わかってはいるけど出来ないことって意外と多い。

何事も、“やってみる”ことはできる。けれど、やってみるを“続ける”ことがむずかしい。続けられる人が強い、と思う。

「ライターをやっている」というと、楽しそうでいいね、と言われる。もちろん楽しいけれど、楽しいことばかりじゃない。どの仕事だってそうだと思う。

わたしはフリーランスになって、自分の時間をすきに配分して使えるようになったことが何より嬉しくて、自分がすきな言葉に常に触れられる仕事に就けたことにしあわせを感じている。

でも、苦しいことだってある。自分の中からどうしても思うように言葉が出てこなかったり、キャパオーバーになってしまったり、おもてには出さないけれどいろいろある。

だから、“誰にでもできる”と思われるのは違う気がするのだ。

ライターはパソコンのキーボードが押せたら誰にでも“やってみる”ことはできるかもしれないけれど、誰にでも“やり続けられる”ことではないと思う。

毎日言葉を絞り出して、すこしでも伝わりやすいようにと書き続けることは、やりがいのある作業だけれど時には苦しくもなる。まったく筆が乗ってこない日もある。

今の生活に不満はないし、この選択をした過去の自分にありがとうと言いたい。苦しいことも含めて、この仕事ができていることがしあわせだ。だからこそ、自分の仕事を軽く見られると悲しくなってしまうなあ。

わたしはこれからもライターとして、心に込めて記事を書き続けていきたい、と思う。こうやって続けていくことで、軽口を叩いていた人たちが自然と「そんなことなかった」と気付いてくれることを願って。