SS伊豆監督の伊藤がスポンサー企業さまの熱い思いに迫る社長インタビュー【 THE SPIRIT 】

記念すべき第1回は、クラブ設立前からサポートしてくださっている酪農王国株式会社(酪農王国オラッチェ)代表取締役社長 西村悟さんにお話を伺いました。

骨を埋める覚悟で来た

伊藤：本日はよろしくお願いします。西村社長は、食品メーカーに何年か勤務された後にオラッチェへという流れだったと思いますが、オラッチェに入社した経緯を教えてください。

西村社長：元々三島市出身で、三島に実家があって。お袋も早く亡くなっているんで、 親父1人で。東京にいたんだけども、「こっちに帰って来てくれないか」みたいな話になって。

で、「やばいな、仕事探さなきゃ」ってなって、何か所かお話もらったんだけど、それがいくつの時だったかな。今から23年前かな。平成13年(2001年)の10月にここ(オラッチェ)に入ったんだけど。

伊藤：なるほど。

西村社長：たまたま東京で働いていた時の僕のお客さんだったの。食品を納めてて。それで「帰ってくるんです」って話をしたら、「ちょうど人がいないから、来れば？」みたいに言われて、入れてもらったのがスタートかな。

伊藤：そういった経緯だったのですね。オラッチェに入社してから、はじめはどのような業務をされていましたか？

西村社長：最初はね、もう組織もなくて。人もいないし、全部やった。朝、もう6時前に来て、動物のお世話やって、シャワー浴びて、 ソフトクリーム売るところだとか、お土産を売るところだとか。あと、畑もだよね。
全部の仕事を1人でやって、1日が終わっていくような感じだった。

伊藤：なるほど。様々な業務をやられていく中で、入社後に最初に感じた地域の良さだったり、課題だと思ったことは何でしたか？

西村社長：当然来た時は景色だとか、何もかも新鮮で、「いいところに来たな」と思ったけれど、 課題としては、『売り上げがない・大赤字・人も来ない・モノも売れない』というところが1番焦ったかな。
そういう危機感があんまり周りになくて。

伊藤：そうだったのですね。

西村社長：このままだと自分の給料も上がらないし、ボーナスもないし、「ちょっと失敗しちゃったかな」っていう思いがあったかな。

課題解決に向けてというのは、年を追うごとに色々な経験をさせてもらって、 なんとなく理解ができたのだけど、入った時はやっぱり「いいところだな」って。元々三島だから近いんだけど。

じっくり見てみると、「本当にいいところだな」っていうのは思ったよね。

伊藤：なるほど。いま僕がお話を聞いて感じたところとして、課題を目の当たりにした時に、今の人は僕も含めて、課題を感じた時に『自分で動く』という考えにならないというか、他人のせいにしてしまうようなところがあるような気がしていて。

課題が起こった時に「自分でどうにかしないと」と思ったという話だったと思いますが、そういった考えになったきっかけや大きな影響を与えた人などはいらっしゃるのでしょうか。

西村社長：あのね、色々悩んだんだよね。まだ30代だったのかな。 結局誰かのせいにしても腹が立つだけなんで。じゃあ自分で変えれるところは変えてみようと。

ここがオープンして4年目に来たんだけど、この4年間で良かった点・悪かった点をヒアリングをして、自分なりに自分の責任で「変えれるところまでは変えていこう」っていう風に思ったら、ちょっと意識が変わったかな。

やっぱりそれまでは「どうなってんだよこの会社」とかね、「なんなんだよ」みたいなのだったけど、もう骨を埋めて働く覚悟で来てたので、やっぱり入った以上、「自分の環境を自分で作ろう」と思ったかな。そこはなんかきっかけだったかな。

伊藤：そういうところがあったんですね。自分の課題に対してすごくパワーや熱量というものが感じられたのですが、周りのサポートなどはその時はどうだったのですか。

西村社長：ここだけじゃないと思うんだけど、やっぱり『地域の人たちとの距離』がすごくあった。よそ者なんで。「なんだお前」みたいなね。そんなこと言われないけど、そういう感じだったと思うし、それは社内においてもそうだったよね。

