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22歳あべま世代があいみょんの良さに気付かされた話

 

僕はロックは聴く方だと思ってるので、是非ともあいみょんさん僕とお付き合いしてください。はぁ、やめよう。


彼女の存在を知ったのは、ちょうど「君はロックを聴かない」がリリースされた時だった気がする。まだ実家にいたころ、スペースシャワーTVのパワープッシュに選ばれていたのがあいみょんだった。すげぇ前やな。




正直な感想は



いや名前wwwあいみょんって高校生ニコ生配信者かてwww


くらいだった。


曲を聞いてもイントロ5秒でMTVにチャンネルを切り替えた。あー、よくあるねぇこーゆーのよくあるねー。ギター女子なんだろうけど、事務所の意向で優秀なプロデューサーつけられて、コッテコテの王道J-POPになるやつねー。はいはい。なんか顔そんな可愛くないじゃん。あーはいはい。


みたいなね。わかるでしょ?あ、わからないすか。さーせん。


強いて言うならRihwaとかCyleeみたいになる臭がプンプンだった。Rihwaもくすぶってるよなぁ。全然知らんけど(投げやり)



イントロとかクッソつまんねぇと思いましたね。なんかゾワゾワして聴いててらんない。恥ずかしくなってくる。


とまあ、そんなんであいみょんの存在は、僕の中で塵芥のごとく隅っこに追いやられたのであります。この時まだ1曲しか聴いてないです(てへ)






時は過ぎ2018年10月



とある映画が公開されたんすよ。

「音量を上げろタコなに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ」

なんだこのサブカルクソ女に受けそうな長ったらしいタイトルは。


僕もメンヘラクソ男なのでこの映画とっっても見たかったんですわ。



ってのも僕が愛してやまないってほどじゃないけど、そこそこ好きなPay Money To my Pain (以下PTP)ってバンドのギタリストであるPABLOが出演&劇中の歌の演奏をしているとのこと。

PTPについてはまたちゃんと別の機会に触れたい。




んでもって、そんなに聴かないRIZE、Dragon Ashでベースを弾いてるKenkenも出てるとのこと。僕がKenkenを好きな理由は、僕が好きな打首獄門同好会っていうクソ血みどろな名前したバンドのフロントマンである大澤会長とKenkenの絡みが好きだからだ。人間性に惚れたってところです。そしてやっぱりベースがゲロ上手い。



さらに僕が大好きな八十八ヶ所巡礼がフルメンバーで出演していると言うこと。あ、水曜どうでしょうじゃないですバンド名です。このバンドも愛が溢れているので、またいずれ触れたいと思います。ゴリテク変態3ピースです。



ネタ映画にしては随分と音楽面で魅了するじゃねぇか!!キャストの揃え方が半端じゃねぇ!



なに?HYDEといしわたり淳治も関わってんの?ガチ?ちょっと本気すぎませんか???


いしわたり淳治ってのはSUPERCARって言う伝説的なバンドで活躍していたギタリストがいたんですよ。ゴリついたバンドから少女時代とか私立恵比寿中学とかの作詞まで手がける変態です。もうね、好き。




揃えて来たメンツを考えると駄作で終わるはずがないと、かなり期待してました。




しかも阿部サダヲが主役として歌うんやぞ??

マルマルモリモリしてるただの俳優ちゃうねんぞ?グループ魂(たましい←大事な)っていう異種才能集団バンドでプロをも圧倒する歌唱力の持ち主やぞ?

そもそもあいみょん世代にマルマルモリモリなんて伝わらないか。時の流れ、いと早し。


CDJでたまたま観たグループ魂のステージに心打たれてからは、僕もスリッパをぶん投げて、モテる努力をしないでモテたいと思うようになりました。伝わってくれこの感じ。




そんなこんなで役満級の期待を胸に、映画公開日当日の金曜、人生で初めての一人映画をすることになったのです。祝!!!!なんか緊張!!!恥ずかちぃ!


公開日に映画見るなんて、母親と観に行ったハリーポッターと賢者の石以来です。映画見無さすぎやろワイ。











いや、まじさ...クッッソつまんなかったよナニコレ??ふざけんな??









