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木綿のハンカチーフ考

チャラン・ポ・ランタンの小春ちゃん(親しみを込めてこう呼びたい)は「(木綿のハンカチーフみたいな曲は)自分には作れない」と言う。自分たちは都会に住んでいるから。「チャラチャンラジオ21」15分あたり。



この歌、ひとつ引っかかるところがある。2番の歌詞に
「半年がすぎ、会えないが…」
とあるが、田舎から上京して半年帰らないことはないだろう。盆や正月に帰るはず。当時は今より帰省すべきプレッシャーも強かっただろう(親から帰ってこいと言われるはずだ)し、今ほど盆や正月に遊びにいくところもやることもない。すでに彼女がいるとしても、彼女も実家に帰るはず。もしや彼女の田舎に帰って挨拶をするのか?それなら田舎に残した彼女に「都会で流行りの指輪」を贈らないよね。
「お盆」や「正月」では歌になりにくいとは思うけれど、やはり不自然。
作詞者は帰省した経験がないのかなと思う。

この歌の作詞は松本隆。東京出身である。小春ちゃん、東京出身だからって遠慮しないでいいのよー。

タイトルの「木綿のハンカチーフ」のは4番に出てくるので、最後まで聴かないとわからないのだが、よくできた歌詞だ。男性からの指輪も要らないけれど、涙を拭くハンカチーフをください。しかも「贈り物をねだる」と言うのだから、もう会うこともないのだろう。タイトルだから素敵に思えるが、ハンカチは木綿に決まっている。全然オシャレではない(高級ブランドのハンカチもあるけど)。指輪は贈られたかもしれないが、ハンカチは贈られないだろう。

待たせる男と待たされる女。

昔、男は待たせ、女は待たされるものだった。松山千春の「恋」も然り。
男性は女は待ってくれると勘違いし、女性は男を待つものと勘違いする。
まぁ、男性ばかりずるいわけだ。たとえ浮気しても最後に戻ってくるよとは耳障りの良い言葉に聞こえるけれど、単にキープしているだけ。

こう考えると、涙拭くハンカチをねだるステキな話ではなく、男に都合の良い安上がりな女の話だよなぁ。
男性にしたら、愚痴を言わずにずっと待っていてくれて、最後にほしいのは木綿のハンカチなんてお手軽。男にとって理想の女。

女の気持ちではない。
とは言え名曲。オリジナルも良いけれど、チャランポランタンのももちゃんの歌う「木綿のハンカチーフ」もぜひ聴いてください。

そして小春ちゃんには「木綿のハンカチーフ」を超える楽曲を作ってほしい。私を待たせるな。待たせるなら私も次の恋を探すとかね。もしかするとすでにあるかもしれない。

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