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悲しき自動操縦 【戦国時代の自動操縦】

悲惨な世の中になった。
女性の数が激減したこの世界では、男たちは女性に選ばれるためにあらゆる手を使って必死だ。まるで戦国時代のように。

高給取りの私は、運良く彼女を射止めたが、そこからが大変だ。一刻も早く子供を作らないといけない。これは国の政策だから逆らえないのだ。周りからのプレッシャーも凄い。元々淡白な私は、苦肉の策として自分の下半身を自動操縦に改造した。

「妻よ。そろそろ時間だ」
「あら、23時。もうそんな時間なのね」

こんなふうに毎日定時に始まる行為。慣れてしまえばなんてことない。
順調に妻は身篭ったし、私は役目を果たした。

───50年後

「あなた、いい加減にして。私にはもう無理よ」
「俺もとっくに限界だ。だけどこれは誰にも止められないんだ」
「……仕方ないわね。これをあなたにプレゼントするわ」

その日から私は23時になると夫婦の寝室とは別の部屋に籠った。部屋を暗くし、その女に抱きつく。感情のない人形は悲しそうに私を見ていた。



[完]


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