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コロナ期間、経験値が10くらい上がった話

実は数日前まで、妊婦生活を送っていました。

わたしの周りでも遂に妊娠出産ブームが来ていて、あぁみんなこうやってパパママになっていくんだなぁと我が子を見守るような気持ちで眺めていたのですが、まさか自分にもこんな日が訪れるとは。

趣味のジョギングをしていると、いつものペースで同じ距離が走れない。
なんだかすぐ疲れる。

「え...コロナじゃないよね...え!?」

おそるおそる旦那に相談すると、
「妊娠したんじゃない?笑」
そう言い残して買ってきてくれた妊娠検査薬を試したところ、くっきりとした"陽性"反応でした。

「コロナじゃなくてよかった〜〜泣」

ホッと胸を撫でおろした、4月末の夕方でした。

・・・

「送っていました」

と過去形にしたのは、他でもなく、過去のことになってしまったからです。
先日稽留流産との診断を受け、入院して子宮内から内容物を取り除く手術を受けました。

そんな中でnoteを開き「記事を書く」ボタンをクリックしたのは、大きく3つの理由からです。

・私自身が妊娠そして流産を経て検索魔になり、少しでも経験者の情報が欲しかったから
・とにかく毎日が不安な妊婦生活を、周りの人も理解してあげて欲しいから
身に起こった変化を書き留めておきたいから

「子どもなんてまだまだ...」が変わったとき

ちょうど1年前の今日入籍し、しばらくの間は「子どもを作ろう!」なんて考えてもいませんでした。

「ひとりの人間の人生を背負っていく覚悟なんてとてもなかった」から。

「子どもが生まれたら自分のやりたいことやれないんでしょ。絶対子ども第一になっちゃう。」
とも考えていました。

一方の旦那さんは、自身も3人兄弟で子ども大好き、2人以上は欲しいタイプ。
いつでもCome on!の勢いです。

「子ども育てる覚悟なんて、そんなんできるまで待ってたらいつまでたってもできなくない?」
という至極真っ当な意見に納得しつつも、踏み切れずにいたのが私です。

それが一変したのは、高校時代の親友が妊娠出産を経験したことがきっかけでした。
奇しくも結婚記念日が同じ彼女とはよく連絡を取り合っているのですが、彼女の妊娠報告を聞いたとき、初めて妊娠が"自分ごと"のように思えたのです。

それから話を聞くたびに、
"私史上 未経験のこと"
"彼女の実体験"として降ってきます。
このとき、子を妊娠し、出産するということが、未知のものを教えてくれ、私自身の視野を広げてくれるものだという可能性に気づいたのです。

もちろん、子供がいないからこそできることは山ほどあると思います。
今までのように気分でピョイっと海外に行くことだってできなくなるし、自由に飲み会だって行けないでしょう。
でも、ママには、独身を謳歌するOLの気持ちもわかるし、妊娠中の女性の不安もわかるし、子育ての苦労もわかる。
「妊娠出産を経験するからこそ見えてくるものが必ずある。人生何事も自分が経験してみないとわからないことだらけだぞ!」
そう感じました。

同時に、私はおそらく生きている限り動き続けるタイプなので、どうせ生むなら若いうちに、というのもありました。
20代の今なら子育てと仕事を両立できても、30、40になったときに同じことができる自信はない。
なら躊躇する理由もないよね、という考えです。

妊娠で起こる体のいろいろ

"妊娠"と聞くと、まず"つわり"を連想される方も多いと思います。
ドラマの主人公が、急に「うっ」となってトイレに駆け込み、妊娠が発覚するというやつ。

幸い私は軽い方で、吐いたりすることはありませんでした。
それでもやはり 熱っぽさや倦怠感、すぐ疲れる などの症状があり、
"毎日が低気圧" 状態。
さすがに食欲も落ちて2~3kg体重が減りました。

朝から晩まで料理していても平気だった私が、
「作るのめんどくさい、もう夜プリンでいいや」
というような日が何日もありました。
しつこい匂いも嫌で、旦那にペペロンチーノ禁止令を出しました。
五葷は敵です。

あとは肌荒れやめまい、軽い頭痛くらいでしょうか。
ホルモンの影響で胸も張り、なぜかお腹の毛が濃くなりました(笑)
でも酷い人は水すら取れずに入院するほどなので、それを思えば随分ラクな方です。

ちょうど緊急事態宣言下で仕事も在宅勤務になっていたので、しんどい日はベッドでごろごろしながら仕事する、というコロナの最大活用ができたと自負しております。

最も大きかったのは、口にするもの全てが気になり始めたことでした。
もともと化学調味料や添加物にかなり気を配っており、カップラーメン食べると気分が悪くなるほどだったのですが、たとえばかまぼこなどの練り物やソーセージハム類に入っている増粘剤、リン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなども目につくようになってしまいました。

