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「できない人」を分解し、正しく導く ~ Will - Skill マトリクス

組織のリーダーを決めていったり、現在のリーダーを評したりする際に「あの人ではこれはできないよね」「あの人には無理だ」というように誰かが「できる」「できない」というようなことを語ることが多くの場面であります。この人を評する「できる」「できない」ということについては2つの側面があり、どちらの側面を語っているかによって、必要な対処が違ってきます。これを表現するフレームワークがWill Skillマトリックスです。

これはできる・できないを2つの軸に分けて考えるものです。ひとつの軸はそれをやるために必要な能力(Skill)があるかどうか。もう一つの軸はそれをやる意志、やる気(Will)があるかどうかです。何かを達成するためには、その達成のための能力が必要であること、そしてその達成に向けてのやる気が必要ということは論じるまでもありません。ただ「その人ではできない」と言ったときにどちらの側面が足りていないのかによってその状況に対しての対処は異なります。

もし能力が不足しているというのであれば、能力を引き上げるための手立てを考える必要があります。研修を行うことや、OJTを通じて不足しているスキルを高めていく指導をすることも必要でしょう。必要な対処策は"Training"となります。能力が獲得できなかったり、時間がかかりそう、ということであれば、そこを補完する人材を補強したり、場合によっては交代を考えなければいけないかもしれません。

そうではなく、やる気が不足している、ということであれば、打つべき手は変わってきます。その施策が何故重要なのかや、それを達成することによって会社やその個人が何を得られるのかを説明することでモチベーションを高めていくことが必要となります。対処策は"Motivate"です。

実際にはやる気も能力も足りない(WillもSkillも不足)という状況も往々にしてよく見られ、この場合の取るべき対策としては"Command and Order"(指示命令)となります。ただし、いつまでもその状態で続くことは組織にとって好ましくはなく、どちらも高めていってこの状態を脱することを目指さないといけません。

最終的にWillもSkillも高い状態になったらどうするか。その時は"Delegate"(権限委譲)するタイミングです。組織の状況によっては、立場を譲ってもいいのかもしれません。能力のある人間がやる気を持って活動する状況が、組織にとって最も高いパフォーマンスになるのですから。

できる、できないと語るだけでなく、その原因をきちんと見極めてそれに応じた対策を取っていかなければいけない、そういうことになりますね。


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