連携だとか、今で言うとビジョンの共有がなくて、何もなかったからサッカーで言うところの、『試合で勝ちたい』とか、『上に行きたい』とかって、そういうビジョンがなくて、 ただ流されてみんな仕事をしてたんですね。
ここは『観光で食べていきたい』のか、『モノを売りたい』のか、 その辺もはっきりしてなかったし。

地域の人たちにはもう大赤字で、『負の遺産』みたいな感じだった。それを変えるために、まず「地域の人たちに積極的に交流を図ろう」と思って、酪農家の方々や、農家の方のところへ訪問をしてヒアリングしたかな。

伊藤：今の自分たちの活動との繋がりを感じますね。

西村社長：似てるよね。だからね、ダイスケ(SS伊豆片岡代表)とSS伊豆の活動にすごく惹かれてるところがある。

伊藤：ありがとうございます。ホームページでオラッチェの思いのようなところを拝見させていただいた時に、『地域を守っていくような場所』というものをすごく感じて。

『地域を盛り上げる』というところもそうなのですが、この酪農技術を伝達し、代々続いていくというものを含めて、守っていくような活動だったりをオラッチェはされてるのかなと感じたのですが。

僕がそれを見た時に思ったのは、『伝えていく』ということはすごく難しいんじゃないかなと思っていて。そこの難しさだったり、こだわって伝えていたりというようなことがあれば教えていただきたいです。

西村社長：それはもう1番ありがたいのは、『丹那牛乳が存在してる』ってこと。 やっぱり150年の歴史があって、僕らなんかもう子供の時からずっと学校給食でも牛乳を飲んでいて、どこのスーパー行ってもこの辺では置いてくれているし。

オラッチェって言っても「は？」なんて言われるんだけど、「丹那牛乳です」って言うと、わかってもらえるっていうぐらいに丹那のブランドってすごい認識されてる。

なので、『丹那牛乳』というその『価値をお金に変えていかなきゃいけない』というのを思った時に、色々なやりたいことだとか、 かっこよく言うとビジネスモデルみたいなのがデザインできたかな。

やっぱりみんな自分たちのブランドを大きくするためにお金をかけたりとか労力をかけるんだけど、『丹那牛乳』があったおかげでそれやらなくても済んだ。

伊藤：なるほど。

西村社長：ということは、丹那をもっと大切にして守っていかなきゃいけないし、掘り下げていくと『丹那牛乳はなんでここで始まったのか』だとか、そういうものを地元の人たちに聞きながら行くと、 そのストーリーが「これすごい価値あるよね」「他にないんじゃないの」「ここだけじゃん！」って。

そういうことで色々と肉付けしていって、結果的に『地域を活性させる』ということに繋がってるんだけど、1番は『丹那牛乳』だよね。

伊藤：地域の方々はそこにブランド価値を感じていなかったということでしょうか。

西村社長：うん。そうそう。そうなんだよ。もったいなかった。

伊藤：そうなんですね。そういった価値などは、地域外から来た人の方がわかるものなのでしょうか。

西村社長：多分そう。やっぱ中にいると『井の中の蛙』じゃないけども、普通に牛を飼って搾って牛乳にして売って、それで生計立ててるわけだから、それはそれで全然悪くない。

ただ、その『ブランドの価値をどう高めていくか』ってところまで行ってなかった。時代的にね、すごいいい時代があったから。牛乳って搾れば搾っただけすごく売れてみたいな。

そういう時代じゃなくなってきた時に、『6次産業化』だとか『地産地消』とか『食育』とかね、いろんなキーワードが出てきて、「全部丹那当てはまるじゃん」「循環型農業もそうじゃん」「SDGsなんかモロやってんじゃん」みたいな(笑)

『みんなが取り組んでることを最初からできてる』という、ストーリーにだいぶ助けられているね。

伊藤：本当に『丹那牛乳』ってすごいですよね。僕も普段、買い物するときに本当にたくさん並んでいて。

西村社長：そう。積んでくれてあるからね。

伊藤：僕もほぼ毎日飲んでいるんですけど(笑)

西村社長：ありがとうございます(笑)