ちょくちょくラモーンズとか聖飢魔IIの小ネタとか挟んできて、ふふっ、ってなる音楽ネタあったんだけど、ストーリーが絶望的につまらない。そりゃもう絶望的に。


ネタバレになるからこの辺でとどめておくわ。やっぱソラニンとかDMCってすげぇよ。原作って大事なのな。





ただね、今回この駄作を観に行ってよかったなと思う事が一つありました。


そうそれが、路頭に迷う22歳の子羊ちゃんが、あいみょんの良さを認識するわけです(オェ〜)


公開前から宣伝でバシバシ流れてた「体の芯からまだ燃えているんだ」を劇場でちゃんと聴いたら、お、なにこれええ曲やんってなったわけですよ。


色々調べて見ると、あいみょんが作詞作曲したとのこと。


おぉ!?あいみょんってあのロック聴かないあいみょんか!?ってなりましたねぇ。

さすがにHYDEといしわたり淳治があれを作ったらラルクもSUPERCARも一体何だったんだってなります。



君はロックを聴かないのイントロで、何やこれ!と言い放った僕が、一人寂しく映画を観て、つまんねー!!とフラストレーションを爆発させようとしている時に、まさかの再会。
全然可愛いと思ってなかったクラスの同級生が夏休み開けにめっちゃ可愛くなってて、気づいたら好きになってる的なアレです。あるよね〜(ゲス顔)







んで気になってApple Musicでアルバム一通り聴いてみたら




いや、いいわコレwwwごめんなさいwww



なんだろう。おじさんちょっと懐かしくなっちゃう。夕暮れの校舎思い出しちゃったよどうしてくれるのよ。

都会の喧騒に揉まれながら聴きたくなっちゃうよ死にてぇーーーー。

もう二度と戻れない学生生活に、思いを馳せずにいられねぇーー。



特に「生きていたんだよな」「強がりました」の二曲は俺的10月パワープッシュ決定ですね。ありがとうございます。


キャッチーなんだけど、ゴリゴリのポップよりのキャッチーさじゃないんだよな。60's 70'sのフォークソングみたいな歯切れの良いキャッチーさがあるなぁと個人的に感じた。


そしてどの曲もクサい。そりゃもうクサい。「君はロックを聴かない」でうっわ!クッサ!と逃げ出した僕が、なんかそのクサさが癖になってしまった。
あいみょん、ブルーチーズ説。


いや、すげぇ良い。聴いた後の耳が気持ちいいよ。



あと詞とコードの運び方とサビの終わらせ方が抜群に良いな。コード進行は論理的に説明できんけど、哀愁を持たせているんよ。だからポップでクサいのに聴いててダレない。多分7thとかDimとか代理コードとかうまく入れてるんだと思う。だれか専門家頼むわ。

特に先述した二曲は、サビの終わり方がギュワンギュワン揺さぶってくる。詞とコードが絶妙に感情を揺さぶり、胸をかき乱す。やめてくれ。22歳の防御力はそんなに高くない。



変に改めてないから親近感ある言葉になるんだろう。それでいて言葉が素すぎないから音楽として映える。チョイスが独特なんだけど、難解じゃないから、あー!分かるぅーってなりやすい。


僕の心臓のBPMは190になったぞとかめっちゃ良くないですか?(突然の裏切り)






彼女の音楽を高校生の頃に聞けたらと、下の世代がとても羨ましくなった。きっと不安定な時期の俺に寄り添ってくれる音楽になるなぁと。




僕が中高生の時に聴いてたのはもっぱら阿部真央だった。

会いたくなってバスに乗り込んだこともないし、気になる人から夜が明けてもメールが返ってこなかったこともないのに、曲を聴いて妄想にふけっていた中高時代のしょっぱい自分を思い出した。

あいみょん聴いててもしょっぱい思い出になりそう。だめだこりゃ。


そんな中高生のアンセムとして阿部真央とあいみょんは少なからず同じラインにいて比較されるんだろうとも思った。歌詞もメンヘラチックなのが目立ってるしね(ストーカーの唄vs貴方解剖純愛歌 ~死ね~  Fight!!)


