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【税理士が提案する経営手法】人時生産性についてもう少し掘り下げていこうか?これが管理会計の入り口だよ。というお話

夏祭りの風情が好きです
夜遊びなど知らない幼少期に、少ない小遣いを握りしめ、露天など非日常の空間で自由な裁量で買い物をする
夜の匂い、風の香り
夏の夜はどこか淋しくて、儚く、やさしい記憶

置いてきた記憶を思い出すように、自分の娘を手を引く日々に、幸せを噛み締めています。


さて、前回人時生産性の話をしました。
今日はもう少し補足説明です。



人時生産性は非常に便利な指標です。
非常に簡単に、簿記とか知らなくても計算できる。そのうえ、利益とは何か?という、非常にクリティカルな構造設計が分かるのです。
手触り感に優れた指標であると言えます。

昭和の時代には見向きもされなかった指標かもしれません。
が、人口減少時代はNO.1に使える指標だと思います。

※先週、25年前(1995年・平成7年)の東京都の最低賃金を調べる機会があったのですが、なんと650円……。20年前(2000年・平成12年)の東京都最低賃金が703円……。
現在(2020年・令和2年)は1,013円。
650円から1,013円だと人件費1.56倍。人件費増加分を超える売上単価アップを真剣に考えないと利益なんて出る訳ないですよね。


んで、何やれば良いの?
という話ですが、まず、自社の人時生産性を出してみましょう。
まず、部門別・店舗別など、どこが稼ぎ頭でどこが出遅れているのか?分かるように、細かく出してみましょう。まずは月単位とかで良いと思います。
そのうえで、数字が悪いお店・部門について考えます。
(1時間当たり5,000円の粗利が人時生産性の最低値です)
悪いモデルと良いモデルで比較するのも分かりやすいかもしれませんね。

数字が悪いお店・部門が分かったら、そこに改善の機会がどれほどあるか?考えます。これには2つの切り口があります。
①.売上単価アップは可能か?(客数アップではないので注意)
②.もう少し少人数で運営する事は可能か?

この2つのどちらか、もしくは両方、が現場で可能かどうか?を考えます。

①.売上単価アップは可能か?ですが
セオリーは「何も考えず値上げ」です。これが優先順位一番。
自分に自信がついたら値上げ、ではダメです。今、お客様からクレームいただいたとしても言い訳にするでしょ?まだ発展途上だって。
自信つけるのには、最高のパフォーマンスを提供してお客様満足度をMAXに引き出す事です。そのために、先に値上げして、値上げがクレームにならないように頑張るだけです。オカネをもらっている以上はプロです。プロに練習期間などありません。常に実戦であり本番。高くない!と言われる商品・サービスを提供しましょう。
※もちろん、値上げする前からクレームばかりのお店は先にやる事ありますね。きちんと機能的サービスを充足させましょう。

ちょっと脱線しますが、商品・サービスの満足度は
・機能的サービス
・情緒的サービス
に分類されます。
これは、「社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった」をテーマに講演している、超人気講演家、香取貴信さんが良く話す事ですね。
機能的サービスとは、温泉旅館でお湯をひねったらきちんと蛇口からお湯が出る事。情緒的サービスとは、お手紙があったりサプライズ的な思いやりサービスがある事。
情緒的サービスばかりに目がいきがちですが、機能的サービスが欠損していると、情緒的サービスをいくら行っても満足度は高まりません。むしろ不満度が高まります。

値上げする前に、機能的サービスは完璧にしましょう。


②.もう少し少人数で運営する事は可能か?ですが
人時生産性を上げるためには、投下時間を減らす事でも実現できます。
ITの力を借りて、大胆に削減できる時間は削減するというデザインが大事です。
ただし、あえて人がやったほうが良い場面もあるかもしれません。なんでも機械だと味気ないですよね。
ここの取捨選択は企業のPhilosophyと照合しながら進めていくのが良いでしょう。

はい、という訳で人時生産性でした。
この指標、店長クラスというか、管理職クラスの人達全員に計算してもらいたいです。計算したうえで、改善策も自分で考えて、その結果も自分で検証する。
財務諸表とか分からなくても、人時生産性だけで経営が良くなったか?悪くなったか?分かるんです。
経営の手触り感が分かる。管理会計の入り口だと言えます。
というか、これが出来ないと管理会計もお題目です。やってるだけで意味がない。

次回以降は数字から一旦離れて、企業のPhilosophyに迫っていきたいと思います。
数字だけだと人間はブレるんです。手抜きとか悪い事とかしだす。
なので、数字と関係ないようでいて関係あるPhilosophyの話をしていきます。
ではまた!

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