これらを避けた食生活を送ることなど可能なのか?と思うほど、そんじゅそこらのスーパーでは添加物を含んだものが大量に並んでいるのです。
もっとも、外食すればいわゆる旨味調味料であったり味○素が使われていることが多々あるので、それらを完全に避けることはできないとは理解しています。

でもやっぱりどうしても。
極力自然のものだけを食べていたい。
得体の知れないものを体に入れたくない。

そう考えてしまいます。

稽留流産の診断〜手術まで

ここからは流産についてお話します。
"流産"と言えば、激しい腹痛と子宮からの出血で「あ、あかちゃんが...!!」
という、これまたドラマのシーンを浮かべる方も多いのではないでしょうか。
ドラマの見過ぎです。というより、ドラマの演出が問題です。

たしかに出血があって気づくパターンもありますが、
稽留流産とは子宮の中に胎嚢や胎芽が収まったまま成長が止まってしまう状態のことで、自覚症状が全くないことも多いのです。
私の場合も然りで、いつもと変わらず生活していたところ、検診であかちゃんが見えない、と告げられました。

すべての出産のうち、15~20%は初期に流産をするらしく(つまり6人に1人くらい!)、受精卵の染色体異常によるものだから母親側には何の問題もないと言われます。
だから気をつけようもないのです。
これだけ医学が発展しても流産率がそこそこ高いことに、少し驚いてしまいます。

私の周りで誰かが流産したという話はまだ聞いたことがないのですが、この確率からして、誰の身に起こってもおかしくないことなのです。
もちろん、特に親しい友人にはみんな無事に元気な赤ちゃんを生んでほしいけど、そうでないことも普通に起こり得る、ということを理解しておいてもらえたらと思っています。
本当に、妊娠出産は奇跡なのです。

手術は、1泊入院の全身麻酔で行われました。
前日の午後に入院し、子宮口を広げる前処置というものをします。
いろいろと検索していた中で、

この前処置が痛かった。
すぐに痛み止めをもらった。

という記事をちらほら見ていたので少し不安だったのですが、実際は何のことありませんでした。
子宮口に棒状の器具とガーゼを入れられるので違和感はありますが、力を抜いていれば大丈夫です。
強いて言えば、入れられたものがトイレに行った際に出てきてしまわないかが心配で、あまり力を入れらなかったこと(笑)
その夜は常にビクビクしながら用を足していました。

当日は、点滴から麻酔を入れられて眠りにつき、気がつけば終わっています。
手術自体は30分もかからない簡単なものなのです。
初めて入るオペ室に、「ドクターXの世界だ〜」とやや興奮しながらペタペタ心電図の器具をつけられたりしたのが術前最後の記憶です。

終わるとベッドで病室に運ばれ、20分おきくらいに血圧や体温を測られ経過観察。
2時間くらいで意識もはっきりして歩けるようになりました。
麻酔から覚めるのには個人差がありますが、お酒に強いと覚めるのも早いそうです。
幸い気持ち悪さや腹痛もなく、非常にスッキリした感覚でした。
そのあと診察をして、問題なく午後には退院することができました。

まとめ

私はあるときから、人生で起こるすべてのことは必然だと思うようにしています。
世は不条理で神様は時々いじわるだけど、それもこれも起こるべくして起こっていること。
だからそれを経験した私は
私にしか語ることのできないことがまた一つ増えてラッキー!
経験値も爆上がりだし、自分の希少性も高まった!

と考えています。

その上で、これだけは言いたいこと。

いいですか、みなさん。
妊婦さんは生きているだけで十分偉い。
息して、ご飯食べて、寝ているだけで、一人のヒトを胎内で育ててるんです。
明日の自分の体調すら予想できない不安と戦いながら、必死に次の検診までの日々をカウントダウンしています。

だから
ずっとグータラしているとか
掃除も洗濯もしてないとか
ご飯も作ってくれないとか
そんなこと、口が裂けても言わないで。

会社だって休みがちになるし
ランチの約束だってドタキャンしちゃうかも
でもどうか許してあげてほしい。

社会が少しでも妊婦さんに優しくなってくれることを信じて、ここでお願いしておきます。

あとがき

手術を受けて数日。
まだ出血もあるし点滴の痕が痛々しく残ります。

ですが、たった数センチのものが子宮からいなくなっただけでこんなにも変わるのかというほど、確実に体が妊娠前の状態に戻っていっています。
人間の体ってすごい。

不調で痩せたことに加えてホルモンの影響で胸が大きくなったため、自分至上最高にナイスボディな1ヶ月を過ごしました。
毎日会うのが旦那だけだったのが惜しいくらい。

今はもう、着々と忍び寄る貧乳の小悪魔への抗いも虚しく、日本人代表の"のっぺり"とした体型に戻りつつある、6月頭なのです(泣)