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水木道

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『鬼太郎誕生〜ゲゲゲの謎』:メモ

『鬼太郎誕生〜ゲゲゲの謎』をPrime Videoで観た。小分けにしないで一気に観た。

『ゲゲゲの鬼太郎』で、『総員玉砕せよ』の「魂」を語っている作品。別の言い方をすれば、『鬼太郎:エピソード0』であると同時に『総員玉砕せよ:The Return』。あと、「京極堂」要素もある。

「水木思想/水木哲学」の奥底にある「根源的な怒り」は表現できていたけれど、もう一段深い、底を抜けた先にある、水木サン

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水木さんの『マンモス・フラワー』という作品(の3ページ目)で既に、21世紀になってGraeverによって叫ばれる「ブルシット・ジョブ」が語られている。更に、最終ページでは「ベーシックインカム」についても言及される。流石です。

体が石のように固くなって泡を吹いて倒れ、水木さんが病院を探している間に、ネバネバする液体だけを残して消えてしまった美術学生(アシスタント)の病名はカタレプシー(強硬症)? でも、なら、あとに残ったネバネバの液体は? 『コミック昭和史⑦』に登場するエピソード。

『コケカキイキイ』:メモ〜小鳥はどこに?

水木サンの名作短編「コケカキイキイ」(角川文庫『異悦記』収録版)には「謎」がある。輒ち、コケカや太吉少年などによって開かれた集会「ユートピアえの序曲」の場面がそれだ。語り手によると、出席者は、①植木鉢、②小鳥、③もやし、④コケカ、⑤太吉少年、⑥植木鉢を保護する老人の計6人なのだが、もやしを含めた5人はちゃんと描かれているのに、小鳥の姿がどこにもないのだ。

謎を解く手がかりになりそうなものは二つ。

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いたずらな三匹(「見上げ入道」)

「水木道」の「求道者」に言わせれば、「鬼太郎」は「ゲゲゲ」よりも「墓場」なわけだが、「ゲゲゲ」にもたまらん魅力の作品はいくつもある。と書いて、すぐに思い出すのが「ちくま文庫版ゲゲゲの鬼太郎①妖怪大裁判」にも収録されている「見上げ入道」。この作品の魅力は、ストーリーや鬼太郎や見上げ入道ではない。三匹のいたずら者である。輒ち、見上げ入道に誘拐され、強制的に「妖怪学校」で授業を受けさせられている、「いた

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考えてみれば、我々に「水木道」があるのもの、若き水木サンの「現地除隊」を思いとどまらせた軍医さん(砂原勝己氏)のオカゲであろう。

水木漫画の代名詞的セリフは無論「フハッ」だが、通はもう一つ知っている。「まあね」である。様々な水木漫画で様々なキャラが口にする「まあね」は、どれも、往年のUWFの脇固めのように、「ここ!」というタイミングで発せられ、まさに見事というより他にない。

アメコミ水木サン

図書館で借りた「水木しげる/貸本漫画のすべて」という本をパラパラと 眺めていたら、「プラスチックマン」という作品が出ていた。どこかで見覚えがあるキャラクターだと思ったら、『The Dark Knight Strikes Again』にも出て来る昔のアメコミヒーローだった。まあ、言ってしまえばパクリなんだけど、そんなことはどーでもよくて、水木サンは当時既にそういうアメコミを見て知っていたのかぁ、とオ

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