見出し画像

弦楽器の穴

バイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス、ガンバや一部のギターにも見られる、「f」字型の穴についてです。「f字孔(f-holl)」といいます。歪曲した板や弦の張力など、弦楽器にはいろんな力がかかっていますが、このかたちは力学的にも理にかなったデザインなんだそうです。

今までいろんな奏者さんと個性のある楽器に出会い、そのたびに観察しています。この「f字孔」はより楽器作者の個性がでるところだと思います。個人的にはアールヌーボーの曲線美を感じるような巻きの多いデザインが好みだったりします。

コントラバスはこのf字孔まで大きいので、ここからいろんなものが吸い込まれていきます。冬場の乾燥した時期の必須アイテム「ダンピット」が落下したらたいへん!10kgはある楽器本体をうつむけに浮かしてゆさぶらないといけません。一人でやろうとしたときは本気で泣きそうになりました。ハンガーをのばしてつつくとかいろんな方法がありますが、どちらにしても救出するのはたいへんな作業です。

楽器の調整をするときはこのf字孔からいろんな器具を差し込んで、中の状態をみます。作者のラベルもここから楽器の内側に貼るので、楽器のプロフィールが知りたいときはf字孔を覗いてみるとすぐわかります。(見るときは楽器の持ち主さんに許可をもらってください。)

ちなみに6月6日は「楽器の日」ということで、クラリネットで作った6.6を紹介しておきたいと思います。


ご覧下さりありがとうございます!デザインの仕事と趣味の音楽をつなげられないか試行錯誤な日々です。サポートやフォローいただけるとうれしいです! https://twitter.com/@aoyamana https://www.instagram.com/aoyamana/