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エコー

休日の夜
静かさの中には空調のノイズだけ
ボタンをふたつ付け直す

穏やかな夜
針の穴に黒い糸が通り抜け
表地と裏地を行き来するたび 音が鳴る

休日の夜
時間は流れてゆく ピリオドはなく
しつけた糸を断ち切り鋏が音を出す
まばたき何回か分のワンシーン がそこで切れる

穏やかな夜
明日は寒くなるらしい
外のせかいはまるで他人事みたい
休日の夜とはそういうものだと思う

寄りかかるでもなく
寄りかかられるでもなく重さを忘れると
二重瞼は夜に色を奪われた蕾と共に
小さなため息に沈み込むようにして
朝を待つのだった

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