見出し画像

irreversible love.

前回、彼の軟骨にピアスを開ける話を書いた
今回はその続きで、彼が私にピアスを開けてくれた時のお話
多少R18要素があるので、苦手な方は回れ右して下さい……

***

彼の軟骨にニードルを刺して
穴が貫通したことを確認してニードルを抜く
その時のわずかな彼の顔の歪みがセクシーで、たまらなかった
ファーストピアスをゆっくりと入れて留めると
彼はありがとう、と笑って
私たちはまたキスをした

いつだったか
痛みと愛、そして快楽は似ているんだよ、と彼は言った
私にはその理屈がよくわからなかったが
彼は私にも痛みを共有して欲しいと言っていたから、次は自分の番なのだということはわかっていた
おろしていた髪の毛をまとめようとした瞬間、彼が私を押し倒した
うなじから、首筋にキスをして、そして唇へ…
彼の吐息が段々と熱を帯びてきて、私たちは自然の流れで身体を重ねた
彼の熱く昂ったものが私の中へと入ってきて、ぴたりと収まって
私は小さく呼吸が漏れ出てしまう

彼はしかし、動かなかった
その状態のままぎゅっと私を抱きしめて、名前を呼んだ
目を瞑って…と言われ私は彼の言う通りにする
耳元でもう一度名前と、愛してる、と囁かれ
私がそれに答えようとした瞬間、耳たぶに鋭利な痛みが走る

刺されたのだとーーー
頭で理解するより先に、彼が私の唇を覆う
声を出せない
私が彼にした時のようにニードルではなく
ピアッサーを使用したので一瞬で綺麗にファーストピアスが通ったらしい
彼は唇を離すと私の耳元を確認して、大丈夫だと頷く
耳がジンジンと熱い……
彼のものはまだ私の中に入ったままで、
次第に呼吸が荒くなってしまうのを、私は止められない
痛みと興奮と、次にどうなるのかを想像しては、ぎゅうぎゅうと彼自身を締め付けてしまう
そんな私の表情を愛おしそうに眺めながら
彼は私の耳元を優しく撫でた………
と思ったら、ようやくズン、と一突き
ぁあっ、と声を抑えられない私の唇に軽く人差し指を入れ、彼は腰を動かし始めた
やさしく、やさしく、突いてくる
痛みと、快楽が一度に襲ってきて、
私の頭は真っ白になってしまった

***

**

最愛の恋人に、二度と戻れない身体にされる悦び
不可逆と小さな痛みを受け入れて、私は震えるほどの幸福を味わった
奥深く繋がりながら、互いの身体を改変し合う、というこの上なくエロティックな行為に、至高の愛を感じたのだった


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?