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つくりて

こんにちは!「函館在住者」のたにです。
1か月とちょっと西部地区を回り、少しづつこの街の、人の輝き、町の美しさ、一方静かなちょっぴりの寂しさを感じてきています。
今、函館はすっかり雪をまとい、別の顔を見せだしています。
以前までの話はこちらから

雪がつもりもう自転車では西部地区に行けないようになってしまいました。
自転車でいくと20分程でつきますが、歩きと市電(路面電車)を使うとなると三倍の1時間はかかります。

一気に西部地区は遠い存在になってしまいました。

市電があることが唯一の救いですね。
車がない人にとって市電のない生活は考えられないです。
そのため、市電は地域の人と密接な関係にあり、運行数も非常に多い。
田舎では1時間電車が来ないなんてざらですが。
市電の中はぽかぽかと暖かく、雪をたくさん身にまとった人がたくさん入ってくるので、床がびしょびしょになっています。
しかし、床は木でできているので滑りません。
床が木の乗り物って、今はもう市電くらいしかないと思います。
足音がどかどかとなり少しうるさいかもしれませんが、夏はからっと乾き涼しさを、冬は水を吸ってずっしりと構えて私たちを支えてくれます。

市電に乗り外を眺めます。外は吹雪なので何も見えません。
たまに開くドアが、外の冷たい風を招き入れ、こんもりした暖かさの車内をびっくりさせます。

十字街につくと電車を降ります。
外の冷たい雪風がびゅうっとふきつけ、雪が溶けて顔を濡らします。
パーカーのフードをがばっと被り、気にせず、ずんずんと進んでいきます。

こんなに寒いのに高校生や中学生が元気にはしゃいでいます。
雪は雨と違ってなんだか嬉しい、雪玉が当たればバトル開始です。

西部地区にはozioという革の鞄屋さんがあります。
革にシルクスクリーンや手書きで絵を描く斬新な鞄が売られています。
東京からわざわざ買いに来る人もいるそうなんだとか。
革の鞄に動物のイラストが描かれ、革も生き物だと再認識させてくれます。
ガラス張りの扉を開くと女性の方が出迎えてくれました。エプロンをしているので、どうやら彼女は職人の様です。
お店は工房と併設しており、職人の方が鞄を作りながら店頭に立っているんだとか。
作家の方と会えるかなと期待してきましたが、いらっしゃらないようでした。
西部地区のお店は一号店で、作家の方も最初の方はここで活動していたそうですが、今は東京の方のアトリエで活動しているそうです。

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お店は築80年の元老舗パン屋さんを改築したもので、洋風のクラシックなたたずまいでした。昔は学校にパンをおろすほどおおきなパン屋だったそうです。
パン屋の時、ショーケースがあった名残で、床はL字になって一段高くなっています。いまはショーケースにパンではなくカバンが飾られています。

お店を眺めて職人さんと話しているとお茶を一杯勧められました。コーヒーも時間がかかるがだせるとも。
僕は職人さんの話が気になり、たくさんお話したかったのでコーヒーをお願いしました。

お客さんが他にいなかったりするとこうしてお茶のお誘いがあるそうです。
コーヒーを頂きながら彼女の話を聞きました。
札幌から十年前移住してきて、職を探していた時、なにか物を作りたいなと探していたら偶然OZIOを見つけたそうで、直接門をたたき、働かせてもらったそうです。
鞄製作の経験などは一切なかったそうですが、少しずつ練習し、徐々に大きいものを作らせて頂いているそうです。
物作りで一人前になるには多くの年月をついやします。
しかし、こうして30代と、遅くからでも始め、自分の楽しさをむねに日々修行するのはすごいことだなとひしひし感じました。
他にも職人さんは四人程いるようです。

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西部地区にはアンティークなど、古いものを売る店が多く、昔を伝える人が多い印象だったので、こうして実際に作っている方とあえてなんだかすごく新鮮でした。
この歴史ある街で、自分の手で新しく物をつくり価値を作っていく。

そういうひとがもっと増えるとこの街はまた動き出すのかなと思いました。

少し長居してしまったので、外に出ると真っ暗になっていました。
坂の上から見下ろすと光にあふれた街が見えました。

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知らないうちに街に光が灯っていたようです。


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前回の僕の記事はこちら

⭐︎お店情報⭐︎
鞄・革製品 / OZIO 本店
営業日時:9時30分~17時00分(定休日月火)
住所:〒040-0054 北海道函館市元町29−29−14
TEL:0138231773

SMALL TOWN HOSTEL Hakodate
私たちが情報を発信する函館旧市街(西部地区)の中心地で、ローカルの案内役を務める宿泊施設”スモールタウンホステル”のご予約はこちらから
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