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ストーリーとしての競争戦略

戦略とは「つながり」

2つ以上の構成要素に因果理論(因果関係)があること

と書籍では定義しており、複数の実例を交えながら長期利益を生み出す戦略について分析、紹介をしている。
また、全体が繋がっていない戦略は、アクションリストになってしまい、個々の施策が相互にいい影響を与えることが重要と述べている

次は何が起こるだろう?

事業を行う際に、こうしたら売れる!会員数が増える!といった発想から入っていくが、その先の売れたら…会員数が増えたら…といった連続した次の動きに関しても予想する事で長期利益を考えることにつながる。
逆に、売上や登録者数といった数値目標だけを追いかけると長期の利益に結びつかないばかりか、仕事ではなく作業になってしまう。
目標は売上や登録者数が伸びた先に何があるのか、次の展開を予想し、人として社会としてそれって良いよね、素敵だよね、と思えるものにしたい。

誰に何を売っているのか?

すべての商品に言えることですが、本質的に何を作り、何を売っているのか?買った人が価値を感じている部分はどこなのか。逆に喜ぶ人がいる裏では、喜ばない、ターゲットにならない顧客に関しても予め考えておきたい。

不自然で一見すると「なぜ?」

その業界では通常考えられない施策が事業の強みになっていることがある。
アイデアを考えていると、それは無いか。と考えをやめてしまっている事があるが、逆に「それは無い」「ありえない」といった発想を「ありえる」にする。「ありえる」所まで考えることで、他社にはない強みになる。

下記は書籍に記載の用語や考え方

競争戦略

とは特定の業界、競争の土台が決まっていて、その中で戦う戦略
例:パン屋さんは飲食店だが、飲食業界での戦略と、競合するパン屋さんとの戦略、といった異なる範囲での戦略がある

全社戦略

複数の事業のバランスをどのように構築するか、どの分野を伸ばして、逆に撤退するのはどこかを考えるのが全社戦略
例:グルテンフリーの米粉パンを伸ばして、セット販売しているドリンクは種類を減らしてオペレーションコストを下げよう

戦略ストーリー

Amazonのフライホイールの事例のように好循環を生み出す一連の流れ

「低コストビジネスの仕組み」→「低価格での販売」→「(お得に購入できたので)高い満足度」→「いい買い物ができたので再度購入)取引量増加」→「(お客様が増えれば)販売会社の増加」→「品揃えが増える」→「顧客満足度が上がる」

書籍で紹介されていた、マブチモーターでは
「モーターの標準化」→「大量生産」→「コスト優位」→「顧客が標準モーターを使うようになる」→「さらなる大量生産」→…

上記のように起点となる行動から始まり、好循環になるような連続性がある話を戦略ストーリーとしている。
私としては、起点となる行動が重要と感じる。
前提を疑い、ここを変えたら全体としてこう変わるのでは?という発想が必要だなと

戦略ストーリーの5C を終わり(結)から考える

競争優位(ストーリーの「結」)
 →利益創出の最終的な理論
コンセプト(ストーリーの「起」)
 →本質的な顧客価値の定義
構成要素(ストーリーの「承」)
 →競合他社との「違い」
  SP(戦略的ポジショニング)もしくはOC(組織能力)

クリティカル・コア(ストーリーの「転」)
 →独自性と一貫性の源泉となる中核的な構成要素
一貫性(ストーリーの評価基準)
 →構成要素をつなぐ因果理論

競争優位

WTP - C = P
WTP = Willingness To Pay 顧客が支払いたいと思う水準(価値)
C = コスト
P = 利益
上記の事から下記のような戦略が考えられる
・コストを下げる戦略
・付加価値を高くする戦略
・ニッチで無競争を目指す戦略

コンセプト

本当のところ、誰に何を売っているのか?
・目標があって目的がない。それは作業であって仕事ではない
・ターゲット顧客を明確にする。そのうえで、誰に嫌われるか?(ターゲットではない顧客をはっきりさせる)

構成要素

料理店に例えると、シェフのレシピがSPに該当し、これは「他店と比べてどう違うか?」という事
OCは厨房の中にあるもの。食材、特殊な調理器具、料理人など「他店と違って持っているもの」となります。
SP:Strategic Positioning
OC:Organizational Capability

クリティカル・コア

独自性はポジティブな側面だけではなくネガティブな側面も持っている
その為、一見すると「なんで?」となるような事が実は戦略的な意味をもっている事がある
例:スターバックスではWTP(顧客が支払いたいと思う価値)の増大を戦略としているのでお店の回転率を上げるのではなく逆に読書やおしゃべりをしても良い空間づくりをしている。その為、スターバックスではコーヒーの提供スピードは早くしていない、数人のスタッフで時間をかけて提供しているので、忙しいビジネスマンが「あそこは提供に時間がかかるからやめておこう」となるようにしている。結果として居心地のいい空間を求める顧客に対して訴求できている。

一貫性

上記の様々な要素が最終的には競争優位に繋がる必要性がある。
いくつもの要素が競争優位をつくることで、他社が表面的に同じことをしても同様の利益構造を作れないようにしている。

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