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140字小説「月の独り言~皆既月蝕の夜に」

今夜はやけに地上からの視線を感じる。皆既月蝕と惑星蝕なるものが同時に起きているせいらしい。我らは何一つ変わらぬのだが、人々は「吉兆だ」「凶兆だ」「442年ぶりだ」と姦しいことこの上ない。だが空を見上げ無邪気に目を輝がせるその姿は、地上に煌めく星のようでなんとも愛らしく愛おしい。

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