2021/2～2021/11、2022/7～2023/1
季語があるものは季節ごと、それ以外は完全に順不同です。
一部加筆修正したものもありますが、基本的にはツイート通り。

年賀状出す当てもない空財布

初詣だけ神社賑わい

二十歳越え「お年玉くれ」言う孫ら

死期迫り足掻かんとして初詣

すっぴんのニキビ跡すら愛おしく恵方巻への願いは秘密

寄生虫憑かれた君よ安らかにアカシアの花枯れた来世で

無垢なまま背中追いかけ生きてきた過去はもうなく、夏はもうすぐ

迂闊に月も見られぬ

彼岸花あの人はいま何処にいる意地悪だから帰ってこないの

世の流れ棹さされても止め処なくクリスマスにはサンタが来ている

欠けるのが速いか時が速いのか光の元へゆく白い息

プロバガンダも大概にせよTwitter殿

攻撃性のち自傷のパーソナリティ

記憶のバックアップは那由他でも間に合わず

近頃は陰謀論が流行りの薬

死が償いの現世、罪人のみの常世

答え合わせは常世へお預け

尊厳売ってカネを持ち死ぬ

「金欠」に集る閲覧数乞食

「貯金も」と刺されるその日暮らしの子

居場所すら奪われてゆく俺たちは

鶏食わず猫にも食わせず菜食者

両成敗下には下の下がいる

六色の旗も棺と骨になる

針のむしろが歩く街中

シニカルを装う奴の足下に手首を切ったあの人の顔

化け物はかわせよ乙女綺麗事並べて歩く余裕あるなら

「抗え」と口だけで言うスラム街マクドナルドも貴族のもので