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映画レビュー|「天気の子」

かなり面白かったー。
一番感じたのは、「男の子を主人公にした冒険活劇をしっかり作ってる!」ということ。

というのも、宮崎駿がそれを諦めてたから、新海さんがやったかぁ!と感動したわけです。そもそも宮崎さんは冒険活劇を作ることが好きな人なのにラピュタ以降はこの物語構造は描けなくなってしまったんですよね。で、世の中の男子の描き方はエヴァのシンジ君が牽引していくことになると。

今作はジブリモチーフ沢山あったし、ラピュタと構造めっちゃかぶるんだけど、宮崎さんができなくてなんで新海さんができたのか?単純に新海さんの方が時代にフィットしたからなんだけど、その違いが面白いなと思った。

宮崎の演出的な目線は、「一人の少年が、不思議な少女と出会い成長し、生きる意味を見つける」というあくまで目の前の少年少女にフォーカスする。それは、女の子を主人公にした「千と千尋」もあくまで千尋だけの一瞬の物語としてパーソナルな形で描かれている。「ハウル」も戦争とか出てくるけどあれ主軸は家族の形成だし、結構個人的な話だと思う。

で、新海さんの場合はそこに「世界」が入る。実際今回のコピーも「僕と彼女だけが知っている世界の秘密」になっている。所謂、セカイ系の構造でスケール大きくして、その中で僕と彼女だけが責任を負っていく不条理。それに対する、怒りがないと男の子が動き出す動機設定ができないんじゃないかなと。ただ、宮崎さんは絶対セカイ系なんてやらないから。。そりゃ作れんよな。

という事を考えさせられました。
今作はセカイ系バンザイだけど、それが悪いと言う訳では全然なく、カタルシス満載の誰かが言ってたまさに「fuck the world!」な作品で大満足でした。

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