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つれづれ杏子 #008

『ハルもおだてりゃ天まで昇る』

息子の話をしようと思う。

今度の1月に9歳になる、元気な元気な小学校3年生。背が高いしガタイがいいから4年生くらいに見える。足のサイズはすでにわたしと同じ23センチ。腕相撲はもうわたしは勝てない。神経衰弱がものすごく強い。(最近やってないけど)スポーツ万能、身体の柔軟性以外、スポーツテストは超優秀。算数が得意。ADHDと若干LD(学習障害)があって、文字を読んだり書いたりが苦手。整理整頓、苦手。物の管理、苦手。じっとしてるとストレスがたまるタイプ。発想が豊かで予想の斜め上をいくAB型。

ここではハルと呼んでいる息子。彼はとってもやさしい。そしてタイトルの通りだ。褒めたら木に登るどころか天まで昇れる。そして帰ってこない。昇りっぱなしだ。かわいいやつなのだ。

ハルが学校で書いた詩があまりにも素敵すぎてわたしは手元に置いているのだけれど、それを紹介させてください。

『ねこ』

ねこは
なきごえが
かわいいね
ねこは
とっても
もふ
もふの
ねこがいるしね
とっても
かわいいから
いつかおかあさんも
かわいいから
かいたいといっていた。

文字から、楽しく書いたんだなと伝わるような原稿用紙。そしてお母さんが登場させてもらえてること。彼の中に、猫を飼いたいって言っていたお母さんが存在していること。かわいくてうれしくて涙が出そうになった。


今日はテレビを見ながら少し暇そうにしている息子の姿を確認してから、「ハル、いま時間ある?」と聞いてみた。わたしは本当はお風呂掃除をしたかったのだが、唐揚げを揚げるので火の元を離れられない。「あるよー」とハルは答えてくれたので、「お風呂掃除してもらえるー?」と頼んだ。「はいはーい」と軽快な返事。「じゃ、いってきます」と言うので、「お願いします」とゆっくり心をこめてお願いした。そして数分後、「おわりました~」と戻ってきたハル。「ありがとう、助かりました!」と伝えた。すると、何も言われずとも、和室に置きっぱなしになっていた洗濯物を自発的にたたみ始めたのだった。唐揚げを揚げながら大きな声を出す。「洗濯物たたんでくれると?」「うん!」「ありがとう!」

ハルがたたんだタオルはそれぞれ個性的な畳まれ方をしていて、向きもあっちこっち向いてたけれど、わたしはそれをそのまま脱衣所の棚にしまった。そのヘンテコリンなところが、いいなぁ、と思ったのだった。なにより、久しぶりにハルにお願いしてやってもらってありがとうを言えたのが、あたたかかった。

生理になる2週間前くらいからやってくるPMS期間は心身の不調でこどもに接するのがつらい。全部自分で完結したくなる。そしてあっちこっち向いてるタオルなんてきっと許せない。

自分のコンディションに振り回されてそれが子育ての態度の大きな差になるのは嫌だなぁと思う。そこでわたしは、カレンダーに『お母さんイライラちゅうい』とでも矢印引っ張ってPMSになるであろう期間を書いておこうかと思っている。

これは性教育も含めて。圧倒的に、男性はPMSを知らない。生理の仕組みも。30近くで知り合って同居を始めた当時イツキだってよくわかってなかった。女の人には、そういうことがあるのか、と知るきっかけになればと思うし、なんかお母さん無駄に機嫌悪いけど、ああなるほどイライラする時期か、と思えばこどもも変に怯えなくて済むかもしれない。

息子は、学校帰りに綺麗な花を見つけたら摘んで家に持って帰って、「ただいま!お母さん!これあげるー!」とかわいいプレゼントをくれることがある。これがとても嬉しい。誰に学んだか知らないけど。笑 背が高くて足が速くて面白くて『女の子に』やさしい。当然、モテる(らしい)(姉のミウの証言)。

PMSのことを知ってもっといい男になってほしい。彼女できたらそっと寄り添える彼氏になれよ?と願っている。


倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!!