2度目の海外は東海岸〜連載企画④
初めての飛行機は海外で、小学2年の夏休みだった。そして今回も夏休み。
高校生までは旅行といえば家族と行くものと決まっていたが、大学生になるとそれは一変する。ほとんどが友人と、あるいはひとりで旅行するようになる。
10年ぶりに乗る飛行機の座席は狭くなっていた。それだけ自分の体は成長したのだ。エコノミーだからといってそれほど窮屈さは感じなかったが、10時間近くも乗ると体力が減っていくのを感じた。
デトロイトでの乗り継ぎを経てようやくたどり着いたその場所は、日本よりも空気がカラッとしていて、8月のムシムシとした空気に慣れている日本人にはとっては過ごしやすい環境だった。
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン。
ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学がある学園都市で、緑の多い落ち着いた雰囲気のある街だ。スポーツも盛んで、メジャーリーグのボストンレッドソックスがある。
ボストン空港に着くと、同じ語学学校に向かう人たちのグループがあった。用意された車に乗り込んで、語学学校に併設されている寮に向かった。到着したのが夜だったのでそのキャンパスの姿はよく分からなかったが、朝になりその全貌が明らかになった。
キャンパスの美しさに見惚れた。
広い緑の敷地に囲まれたその建物はもとは修道院だったそう。そういえば、門構えが立派でその面影があった。とにかく広い。そして映える。
日本では小中高と都会の学校に通っていた私にとって、緑豊かな学校で過ごす時間はとても新鮮だった。広い公園のような敷地の中に壮大なレンガ作りのキャンパスが建つその姿は、ひとつの作品のようだった。
大通りからキャンパスまではカーブの上り坂になっていた。大きな木に隠れるキャンパスの見え方までデザインされているようだった。このキャンパスまで登ってくる人がワクワクするような工夫が感じられた。
ボストンの中心街まではバスで移動する。キャンパスから5分も歩けばバス停があるのでとても便利だった。
ボストンの街並みは、都会と田舎がハーフ&ハーフといった印象。道路が日本よりもずっと広い。
レンガ作りの建物は、近代的な建物とは真逆のような存在だが、穏やかな街の雰囲気をつくっていた。その景色を見ているだけで、このボストンに来てよかったと思えた。
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