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鼻水がとまらないので_20190611

こんなに鼻水がとまらないのはいつぶりだろう。12連勤の代償。寝っ転がってたらへっちゃらなのに、起き上がった瞬間にものすごくとうめいな鼻水がつるりとおちる。おもしろいから四回ほど繰り返してみた。こんなことで高級なやわらかいティッシュを浪費している。いつだかの仕事場からもらってきたエリエールの贅沢保湿ティッシュ、これはいざというとき食べれそうだな〜と思って実は戸棚に隠しておいたのです。でもいざという時がおとずれないままに最近は少しずつ預金口座が潤ってきて、まあ本日は鼻のほうもかなり潤っているものですから、このように、鼻水ごときに贅沢保湿ティッシュを浪費しているという訳です。

朝からおかしいと思ったよ。起きたらのどがサハラ砂漠だったし、目は浮腫んでるし、寒くてファンヒーターつけながら化粧したし、ふだんは絶対に買わないのど飴をカゴに放り込んだし、日中だけで水分2リットルくらい飲んでたもんな。ちゃんちゃらおかしい話だよ。

出勤すればいつもどおりカタカタとパソコン叩いてかっこいい風に仕事した。しかしラスト2時間、そこで事件は起こった。わたしは爆音で洋楽聴き流して意識をそらしつつ、なんでもないフリをしていたが、その実、幾度となく垂れようとする鼻水に必死に耐えていた。おい、重力に負けるな鼻水。お前はまだそんなもんじゃない。わたしは鼻水にそっと言い聞かせた。

仕事終わって、整骨院行く前に薬局へ走った。こういうときは恋人がユンケル飲めって言ってたの思い出してわたしはいそいそと買いに行った。でもなんか薬局の栄養ドリンクのところ、ユンケルいっぱいあって、そしたら、ユンケルとユンケルじゃないユンケルも一緒に並んでて、ユンケル成分が少しずつちがうってだけでユンケルの効果はぜんぶユンケルだし、困ったユンケル初心者のわたしはユンケルの店員にほんとうのユンケルどれですか?ってユンケルしようとしたけど21歳だしユンケルくらい自分でユンケルしなきゃと思った挙句、わたしはユンケルゴールドをご購入した。

ユンケルちょっとまずかった。おいしくしてる風なのはわかるんだけど、もっとこう、おくすりのめたねみたいな、ドクペみたいなおいしいの想像してたのになんなんだ君は。

わたしはやはりあのときユンケルの店員にユンケルすればよかったとユンケルした。

それでこのように、鼻水が川の流れになってしまってもそれはそれで世にも珍しくうつくしい鼻水の流れかもしれないと思ってきた。いまだったらそういうオリンピックに出場できるだろう。しかし2020年まで鼻を垂らすというのは女として、いや人間としていかがなものか。

まあでもせっかくだし、同居人が帰ってきたらこのすばらしい鼻水を見せてやろ〜〜と意気込んでもう一度起きあがってみたがおかしい、鼻水が垂れない。どうやら、この文章を打っているあいだに鼻水が欠品してしまったようだ。こんな夜更けでは発注も間に合わない。これでは鼻腔の店長にこっぴどく叱られてしまうし、同居人にも見せることができない。

しかし、わたしの鼻腔はたしかにメコン川から尾瀬ヶ原ほどの潤いにおさまったのだ。もしかしたらユンケルとわたしの鼻腔がラムサール条約を締結したのかもしれない。ユンケルやるじゃん、恋人もナイスじゃん。非常によろこばしい。期待させてしまった同居人にはきちんと謝罪して許してもらおう。そしていつか同居人がひどく傷ついて、かなしみの鼻水を流しそうになったときはかならずぼくがそばにいてさしだしてあげるよエリエール。

aoiasa
- 20190611

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最後までありがとうございました。 〈ねむれない夜を越え、何度もむかえた青い朝〉 そんな忘れぬ朝のため、文章を書き続けています。わたしのために並べたことばが、誰かの、ちょっとした救いや、安らぎになればうれしい。 なんでもない日々の生活を、どうか愛せますように。 aoiasa