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あべこべに閉じ込められている。

彼が抱いている「うすいさき」という人物はこの世には存在しないと思う。
2年半で作り上げてきた小さくも大きくもあるすれ違いが原因だろう。

彼の中にある私への感情。
私の中にある彼への感情。
それらは全て形が違いすぎる。
好きだとか一緒にいたいだとか。
言葉にすると同じなんだろうけど、全然違う。

彼が元カノに抱いていた感情は私には抱かない。
だけど私が欲しいのはそっちの感情なんだろう。
私の元彼への無関心さ。
きっとそれが彼が欲しいものなんだろう。

あべこべな2年半。
私は彼と過ごす中で、無関心ではなくなった。
そもそも無関心な人と結婚なんかしない。(私は)

現実を見るごとに、過去のことでも傷つくことが多い中で、私はそれでも彼と生きていくことを選んだ。
それは責任に近しいものを感じる。
私が願ったことと全て反対のことをしでかす君となぜ2年半も一緒に居て、結婚までしたんだろう。

大人になると、「当たり前に失っていくもの」が多くなってしまっている。
そんな中で強くいようとしているけれど、内側では確実に臆病になっている。
私は、君だけは、君との時間、君とのこの生活だけは。
失いたくないと、もがいているのだ。
それのどこが無関心なんだろう。

昔、君は友達に「あいつは俺に無関心だから優しい。」と言ったことがある。
君が見ている私はやっぱり実在しない。
私の優しさは無関心からくるものではない。
失いたくないと、もがくしかできない臆病な優しさだよ。
そうすることでしか一緒に居られる方法がわからなかった。
その優しさを履き違えて自由に花の蜜を吸う君と一緒にいる私の精一杯の恐怖心の裏返しなわけで。
それはびっくりするくらい不器用で意味のないことなんだろう。
悲しさや苦しさ、寂しさも結局飲み込んで、また別の私を作り上げるきっかけを作ってしまうのかな。

すれ違いがとても悲しい。
本当の私はもう見つけてもらえないのかと思うと苦しい。
理解してもらえない、受け入れてもらえない、本当のことを違うと否定されてしまうのがしんどい。

それでも今日という日をどうにか表面上、平和に終わらせれるように対応する。
あべこべな世界で、この世界から抜け出したいと思いながら。
2年半の恐怖心とこの先60年間の悲しさを抱きながら。


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