西村武 公認会計士・CIA・CISA

MBA・公認会計士・公認内部監査人・公認情報システム監査人・税理士 日本CFO協会ジェ…

西村武 公認会計士・CIA・CISA

MBA・公認会計士・公認内部監査人・公認情報システム監査人・税理士 日本CFO協会ジェネラルCFO 中小事業者、スタートアップ向けの会計情報を発信します https://aozoracpa.com/

最近の記事

IASB IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の概要

IASBは、2024年4月9日にIFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」を公表しました。 IFRS第18号は2016年から議論がはじまったプロジェクトであり、2019年から2020年にかけて公開草案のコメントが募集していました。2023年7月にコメントを踏まえた再審議を完了し、今回文書として結実したものとなります。新たな基準は現行のIAS第1号「財務諸表の表示」を代替するものであり、2027年1月1日以後に開始する事業年度から適用されます。 主要な改訂1. 損益計

    • IIAの3ラインモデルとは

      IIA3ラインモデルの概要IIA3ラインモデルは、組織のガバナンスとリスクマネジメントの枠組みを示したものです。このモデルは、組織の目標達成を支援し、ガバナンスとリスクマネジメントを強化するための構造とプロセスを特定するのに役立ちます。 モデルは以下の3つの主要な役割で構成されています: 第1ライン(経営管理者):顧客に対する製品やサービスの提供と、リスクの管理を担当します。第1ラインは日々の業務運営におけるリスクの特定、評価、コントロール、軽減を行う責任を負います。

      • 合意された手続(AUP)とは

        公認会計士が行う業務の一つに「合意された手続業務(AUP:Agreed Upon Procedures)」があります。合意された手続は下記の通り定義されます。 公認会計士の本来業務である保証業務(監査・レビュー)が業務実施者、主題に責任を負う者、想定利用者という3者間関係によって成り立っているのに対して、合意された手続業務は2者で完結可能であり、保証の定義を満たしません。公認会計士法2条2項に定めるいわゆる2項業務の一種です。 具体的には、保証業務と合意された手続業務には

        • 日税連:登録政治資金監査人による政治資金監査のあり方に関する要望を公表

          06年-07年頃に相次いだ国会議員事務所費問題を契機に導入された登録政治資金監査制度ですが、今般の政治とカネの問題から制度の実効性を疑問視する声が高まっています。私も登録政治資金監査人として制度の行く末には関心があります。 政治資金監査のあり方について日本税理士連合会が要望意見書を公開したので内容をみてみます。 政治資金規正法第 19 条の7の定める国会議員関係政治団体以外の政治資金パーティーを開催するといった団体についても監査の対象にするよう要望されています。望ましくは

        IASB IFRS第18号「財務諸表における表示及び開示」の概要

          2023年4Q新規IPO会社の内部監査体制の動向

          内部監査の意義内部監査は社内で独立した内部監査部門が、監査対象部門における内部管理態勢の適切性、有効性を検証するプロセスです。 内部監査は監査役(監査役会・監査等委員会・監査委員会)監査、会計監査人監査とならぶ三様監査のひとつであり、これらの監査は独立しながらも相互連携して実施されます。 小規模組織における内部監査の担い手IPO準備会社では少なくとも直前期(n-1期)において内部監査体制の整備・運用が要求されます。内部監査体制を整備するにあたって悩ましいのはその担い手の制約

          2023年4Q新規IPO会社の内部監査体制の動向

          令和5年公認会計士試験修了考査の合格発表:合格率は近年にない高さ

          2024年4月5日、日本公認会計士協会修了考査運営委員会より令和5年公認会計士試験修了考査の合格発表が行われました。 今年度は1,958名の受験者に対して、1,495名が合格しました。合格率は76.4%でした。合格されたみなさま、誠におめでとうございます。 かつて合格率70%程度で安定してきた修了考査の合格率ですが、平成30年から急落し、令和元年、令和2年には50%を下回るほどに低下しました。 令和3年以降は持ち直しの傾向にありましたが、本年の合格率は異例の高さといえます

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          東証市場区分の見直しに関するフォローアップ会議(第15回)の動向:グロース市場の上場基準検討

          2024年3月22日に東証市場区分の見直しに関するフォローアップ会議(第15回)が開催され、その議事が公開されています。 主な議題は下記3点です。 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応 企業行動規範の見直し グロース市場の上場基準に係る検討 1. 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応2023年3月にプライム市場及びスタンダード市場上場会社に要請された「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について、2024年2月末時点でプライム企

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          確定申告終了 来年こそ確定申告の準備は計画的に行いましょう

          あおぞら会計社の西村(公認会計士税理士)です。 3月15日は令和5年度の所得税・復興特別所得税の確定申告期限でした。弊社でもすべての依頼を無事に申告することができました。 とくに個人事業主の方にとって確定申告は頭の痛いイベントです。自分の税額をわざわざ大変な手間ひまをかけて計算し、納税するのですからモチベーションがあがらないのは無理もありません。 クラウド会計を用いて個人事業主が少しでも確定申告の負担が減らせるようTipsをご紹介します。 現金管理をやめ、口座連携を進

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          ScanSnap全機種体験会に参加しました

          先日、株式会社PFU横浜本社に伺いScansnap全機種体験会に参加しました。 本イベントは私がメンバーであるScansnapアンバサダーの限定イベントになります。 当日は"文具王"高畑正幸氏の講演があり、Scansnapのディープな活用術について共有いただきました。後半ではScansnapシリーズ全機種を試せる機会もあり、イベントを通じてScansnapの理解を一層高めることができました。 会計事務所、とくに弊社のようなデジタル化を軸に業務効率化を追求する会計事務所では

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          会計事務所が実践するPPAPを全廃したセキュアなデータ受け渡し

          あおぞら会計社の西村(公認会計士・公認情報システム監査人)です。 あおぞら会計社はクラウドを活用し、フルリモートで業務提供が可能な会計事務所です。会計事務所で取り扱う情報はときに機密性が高く、デジタル活用の基盤として高度なデータセキュリティは欠かすことができません。 今回はあおぞら会計社で実践しているファイル共有方法について解説します。 既存のPPAPの問題点PPAPとは、メール添付の暗号化ZIPファイルを送信し、その復号化パスワードを追って送信するというセキュリティ手法で

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          クラウド会計活用の最初の一歩は「金融機関連携」

          こんにちは、クラウド会計専門会計事務所のあおぞら会計社です。 クラウド会計(freee, MoneyForward)はさまざまな情報ソースと連携させることで、自動で効率よく記帳を行うことが可能です。このクラウド会計の長所を最大限活かすには、既存の業務フローをシンプルに整理することが重要です。 本日はクラウド会計のはじめの一歩として、重要な金融機関口座連携について解説します。 まず事業の入出金は事業用口座にまとめるこれはクラウド会計に限りませんが、開業する際にプライベートと

          クラウド会計活用の最初の一歩は「金融機関連携」

          あおぞら会計社よりご挨拶

          初めまして、私たち「あおぞら会計社」は、クラウド会計を専門とする会計事務所です。このたび公式noteを始めました。 私たちは、以下の特徴を持つことで、会計サービスに新たな価値を提供しています。 デジタル技術の徹底活用 - 私たちは、先進のデジタルサービスを駆使して、従来の会計サービスに革新をもたらします。時間と場所を選ばず、迅速かつ正確なサービス提供が可能にします。 会計データを活用した経営の強靭化 - 会計データの分析を通じて、経営を安定させ、さらなる成長を加速させま

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