伊藤：牛乳ももちろんそうなのですが、コンビニのお土産コーナーあるじゃないですか。なんかあそこに丹那牛乳の商品が置いてあることも、すごいなと思っていて。

西村社長：牛乳は牛乳で販路があるので、「丹那牛乳を使ったお菓子を作ったらどうか」と思って、 最初セブンイレブンのサブレ・ラスクが始まって、いくつか丹那ブランドをつけて売ってみたら、思いの外よく売れて。

なぜかって言うとやっぱさっきの話じゃないけど、『丹那』だからなんだよね。丹那ブランドがついてるってのは、やっぱり『安心』だとか『安全』だとか、『地域性』もそうだし、お客様が手に取ってくれる。

それで丹那マークがついてる商品は、お店側も置きやすくて向こうから「置かせてくれ」って言ってくれるみたいな、夢みたいな話で。

「これはいいな」みたいな。それでコンビニだとかスーパーマーケットだとか、地元からじわじわ広がって、今はものによっては全国にいってるかな。

伊藤：実は僕の妻が千葉県出身なのですが。

西村社長：そうなんだ。千葉は酪農発祥の地だからね。実は。

伊藤：そうなんですね。

西村社長：そうだよ。千葉のね、『酪農のさと』(千葉県酪農のさと)ってところがあってね。そこにはね、白い牛が何頭かいるんだよ。今も。この間も研修で行ったけど。

伊藤：そうだったんですね。妻は丹那牛乳のドーナツが好きで。だいたいお土産で買っていきます(笑)

西村社長：ありがとうございます(笑)
そういうのが1番嬉しい。地域のお土産でね、使ってもらえれば。

伊藤：やっぱり美味しいものが、1番いいので。

西村社長：そう。美味しくなきゃ買わないからね。

挑戦しやすい仕組みをつくる

伊藤：次に西村社長が現在、社員さんとコミュニケーションを取られる際に大事にしていることをお伺いできればと思います。

西村社長：それは今、悩んでいるところ。はじめは経営理念とか何にもなくて、まずそれを社長になって設定をして、それは社員と地域の皆さんや訪れるお客様が『みんな幸せになる理想郷を作る』みたいなことを入れてあるんだけど、それを理念に掲げてこれに向かってやっていこうと。

ビジョンとしては、当然収益を上げるために観光だとか、外へ売ってく営業だとか、いろんな酪農に関わることをやっていくことを恐れずにみんなでやっていこうと。

『見る前に跳べ』じゃないけど、いろいろなことにチャレンジをして「失敗してもいいよ」「失敗したら責任とるからやってみてもいいよ」って言ってスタートしたら、これがなかなかできないんだよね。

できないといっても能力がない訳ではなくて、『怖くてできない』ということだろうし。だから最近思うんだけど、 若い世代というか『社員たちが挑戦しやすい仕組み』をもう1回作らなければいけないなと思って。

要は『稼げる仕組みを作る』のが経営側の仕事で、それに乗っかってスタッフたちは動いてもらって、その中で経験を積んで「ここはこうしたほうがいい」とか、クリエイティブな部分が出てくる。

「その環境を作りたいな」と思って今チャレンジしている。自分がね、言われたことだけやるのはすごく嫌だった。性格的に。でも、そうでもないんだな。言われたことだけやってればいいっていう人の方が多い。変な意味じゃなくて。

言われたことだけやってくれて、決まったサラリーをもらって、安定した生活を送っていけばいいって社員もいるわけだし。だったら「もっと給料上げるために頑張れば」みたいなこと言ったんだけど、そうじゃなくて、もっと給料上げるためには、「こうやってやったらいいよ」というような仕組みをこっちが作る。

監督もそうじゃん。「選手もっと自分で考えろよ」とか思うでしょ。「ここはこうじゃなくてこうだろう」みたいな。でも、言われたことしかやらない人はそこまでだし、人を育てるってすごい難しくて、我慢だよね。

伊藤：僕は普段、チームマネージメントなどの本を読んだりするのですが、あまり聞かないようなお話の内容でした。『自主性を育む』って、色々投げかけることによって、その人から『自発的に出るもの』に結構頼りがちだと思うんですよ。
こちら側から「こういうことを考えてみたらどう？」ところは、確かに「ありだな」とすごく思って。

