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最後に見たもの お題:親切な暗殺

本文

これは、三重が消える前の忍の話だ。

彼女は諜報員として洋館に潜り込み、不正の証拠を見つけ出す任務に就いていた。
もし厄介ごとになりうるなら暗殺可能だったという。


彼女は予定通りメイドとして潜入。
家事をこなしながら違和感なく情報を依頼主(クライアント)に伝えていく。


奥様が何やら様子がおかしい。
どうやら旦那様は利用されているだけかもしれない。
この可能性に行きついたのに、時間はかからなかった。


途中省略





結果は思った通り。
奥様がこの屋敷を実質牛耳っていた。


しかも。
危険な生物兵器製造の黒幕でもあったのだ。




被害者が増えるなら殺すしかない。

依頼主に連絡をすると、屋敷ごと葬るしかないという。
これこそ親切な暗殺だ。




そこからは早かった。
怪しまれぬよう、刺激せぬよう、ランダムに葬っていった。



黒幕を葬り依頼主の元へと戻った。





「ご苦労だった、忍」
「どうかされましたか?」
「否、なんでもない。ところで、これを見てもらえるかな」





私が見たのは日本地図が表示されたモニター。
依頼主は三重県をタップし、Deleteコマンドを実行した。



私はみえなくなった。





真の黒幕に気付いたのは、事務所に送られた後だった。


あとがき

此方とは同一世界線ですわ!

クリエーターとして活動していくために、よりよい機材などが必要でございますわ。 ぜひご支援の程、お願い申し上げますわ。