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週1回は記事を投稿していこうと決意した令和6年。今のところ順調に続いております。パチパチ。
ただ、徐々に1投稿における文字数がどんどん多くなって長文化していてさすがにハードルが高くなってきたなと思ったりもしていますので今回は少し短めに、、、と思って書き始めます。が、結局多くなるかも笑
今回のテーマは「心理的安全性」についてです。これは私自身がここ数年、自社のおいても最重要テーマと思って取り組んでいる内容ですし、世間一般でも今重視されつつありますよね。この「心理的安全性」について私が思うことと、課題などについて率直に書ければなあと思っています。
2回に分けて投稿します!


介護職離職理由の第1位は「職場の人間関係」

私の本業であります介護業界について少し触れたいと思います。実は介護労働安定センターがまとめた「令和4年度介護労働実態調査」によりますと、介護職員の離職理由の第1は何かというと「職場の人間関係」という結果が出ています。

https://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2023r01_chousa_cw_kekka.pdf

おそらく多くの方のイメージではお給料がよくないから、退職するのだろうと思っている人が多いかもしれません。より改善は必要なことは間違いありませんが、実は現場の職員が離職する理由としては賃金の問題は4番目くらいなのです。最も大きな離職理由は「人間関係」だと・・・。
じゃあ人間関係がよいというのは人によって色々と意味が変わってくると思いますし、解釈が難しいところではありますが、現場にいる私が肌感覚で感じるのはですね、ただ単に仲が良くてアットホームで・・・というだけの職場は求められていないと感じますね。
私としては、ただ楽なだけとか友達感覚でいられる現場ではなくて、自分が成長したいと思ったらその機会が得られるような「頑張りやすい」職場が求められているのかなと感じています。
そういう意味でも大事な要素となってくるのが今日考えてみたい「心理的安全性」なのです。


「心理的安全性」の定義と重要性とつくり方

私はこの心理的安全性を論じていく時に、3段階に分けて理解していくことが必要だなと感じています。

1.「心理的安全性」とは結局何か?~定義~
2.組織やチームにおける「心理的安全性」の重要性
3。「心理的安全性」の醸成の仕方~どうしたら高まるのか~
この3つなんだろうと。抑えるべきところは。

ではまず1の定義からになりますね。今回の投稿はこの1と2を中心に書いていくことになります。

辞書によると・・・
「心理的安全性」とは、「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を日本語訳した心理学用語で、どのような言動とっても拒絶されない状態のことを指します。米Google社が自社生産性向上のために調査する過程再発見した言葉であり、注目集めてます。
                        (weblio辞書より)
とあります。

ハーバード・ビジネススクールの、エイミーC.エドモンドソン教授が最初、1999年に提唱した概念なんですよね。この著書の中に出ています。

「恐れのない組織」(英治出版)

そしてこの「心理的安全性」が一躍注目されたのはGoogleの調査「プロジェクト・アリストテレス」がきっかけだったのは有名な話。これはGoogleの生産性改革プロジェクトの総称です。調査の目的は「高い成果を生み出すチーム」が共通して持つ成功要因とは何かを探し出すことでした。
その結果、心理的安全性の高い組織やチームほど、パフォーマンスが向上するということが分かります。

実際、エドモンドソン教授は、ミスの少ない医療チームは、ミスの可能性についてメンバー同士がより率直に話し合い、ミスを回避するための方法を見つけようとしていると言っています。失敗について報告でき、話し合いができるチームであればあるほど、誤りを犯す確率が低いということです。彼女はこの「失敗を言いだすことができ、語り合える」状態を、「心理的安全性」が高いチームと言っているのです。

また、彼女は「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」とも定義しています。

現在では「心理的安全性」という言葉が流行にも近い状態になったからか、様々な人が使いだしましたが、、実は誤用されているのが散見されます。
よくあるのが、「心理的安全性」の高いチームを「仲良しチーム」と捉えている場合です。
明確に言いますが、これは間違いです。

教授が「対人関係におけるリスクを取っても大丈夫」と言っているのは、「自分の発言によって人間関係が壊れてしまうのでは?」という不安を持たなくてもよいし、言いたいことを押さえて「沈黙」を守ることもないのだよということです。
率直に意見を言い合えるということであって、チーム内で「仲良くしていく」ために口をつぐむのは「心理的安全性」が高いとは言えないのです。チームの中で先輩にあたる人の意見に対する反論であったり、普通ならなかなか話し出せないことを安心して話せる状態が「心理的安全性」が高いと言えます。



他の著作にはどう定義されている?

ではエドモンドソン教授の著作だけではなく、他の本にもどのように定義されているかも触れておきましょうかね。その方がより深く理解できるかと思います。
おそらくこの分野で日本では最も読まれていると思われる「心理的安全性のつくりかた」(石井遼介著)にはどのように書かれているのかと言いますと。。。

「心理的安全性」は日本でも研究されており海外と異なる点も見えてきていて日本の組織では❶話しやすさ、❷助け合い、❸挑戦、❹新奇歓迎の4つの因子があるとき、心理的安全性が感じられるとのことです。
それぞれどういうことか?

「心理的安全性のつくり方」(石井遼介著)より

まず❶「話しやすさ」因子は、率直な意見とアイデアを募集するために重要であり、これが確保されているとき、チームの中での意見や情報、質問、指示などが飛び交うようになります。現場によっては、話が本当にしにくくて、内緒話を話すように社員さんがコソコソ話される場面もよくありますよね。どんなメンバーも率直に話ができる。成果を出せるチームになれるかどうかで言えば土台みたいな点かなと。皆さんの職場ではどうですか?