西村社長：そう。【A】か【B】かってなって、監督が「Aじゃない？」って言ったらさ、選手はやっぱり【B】ってなかなか言えないじゃん。

伊藤：確かにそうですね。

西村社長：【A】と【B】どっちか選ばせて、【B】って言ったら【A】だと思っても「だよね、じゃあBやってみようよ」っていうのが多分理想なんじゃない。経験値を積ませる上で。

伊藤：今のお話にも少し繋がってるのですが、そういった部分で社員さんのどういうところを見ているんですか。

西村社長：もちろん性格もあるし、得意・不得意もあるし、得意なところを伸ばしてあげるのが1番理想なんだけど。

でもそれやっちゃうとめちゃめちゃ属人化しちゃって、その人しかできない仕事が増えちゃったのね。だから不得意なところも、やってもらおうと思って。すごい頻繁にね、配置換えしてる。

『オールマイティーなスタッフ』になってほしくて。自分がそうだったから。もう全部やらせてもらったからさ、全部分かってるんだけど、俺しかわかんないことっていっぱいあるんだよ。それダメじゃん。みんな同じようにわかってなきゃいけないんで、いろんなことやってもらってる。

コロナがいいきっかけで、コロナの閉園中に他のスタッフが、普段やらない動物の仕事をやったり、畑で草取りしたりとかってやっていったら、やっぱその部署の大変さもわかるし。

逆にその畑で作っている野菜を『もっと売る方法はないか』とか、そういう意見が現場の中でも出てるみたいよ。 それはもうプラスの効果だったね。

伊藤：コミュニケーションというところは活性化されたんですね。

西村社長：うん。もうほんとに属人化しすぎちゃってて、人がいないのはもちろんなんだけど、なんていうのかな。ロスが多い。自分の分身が欲しいわけじゃん。分身を作るには、やっぱり『時間・体力・我慢』も必要だよね。

そこでまず同じ思いになってもらって、 そこから先はもうその本人の成長幅だと思ってるんで。『人を育てる』って楽じゃないよ。うん。お金もかかるしね。

伊藤：今のお話を聞いて、いろいろな取り組みをされてるんだなと。その上で、改めて感じている地域やオラッチェの課題だったり、逆に最近良くなってきたりしているようなところはありますか。

西村社長：まず、地域の課題でいうと、もう酪農家が減少してる。僕が来た時は 【52件】酪農家がいたのだけど今、【9件】。
わずか20数年で9件まで減って、まだそこから減っていく可能性も多くて、増える可能性って、限りなくゼロに近い。

これを「なんとかしなきゃいけない」っていうのがあって、『農業DX』と言われてるようなものがあったりだとか、 移住・定住含めて、もう少し『酪農に力を入れなきゃいけない』と思ってるのね。

で、例えば、「自分たちで新たな牧場を作って、そこで牛を飼って牛乳を搾る量を増やしていく」とか、そこの「担い手をどう育てていくか」とか。例えば、SS伊豆の選手が『昼間は牛舎やって、夜は練習やって』みたいなのが1番綺麗にまとまるかもしれないけども、 そんな甘いもんじゃないとは思うんだけどね。そういうことをまずやっていかなきゃいけないっていうのが近々の俺の中の課題。まだ会社の事業としては正式でやってないけど、自分が考えてるのは、それ。

最近良くなったなと思うのは、函南町っていうのはあんまり観光に長けてなかったというか、特化してなくて『農業地帯』だったり『ベッドタウン』だったりするというところが、うちができて、『十国峠』だとか、あと『道の駅・川の駅伊豆ゲートウェイ函南』は5年経って、活性して、今は町内がグッとこう『観光に向けて動いてきた』ことは、すごくありがたい。

伊藤：そういったコミュニティの部分は、やっぱり昔よりも今の方が強固になっていると感じますか。

西村社長：やっぱり目に見えて、「観光で食べていこう」とか、「活性しよう」とか、 行政含めてそういう動きができるようになってきたんじゃないのかな。実際、「あんなところに道の駅できたところでダメだよ」とかって言ったのがもう1000万人超えちゃってるし、予想を遥かに上回ってね。
『川の駅』なんかもできたりして、やっぱり1つの町のシンボルとして、『観光の拠点』として出来上がったんでね。僕らはそこをベースに観光を、情報共有しながら『一緒にやっていく』『協業していく』ってことじゃないかな。

