。でも

今日ときめいたこと123ー「今さらながら三人娘に感謝したい👏👏👏」

本当にありがとう❣️ 今日、就活する学生の現状をイーオットとテレビで見ていて、今の若者たちがこれから生きていくのがとても大変そうでいかに生きづらいか、そしてそんな息子・娘たちを見守る親たちの心労がいかに大きいかを思った。 だからそんな心労を我々に一切与えず、今の人生を一見何事もなかったように自分自身で選択して生きている娘たちのことを思い、娘たちに感謝しなければと思ったのだ。今言っておかないとって👍 私が心を砕いたのは、彼女たちを高校を卒業させて大学に入れることまで。海外

今日ときめいた言葉118ー「脳は後ろから前に向かって発達し、脳の加齢は前から進む😱」

(2024年2月21日付 朝日新聞「早期教育への疑問」ー「脳は順次発達 習い事には適齢期」東北大学加齢医学研究所 瀧靖之教授) 教授の研究から分かってきたのがタイトルにある「脳は後ろから前に向かって発達し、脳の加齢は前から進む」ということだそうである。 生後すぐは、ものを見る機能を担う頭の後ろ「後頭葉」が発達する。同じころに、音を聞く能力に関わる「側頭葉」も発達する。 次に「頭頂葉」が発達する。ここは「触感」をつかさどる「感覚野」や体の動きをつかさどる「運動野」がある。

今日ときめいた言葉116ー「何歳になっても、子どもと同じようなやり方で新しい言語を習得することは可能だ」

         (タイトル写真はWikipediaから転載) 2024年2月5日付朝日新聞によると、何歳になっても言語習得は可能だそうだ。 言語学では、「言語を自然に習得できるのは、一定の年齢(臨界期)までだ」という仮説があるそうだが、東京大学の行った実験で、その仮説は正しくないことが示されたという。 実験は、日本語が母語で、英語の習得経験がある14〜26歳の男女31人にカザフスタンで使われているカザフ語を学習させ、その際脳のどの部位が活動しているかをMRIで測定する

今日とても憂慮したこと115ー「日本の子ども、政治と深い溝」

高校生の政治意識が低いと憂いている。都立杉並高校で今起きている自民党の裏金問題ついてアンケートをとると2年生72人のうち38人が興味がないと答えたそうである(2024年2月8日付朝日新聞) 「今更ですか?」と聞きたい。無関心にさせて来たのは誰なのだ?日本の学校教育は授業で政治を扱うことを厳しく抑制して来た。授業で政治を扱ったら偏向教育だとクレームがついたり、「日本中学生新聞の発行者」のように教室で政治のことを話したら先生に叱られたり、クラスで首相にお手紙を書いたら教育委員会

今日ときめいた言葉114ー「覚悟は未知だからこそできる。分かっていたらできないものかもしれません」

(2023年1月5日付 朝日新聞 「覚悟の時代に」ー自分に向き合うーから伊藤詩織氏の語る「覚悟」とは」 伊藤詩織氏は、2017年、元TBS記者から受けた性暴力を告発。2022年7月、最高裁で性暴力を認める判決が確定した。 「覚悟は未知だからこそできる、分かっていたらできないものかもしれません」 性被害を告白したとき妹さんから「何をしていても、性被害を受けた人だということがついて回る」と言われたそうだ。実際その通りになって、民事訴訟で性暴力が認められるまで7年もかかった。

今日ときめいた言葉110ー”What do you mean they don’t nap?”「え、どういうこと。(学校では)皆んなお昼寝しないの?」😍😍

長女の第4子の3歳児がこのように叫んだ。彼女は保育園でキッチリお昼寝をさせられているから、当然姉や兄たちも学校でお昼寝をしているんだろうと信じていたらしい。自分がそうだから、他のみんなも同じだろうと思っていたところが笑える。だから学校ではお昼寝の時間がないと知って衝撃を受けたのだ。彼女にしてみれば、「なぜお昼寝しないのか」が大いに疑問だったのだろう。 日本のように「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と言わずにfirst name で呼び合うことが長幼の意識をなくさせ、姉や兄を普通に呼

今日ときめいたこと109ーヨガって奥が深い!

