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写真集 愛しのハッピー 出版しました

先日こちらでご意見うかがいました写真集ですが、昨日Amazon Kindleストアから売り出されました。

写真集の形にまとめるのは大変ですが、電子出版そのものは、拍子抜けするほど簡単で、しかもデータの形なので、あまり実感も湧かず、きっとこれからは慣れていって、もっと当たり前のことになっていくのだと思います。
なんだか気楽に出版しているようですが、そんなことはなくて、前作の「破産のススメ」もかなり大変な作業でした。ですが、自分がまったくの無名のせいでしょうか。失うものはなにもないので、バンジージャンプを跳ぶように、一度跳んでしまえば「ああこんなものか」という感じです。

公式サイトでは、あっさり出版のお知らせをしただけなのですが、noteではご意見やご感想も事前にいただきましたので、製作裏話というほどではありませんが、少し心情的なことなどもお伝えしようと思います。

出版物というのは、読んだり見たりする人が評価したり感じたりするわけですから、こちらの心情などはどうでもいいという人もいます。
しかしだからといって、心情なしには描き得ないわけで、今回の写真集も、ただ、ウチの猫かわいいでしょ? というわけではありません。
そもそも野良の雑種だし、毎日どこかの保護施設で殺処分されている類の猫たちと一緒です。だから、その成長の過程の写真に「だからなに?」という人もいるでしょうし、そもそも猫が嫌いな人だっています。
けれども、愛猫のハッピーは私にとってかけがえのない命です。
彼と出会ってから、もう三年半ほど経つのですが、もし彼がいなかったらと思うとゾッとします。
それくらい彼には救われてきたし、今も救われ続けています。

出会ってからの三年半で撮ったハッピーの写真を見ると、1500枚を越えていました。もちろん、室内ですから露出も足りないし、ブレていたりピントが合っていない写真も多いけど、どれも消さずに残してあります。
私は写真の勉強をきちんとしたことはないのですが、今はiPhoneでも綺麗な写真が撮れますし、考えてみたら以前の仕事では、十数年にわたって膨大な量の現場の施工写真を撮り続けていたので、まるっきり素人というわけではないかもしれません。施工写真って、一枚の写真で施工状況などをきっちり説明がつくように撮影する必要があるので、構図などはある程度身についているかもしれません。
とにかく、その写真の中から、なんとか人様にお見せできそうなものを選んで編集し、なんとか形にしてAmazonから、無事出版になりました。
それでも膨大な出版物に埋もれていくんでしょうけど、出版したということが、今の私にとっては大事なことなのだと思います。
できるのにやらないっていうのは、なんだか情けない気がするんですよね。それにハッピーと私の物語が、例え誰も見ないとしても、世界を駆け巡る。それだけでも夢のあることだと思います。

noteに書くのですから、それらしく、写真集の終わりに書いた、少しエッセイっぽいあとがきを載せます。


おわりに

私がハッピーに出会った頃、私はとても苦しくて辛い人生を送っていました。

そんな時に、助けを求めて鳴いていた子猫を助ける決心をしたのは、自分自身が救いを求めていたのかもしれません。

手のひらにすっぽりと収まる小さな子猫。

お腹をすかせて不安で、とてもさびしかったでしょう。

弱っていたので心配しましたが、とても元気に育ちました。

ハッピーと名付けたのは、ちょうどその頃に「星守る犬」という漫画を読んで、その物語に出てくる犬の名前がハッピーだったのですが、追い詰められた人生を送る主人公のお父さんが私自身に重なって、そのお父さんと一緒に旅をした犬と同じ名前を付けたのです。

人と猫が一緒にいられる時間は限られています。

どちらが先に旅立つかはわかりませんが、いつか必ずお別れする時がきます。

だからできるだけ優しい時間を過ごしたい。

せめてハッピーとの時間は大切にしたいのです。

ハッピーのおかげで、辛さや苦しさを忘れることもありました。そしてそれは今も。

彼を救うことで、実は救われたのは私なのです。

               荒石 誠






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