伊藤：今ってSNSだとかいろいろなツールができたおかげで、コミュニケーションが減ったんじゃないかと思ってて。
近いところでしか、コミュニケーションも取ってないなと思うのですが、なそれとは逆に、今『丹那』という地域が『観光という軸』を通して、『コミュニティが強くなっていった』っていうのは、なんかすごく面白い話だなと思いました。

西村社長：そうだね。おっしゃる通り、本当に『コミュニティを作る』ことしかなくて。『地域の人が集まる』のもそうだし、『交流を求めるような人が来る』のもそうだし、『観光の人が来る』のもそうだけど、やっぱりこの『丹那』というこんな小さい盆地で、 その中のコミュニティとしてうちが存在をしていく。
それを町内外に発信をしていって、『横連携を深めていく』ことがまず大事であって。

本当にコミュニケーションを取る機会が減って、逆にアナログ的なことを求めてくるお客さんもたくさんいて、『畑作業』だとか『動物に触る』だとか、『ワーケーション』もそうだよね。地域の人たちとコミュニケーション取りながら『働く環境を作る』とか『心の癒し』『健康』だとか。

コロナ以降、そういうテーマがすごく変わってきて、それにはもうここは最適な地なんで、そういうところもこれからのうちの売りとして、商品化していく必要があるよね。

あえてユニフォームスポンサーから降りた

伊藤：最後にSS伊豆に対して、お話を伺いたいのですが、何かありますか。

西村社長：多分スポンサー第1号で。立ち上げから見ているんだけど代表(SS伊豆片岡代表)が来て、 最初は何を言っているのかよくわかんなかったけど(笑)
だけど思いが強くて、ぶれない。自分がここに来た時と似てた。その可能性を感じて、応援したくなってスポンサーさせてもらって。結果がどんどんついてきて。
今年度、ユニフォームスポンサーからはあえて降りた。
というのは、迷ったんだよ。だけど、 次のステップに行くためにね、新たなスポンサーを見つけること。努力も必要だと、お互いに思うし、当然応援はしてるんだけども、「もっと上に行ってほしい」って。もっと大きいスポンサーを見つけるべきだと思ってる。それは運営上ね。でも、理念があるからさ。地域に貢献する。それはもちろんなんだけども、 SS伊豆というチームがいろんな意味で強く大きくなっていくためには、最初からいたっていうのは、応援はするけども、一旦退いて、違う視点、視線で応援をしたいと思ってる。だから勝った負けたの結果は【X】(旧Twitter。公式戦時の試合速報)でしか見てないけど、 悔しいよ。負けるとね。
勝てればよかったと思うし、そういう思いってあんまりない。このぐらいになるとさ。
だからやっぱり携わってるっていうか、応援してる身としてはすごくありがたいです。

伊藤：ありがとうございます。

西村社長：いえいえ。これからも応援はしてますよ。

伊藤：オラッチェさんがオラッチェ杯を長くやってくださっていると思うんですけど、 僕も2回、お世話になって、子供たちの大会ってすごく難しいっていうか。
こうやってサポートしていただくおかげで、子供たちが『のびのびサッカーできる場所がある』と考えると、すごく応援されている。ちゃんと地域にもサッカー以外で、還元できてるところがあったりするのですが、また「別の部分で、できることは増やしていかないといけないな」ってのは、今のお話を聞いてすごく感じました。

西村社長：そう。でね、『地域貢献』とか『地域活性』ってさ、 儲かんないんだよ。
儲かんないどころか持ち出しの方が多かったのね。『赤字』だよ。
どうやってその『地域活性』をビジネスにしていくかっていうのは、多分『お互いの課題』だと思うんです。
『畑作業に行く』とかそういうボランティアも、もちろん大事なことなんだけど、ボランティアはいつまでも続かないし、 それを「ビジネスにどう持っていくか」っていうところが、ダイスケにも言ってるんだけど、SS伊豆がこれから大きくなっていく使命じゃないかな。モデルとしてね。
「畑、草取り大変だから来てよ」「行きますよ」って。ありがたいんだけどな、いいように使われて終わっちゃう。

伊藤：そうですね。その辺りは考えていかないといけないですね。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。

西村社長：こちらこそありがとうございました。

(2024年4月某日　酪農王国オラッチェにて)