出会い16~決着

決めなきゃならない。この距離ならはずさない。弓をつがえ近づく熊を狙う。

でも、子熊はどうなったか一瞬迷った。その一瞬のスキに、一発の銃声が響き渡り貫いたものは・・・

熊を探しに行った若者たちは戻らず、静かな森で息を殺した。その静寂を破り銃を使ったのは権蔵である。

突然現れた熊に怯えた権蔵は、あろうことか自身の足撃ってしまった。痛みは激しく銃を手放し暴れる。

木の上からはどうしようもなく、熊が彼を引き裂くのを覚悟した。

次の瞬間、あろうことか痛がる権蔵の足をつかみ、引きずっていってしまった。餌にするつもりなのか、

痛みに歪ませた顔で、助けろ何とかしろと叫ぶ。

私の位置からは、熊を狙えば確実に権蔵にも当たる。動きの早い者は難しいのだ。ただ、ただ一瞬の出来事だった。

それから、暫く捜索隊を組んだが、ようとして熊は姿を見せなかった。たまに山犬が足や腕の骨を咥えているのを見つけたが、回収出来たり出来なかったりだった。

私は、何も出来なかった悔しさに幾日も森をさまよった。

ある日、神の使いの白兎に出会った。

明日社に来てほしいと言われた。

何も出来なかったと、泣いた。黙ったままウサギは明日は必ずと言った。


ここまで


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