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しがみつく夏の抜け殻切り捨て御免

11月だとは思えない暑さで半袖だった。20℃超えたら半袖だよな。昨日は休日だったせいか電車も混んでいた。もう半袖の人はさすがに少ない。

蝉の抜け殻を発見。夏の忘れ物。ピントがずれてしまった。今日の一句。

しがみつく夏の抜け殻切り捨て御免

字余り、「切り捨て御免」は侍だから士月の11月。枯葉にしがみついているがもう落ちるだろうという句。でも、まだ夏日。

昨日も「しんゆり映画祭」。映画祭だと普段見れないような映画をやるのでいい。ただ通常より映画館は混んでいた。それでも昨日のように満席ではなかったが。

読書はポーの『黒猫』が読みたくて丸谷才一翻訳『ポー名作集』を借りる。『モルグ街の殺人』と『黒猫』を読んだ。この選集はポーの代表作を収めているのでいいかもしれない。『アッシャー家の崩壊』も入っているし、他に『盗まれた手紙』とか現代思想でも引用される作品。丸谷才一は読みやすい。創元社のポー全集が読みにくいのかもしれない。いろいろな作家が訳しているので。小林秀雄とか大岡昇平とか。それが魅力なんだけど。二巻は図書館で見つからなかった。

他に『陸軍登戸研究所の真実』。資料的な本で写真やら表図がかなり載っている。ノンフィクションという体裁なのだろう。陸軍中野学校からの特務機関だから、最初の方にスパイ活動としてのスパイ道具が数々載っていて面白い。覗き見スコープとか。小野田さんも陸軍中野学校の諜報訓練を受けていたのだよな、それでゲリラ戦をやっていた。島では一般人を殺していたので英雄どころではないのだが、日本では英雄扱いだった。まあ、戦争の犠牲者と言えば犠牲者なのかもしれない。でも逆に考えてソ連兵のゲリラが一般人を次々に襲って殺していたら英雄だと思えるだろうか?そういう視点だった。この本には細菌兵器の人体実験の様子などが書かれている。元所員のノンフィクションでこれを書かねば死ねないと思ったそうだから、かなり衝撃的な本なのである。ただ一般にはあまり知られていないのだろうな。

金井美恵子『カストロの尻』は、文章は面白いのだが、描写が繊細すぎてあまり入ってこない。昭和のリッチなお嬢様文体が面白いのだ。金井美恵子は男性作家ばかりの純文学界の中でフェミニズム文学以前に認められた作家だ。昭和では重要な作家の一人だと思うが今はあまり読まれないのかな。『カストロの尻』エッセイ的短編集で自由な語りが魅力なんだけど読みにくい。同じ時期の連作小説『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』の表紙の絵が岡上淑子でシュールレアスムスのコラージュ的作品。それにしてもアマゾンの☆一つのレビューが酷いな。理解出来なかったことはわかるが他の作家が面白かったのを汚す必要はないだろう。

金井美恵子だとやはり難解作家の部類になってしまうのだろうか?最近の読者傾向がよくわからん。

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