戸森しるこ(2023)『ぼくらは星を見つけた』講談社
天文学者の夫を亡くした、そらさん。そらさんは、丘の上のお屋敷に住んでいた。
その屋敷には、男の子の星くんと、ハウスキーパーのシド、庭師のターシャ、ねこのダリアが暮らしていた。
そこに、星くんの家庭教師として、岬くんがやってくる。
岬くんは、楽団員や美容師を経て、そらさんの屋敷にやってきた。
はじめ、ふつうの家族だとおもっていた、そらさん一家が、実はさまざまな背景をもったひとたちの集まりだと知る岬くん。
そして、みんなその事情と事実に気がついていないふりをしながら、本当はみんな知っていることに気がついているのだった。
不自然な関係性を続けているこの現状を変えてほしいというおもいで呼ばれたのが、岬くんだった。
くわしいことを書いてしまうとネタバレになってしまうのだが、家族であることにたいせつなことは、血のつながりだけではない、ということがわかる物語。
児童書とおもって読んだが、おとなになってから、この物語の意味がしみいるようにわかるのではないだろうか。すてきな物語だった。
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