10年以上ヨガをやっている。でも私のは「なんちゃってヨガ」だから求道者のように熱心に取り組んでいるわけではない。週一でヨガをやったら次の回までは特に練習するわけでもない。ヨガに関わる本を読んだことも、さらに知識を深めることをしたこともない。ただ先生に言われたことをその時々で体現しようと格闘しているだけ。 一人の先生のもとで10数年以上学んで(?)いる。この先生こそ求道者のような人である。ヨガを愛し、その思想を学び日常生活の中でも実践している。ヨガ愛が伝わってくる人である。

今日ときめいた言葉92ー歴史学にできること「過去を過去として論じるのではなく、現代を映す鏡として見つめ直すこと」

(タイトル写真はテレジン強制収容所跡地、アウシュビッツに移送される前の中継地だった。テレジンは、オーストリアのマリア・テレジアのことである) (2023年10月19日付 朝日新聞「第三次大戦防ぐには」歴史学者 小原淳氏の言葉) 「第三次大戦を招かないために歴史学に何ができるか」との問いに、小原氏が答えたのが記事タイトルの言葉である。小原氏はさらに以下のように続ける。 「かつての人々が危機に際してどのように反応し、何を考え、いかに対処したのか。とりわけ『失敗の歴史』を学ぶ

今日ときめいた言葉90ー「客観性や数字的なエビデンスこそが真理だとされているが、経験が導く感覚の中にも真実はある」

(2023年11月1日付 朝日新聞 「こころのはなし 数値的なエビデンスなくてはダメ?」 現象学者 村上靖彦氏の言葉から) 「先生の考えに客観的な妥当性はありますか」と学生に聞かれるそうだ。 村上氏の研究は数値的な証拠を積み上げない内容なので、若い学生は数値データを使わないことに耐えられないのだろうという。 でも村上氏は語る。 「個人的な体験の中で感じたことはその人にとっても一つの真実です」 現代社会では、いつも数値的な根拠が必要で自分の経験や考えには価値がない気がし

今日ときめいた言葉89ー「難しいとしか言わない人は、大体において現状を変えたくない人なんですよ」

(2023年10月15日付朝日新聞 日曜に想う「少数派の痛み見ぬふりしない」中田喜直氏の言葉から) (タイトル画像は孫の作品❤️) あの、「小さい秋みつけた」「夏の思い出」「雪の降る町を」の作曲家 中田喜直氏の言葉である。妥協のない姿勢で闘い続けた人であったそうである。 「あなたひとりが頑張ってもどうしようもないのだ。そんな風に個の意志を冷笑する人たちが、やがて多数派という『権力』になっていくのだと」 「いつの世も己の心を殺すのは、弱い立場にある人々だ。傷つくのを恐れ余

今日ときめいた言葉88ー「私たちは過去から解き放たれるために、過去を知らなければならない」(続)ー保存されていた患者8002人分のカルテ

(タイトル写真は、www.amazon.co.jp から転載) (2023年10月27日付 朝日新聞「現場へ!」埋もれた実態 語るカルテ) この記事は、「戦後復員してきた元日本兵のPTSDによる暴力の連鎖が現在にまでつながっている」という以下の記事の続編である。 表向き日本軍は、日本の兵隊にそのような精神を患う軟弱な人間はいないと否定していたが、実際は千葉県にあった国府台(こうのだい)陸軍病院に収容して精神神経症などの兵士の治療を行っていた。その数1万人以上と言われる。

今日胸に刺さった言葉87ー「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」「ロシア人を獣にしたのはテレビだと思います」

(2023年10月27日付 朝日新聞 「斜影の森から」ーメディアの沈黙と御用ジャーナリスト 元朝日新聞編集員 福島申ニ氏の言葉) (タイトルイラストはjp.123rf.comから転載) ◉「世界への窓は新聞で閉ざすことができる」 スタニスワフ・レツというポーランドの詩人の言葉だそうだ。 権力と結んだメディアは民衆の耳目をふさぐ。不都合な情報は伝わってこないし、逆に国内でどんな悲惨なことが起きていても世界に伝わらない。今のロシアや独裁的な国々がそうであるように。 映画「