ロングトーンも二人ともマジで似てる。特に「お」の母音を叫びつつメロディとして残すあたり。特徴的なこもり方も、僕のような素人じゃ聴き分けがつかない。いや良い。好き。似てて良い。だって良い声だし。


二人ともプロデューサーの意向なのか、バンドサウンドがよく似合う。バックでかすかになってるギター聴いても、およ!?ってなることが多い。いいじゃん。

あべまのMV観てもバックバンドつけて歌ってるのとても多いよね。




そんで、結構感動したのが二人とも

阿部真央の「19歳の唄」
あいみょん「19歳になりたくない」

と同じ年齢の時の葛藤や思いを歌にしていて、これまた両者とも若者の不安をグワシっと掴んできやがる。

聴き比べした時はおっひゃーってなりましたね。


気づけばもう自分は22歳で、この歌を書いている彼女たちからすれば、嫌な大人に見えてしまうのだろうと考えてしまったよ。

22歳がなんか考えさせられてるのマジうけるwww(いやウケない)

今この年齢の僕が聴いても十二分に脳天琴線メンタル響きまくりです。



詞の点で言えば、恋愛ソングに関わらず、あべまの楽曲はどこか前向きというか、暗闇の中で光を掴もうとしている人の背中を力強く後押しするようなそんな曲が印象的だった。

一方あいみょんは、押しも引きもしない。そんな印象。
誰かの立場から見える景色とか感情を歌にしている。まるでドラマでも観ているかの様な、曲が終わった後にそんな印象を強く持たせてくれる。


だからこそ「生きていたんだよな」を聴いた時はおぉ!!ってなりました。誰かの代弁者としてあいみょんは歌っているのだろうと。




二人が別に似てようが似てまいが、世代でもないあいみょんに僕はどハマりした。
あいみょんはあべま世代を虜にする魅力を十分に持っているということだ。



逆も然り。なんでそんなこと言えるのかって?


バイト中にとある有名子役が来てたんすわ。普通に何でうちのバイト先に来たってレベルの有名子役です。

んで、控え室通った時に阿部真央流してたんだよ。そいつ中学生だぜ。


世代なんてかんけーねぇよな。カッケェ音楽ってのは世代を超えて響くんだと、その時嬉しくなったのをこれを書いている時に思い出した。





ただ、あいみょんがタイアップやら何やらで、消費されるだけの音楽にならないことを願うばかり。ここばっかりはただの偏見。




その点、阿部真央はかっこいい女性アーティストとしての地位をしっかりと固めたと思う。離婚も出産も声帯の手術も経験した彼女の音楽は、きっとこれからさらに魅力を増すに違いない。楽しみすぎるよ阿部真央!!!


なんとこの記事を書いてる時に、阿部真央10周年記念アルバムとツアー開催決定らしい!!!おめでとう!!!



待て...10年って


いや...確かに初めて「あなたの恋人になりたいのです」を聴いたのは中1の夏とかだった様な...。

スペシャで聴いた時、僕はまだ五厘刈りで白球を追ってましたね。暗黒期です。くわぁぁぁああ。

新曲もとってもカッコ良いので要チェックや!

https://www.youtube.com/watch?v=A7u6slgvgBc


あれ?あいみょんも新曲のMV上がっとるやんけ!!

https://www.youtube.com/watch?v=mH6LoI63buY




今後のあいみょんの活動から目が離せなくなった。

もっと世の中に噛み付いてほしい。大人ってこんなんなの?と憤ってほしい。僕たちに、忘れてしまった淡すぎる気持ちってやつを思い出させてほしい。中指を立てておくれよ。







もう少し時が経ったら、あべまの曲が中高の思い出を鮮やかに思いださせてくれるのと同じ様に、22歳の思い出と共にあいみょんの曲がフラッシュバックしてくれたら嬉しい。


そんな淡い期待を込めて今日も再生ボタンを押す。



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