次に❷「助け合い」因子はトラブルに迅速・確実に対処する時や、通常より高いアウトプットを目指す時に重要です。これによりトラブルや行き詰まりに際し、必要な事実を共有し、相談し、支援・協力を求めることができます。助け合いが存在するチームだからこそ、勇気をもって新しいことにも挑戦していけますよね。

❸の「挑戦」因子は、組織・チームに活気を与え、時代の変化に合わせて新
しいことを模索し、変えるべきことを変えるために重要な因子です。これはチームによる「模索」「試行錯誤」と言えます。アイデアを思いつき、深め、発表し、フィードバックを得て、共創することのブレーキとなるような環境を外していくことです。確かに、心理的安全性の低いチームでは、前例踏襲が多いですよね。新しいことを始める為にゼロベースで議論するということがないですので・・。

❹番目に「新奇歓迎」因子です。「奇」は「異能」という意味で、これはいわゆる多様性重視であり、異なる才能を嫌って同質な集団として人間を歯車のように扱うのではなく、つまり個々人の才能が最大限発揮されているとい
う因子です。やはり異能の人を歓迎する文化というのは大事だなあと私は思います。同質な人ばかなチームは結局、人と違うことが「できない」心理的安全性が低いチームなのでしょう・・。


他の本も見てみましょうか。この本は私が何冊も「心理的安全性」についての著作を読み漁った中で、最も現場でどう実践すればよいかを分かりやすく丁寧に書かれていたと感じる本です。是非おススメです☆

この「心理的安全性最強の教科書」の34ページ、「心理的安全性の定義」のところには次のように書かれています。

(引用ここから)
「心理的安全性の定義」

「はじめに」でも述べましたが、「安全性」という言葉の印象からか、「心理的安全性のある職場って、誰も厳しいことを言わず、意見の対立がない、安心して働ける平和な職場のことですよね?」と思っている方もいるようです。でもそれは、まったくの誤解です。
 もちろん、パワハラや・・・(中略)
 繰り返しになりますが、心理的安全性はゴールではなく、手段です。ゴールは何かというと、チームで成果をあげることです。それに資する行為であれば、厳しい侃々諤々の議論は望むところ。むしろ、心理的安全性があるから、それが可能になる、と考えてください。(中略)

 僕の「心理的安全性」の解釈
「メンバーがネガティブなプレッシャーを受けずに自分らしくいられる状態」
「お互いに高め合える関係を持って、建設的な意見の対立が奨励されること」
(引用ここまで)


建設的な意見の対立が「奨励」される状態。
まさにこれですよね。仲良しクラブのことではないのです。
そして文中に重要なことがありましたが、あくまで「心理的安全性」は手段なんですよね。「心理的安全性」を担保してよりよい組織にして何をするのか。これがゴールです。私も、今は「心理的安全性」がまるで目的のように語られたりする文章や話があって、違和感を感じている一人です。

まだまだ紹介したい本は色々とありますが、皆さんもamazonで探してみて手に取ってみるのをお勧めします^^
以下のリンクからどうぞご覧ください☆

さてさてここまでは「心理的安全性」の定義について確認してきました。
最後にその重要性についてまとめて今日は終わりにしたいと思います。

心理的安全性はなぜ重要なのか(自身の体験から)

では心理的安全性はなぜ重要なのでしょうか?
ここまで、定義を書いている部分でも、「心理的安全性」があるとこんなメリットがあると述べてきたので、その重要性も一般論的にはお伝えしたつもりです。健全な衝突が奨励されるからこそ、チームの中で意見交換が活発化して、よりよいサービス提供に繋がる、これは間違いありません。

あとは私としてはまさに実体験から、実感をもって、この「心理的安全性」の醸成こそ組織運営において重要だと言えます。
今まで介護事業においていわゆるM&Aを数回実行してきたのですが、まさに新しく我々のグループに入ってくれた会社に入っていって、特に組織文化の融合をしていくことに注力してきました。
(専門用語使わずに説明します><)

そうした経験の中で直面したのは硬直化した組織はとにかく「心理的安全性が極端に低い」という現実に何度も直面しましたね・・
心理的安全性が低いチームの特徴は表現はまずいかもしれませんが、面白いことに、とにかく「本質的な」思考、行動、結果が存在していないのです。
もう笑ってしまうくらいです。
本質的でない、というのは、常に「他の人にこんな風に思われたらどうしよう」という不安で心が一杯ですから、仕事をやっているふり、気づかないふり、一生懸命やっている演技に終始するようになります。
動いているように見えますが「ふり」なので、本質的な価値を生み出すことがないんですよね。上司や同僚にどうみられるかということや、できるだけ目立たないように、意見がないふりをするのに一生懸命であれば、それこそ本質的な要素がゼロですから、いい仕事になるはずがありません。

これが心理的安全性が高まると、思考、行動が変わってきます。目つきも変わります。どうすればよりよいサービスを提供することができるか(よりよい商品を開発できるか)という発想になるので、まさに労働時間が本質的な価値を生み出す時間になるのです。

こういった場面を何度も見て実感してきました。
チームが生まれ変わるってこういうことを言うのかと・・。

ではでは今日の投稿はこの辺で〆ることにしまして、次回は「心理的安全性」のつくり方、という部分について話を展開させたいなと思います。
実は、出版されているものにも言えることなのですが、「心理的安全性」とは何なのか?はよく書かれてあるんですけれど、次にどうやったらそれがつくれるのか、どうすれば心理的安全性の高い組織に生まれ変われるのか、という点についてはあまり触れられていなかったり、実践につなげにくかったりすることが多くて、結局どうすればいいかが分からない、という声をよく聞きます。

その辺を次は書いてみようかなと。
ポイントは「リーダーシップ」と「対話」です^^
ではまた次回!よろしくお願いします~~。

以上☆


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