日記 | この世界のどこかには、チケットの神様がいるんやで。
一昨日、半年ぶりに友人からメッセージが届いた。
友「はろ!明日ランチいかない?」
青「明日ね!OK 場所は〇〇?」
友「よい?」
青「11時半くらい?」
友「うん!」
青「じゃ、店調べとくね」
とてもシンプルな会話で、あっという間にランチ会は決まった。
彼女は中学からの親友で、わたしが前々からの約束を苦手としていることをよく知ってくれている。そのため、いつも前日に誘ってくれる。
直前に約束をするメリットは、前日であれば行けるか行けないかはほとんどの場合確定しているから、答えは悩まずシンプルになる。約束を忘れることもない。
親友にとっても、空き時間ができて暇だから青豆でも誘ってみるか、という気楽な会になる。
当日。わたしは今、4000文字チャレンジ中なので、いつもより少し早起きして書き始めた。
家をでるまでには書き終わらなかったけれど、残りの1000文字は夜でも書ける、と考えて待ち合わせ場所に向かう電車に乗った。
途中、noteのコメント欄で教えてもらった「トリプル開運日」情報を友人に送った。
「今日、運気の良い日らしいよ」
すると、友人からすぐに返信があった。
「知ってる。だから今日休みとったの。今神社行ってきたよ。青豆さんにも御守り買ってきたから」
友人はできる女だった。
わたしは友人と待ち合わせているベトナム料理店に先に入って待った。
紳士的な店員が、やけに黄ばんだ水を運んできてくれた。わたしは一口飲んで、もう飲まないと決めたくらい、ぬるくて美味しくなかった。
しばらくして友人がやってきた。
「元気?」と最初に訊くのは友人の癖だ。
「青豆さん髪めっちゃつやつやじゃん。わたしもあれ(ブラシ)買ったんだけど。お母さんも買ったし。お母さんさあ、あれ使ったら白髪抜けたって言ってきたんだけど。超ウケるし」
と言いながら友人は席に座った。
青「あれ、すごく良いでしょ? わたしなんか暇さえあればとかしてるから。あと無印のトリートメント、めっちゃいいよ。てか、おでこつやつやじゃん」そう言いながら、わたしはメニューを広げて友人に差し出す。
友人は、今日暑いねー、と言って水を一口飲んだ。
友「わたしブンチャーハノイにする。めっちゃおなかすいてたから、電車の中でメニュー見てた」
青「え、わたしもブンチャーハノイなんだけど」
わたしたちは、たくさんのメニューの中から、仲良くブンチャーハノイを頼んだ。
今回わたしは、この友人に、2024年上半期に行きたいと思って申し込んだコンサートのチケットが全部落選したことを報告したかった。友人もコンサートのために生きているような人なので、共感してくれるかと思ったのだ。ところが彼女は、もう既に3日分のチケットを押さえているらしかった。
そんな話を聞いて、落ち込んだり羨んだりしているわたしに、友人は言った。
「今度、チケットの神様のいる神社に連れて行ってあげるよ」
わたしとしては〝トイレの神様〟以来の怪しい神様の登場だったが、それにより友人のチケット当選率が上がっているならと、今度同行させてもらうことにした。
そしてこの日、友人はわたしに御守りをくれた。
わたしは下半期のチケットの申込みをまだしていなかったことを思い出し、友人に「今日申し込むよ。トリプル開運日だし、御守りももらったし」と言った。
すると友人は、穏やかに微笑みながら
「うん、そうして。絶対当たるから」と言った。
絶対? 当たる?
チケットの神様のところ行かなくても?
ますますその神様が怪しくなったところで、わたしたちは不味い水を残してベトナム料理店を出た。
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