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自分は「近しい5人の平均」だとするのなら

あなたは、あなたが一緒に過ごす時間のもっとも長い5人の友だちの平均になる

ジム・ローン

どこかで見聞きした経験がある人も多いのではないだろうか。

価値観や思考、話し方、言葉づかい、そして年収までも、近しい5人の平均値になるらしい。


…わたしにとって一緒に過ごす時間が長い人は、突出して夫である。
それ以外はどんぐりの背くらべ。

しかし夫は友だちではない。
じゃあひとりもいないじゃないの。
今、わたしはどの5人の平均なのだ。

転勤でここに引っ越してくる前は、近所の居酒屋でよくつるんでいた飲み友だちがいた。
たしかに考え方が伝染ったように思う。
いや、すごく尊敬できて、自分の理想の思考回路を持った人だったから積極的にダウンロードしていた部分もある。
ただし彼らにとってわたしは「5人」に入っていなかっただろうけれど。

そんな友だちも、今はもう近くにいない。

「近しい5人」というのはきっと「行けば会う」人なのだ。
職場とか、居酒屋の常連とか。

オンライン状態ならたしかに容易につながれるけれど、話そうと思ったら予定と時間を合わせるものだ。
移動のない待ち合わせみたいなもので、オンラインでの会話は日常的なようで意外と非日常的である。


では日常的におつき合いする友だちが5人もいないわたしにとって「近しい5人」は架空の人物を含めてもよいのだろうか。
架空の人物なら「わたしは相手のことを近しい存在だと思っているけれど、相手はわたしのことを友だちと思っていなかった」などという悲しい現実も起こらない。

もし架空の人物でもよいのなら、わたしはJohn Wickを友に持ちたい。
ムダなおしゃべりはしない、意志が固い、美学がある、実力もある。

殺し屋稼業は引退したため現役時代いくら稼いでいたかは知らないが、彼の首に懸けられた懸賞金はおそらく最終的に4,000万ドル。
5で割ったとて800万ドルじゃないか。えげつないぞ。

…ドンパチに巻き込まれるのはごめんですけれど、John Wickは一般人を巻き込まないので。(そこがまたカッコいい)


つくりものの世界が架空の世界、それ以外はオンラインも含めてリアルとするのなら、転勤族×在宅フリーランスとなるとオフラインのつながりなど夫以外はほぼ皆無である。
オンラインのつながりは先述のとおり日常的なようであって、日常的ではない。(すくなくともわたしにとっては)

たしかに孤独感がないといえば、うそになる。
けれども、つるみたいと思える人としかつるみたくないのも本音だ。

もしも、一緒に過ごす時間がもっとも長い5人から影響を受け、5人の平均になるとするのなら、受けたくない影響は受けたくない。
受けたい影響しか受けたくない。

こんなふうに言葉にすると、上から目線でものすごく嫌なやつに感じるけれど、多くの人が同じ思いではなかろうか。

別に損得勘定で人とつき合っているわけではない。
でも、具体的にいうのなら常にネガティブな人とは距離を置きたいし、暴力的な人とは関わりたくない。
そういう人たちはわたしにとってのエネルギーテイカーだから。
…わたしのことを嫌だと思う人だって当然いるわけだから、お互いさまだろう。

もっとも一緒に過ごす時間の長い5人を「脳内で同居する5人」「同じ舟に乗る5人」と言い替えるのなら、わたしの脳みそにダウンロードしたい思考の持ち主とつるみたいし、そういう彼・彼女らの思考のクセが脳みそにダウンロードできれば自分の小さなボートにわたし含めて6人が乗っているのも同然である。と、わたしは思う。


さびしさや孤独感はもちろんある。
でも心の穴を埋めたいがためにボートの空席を埋めるぐらいなら、わたしは孤独のままでいい。

…あれ、ちょっと今のJohn Wickっぽくない?



今日も読んでくれてありがとうございます。
あなたがもっとも長く時間をともに過ごす5人の友だちは、誰でしょう?

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