博物館・美術館の記録(4)「モネ―連作の情景―」(大阪中之島美術館)に行った感想

はじめに

こんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は美術館に行った感想文です。
感想文を書くのは大変なのですが、できるだけ全部記録を残したいと思っています。今年は既に一つ書かないままになってしまっていますが……。
今回はモネだけの贅沢な特別展です。

感想

とても良かったです。
モネは結構好きなのですが、どこがどう好きなのか上手く言えません。
ただ、見ていると心が喜びを感じられるような絵が多いような気がします。
今回、絵を見ながら思いついたのは、「モネの絵はその場の情景を視覚以外で感じられるような気がする」ということです。一番わかりやすいのが風や光です。モネの絵を見ていると、風による触覚や光による温かさ(冷たさ)など、その場の情景がより多様な感覚で感じられます。荒れる海の絵からは潮風の香りがしそうで、草花の絵からは花の香りがしそうです。
まるでその場にいるような……という程の強い感受性は残念ながら自分にはありません。でも、視覚によって視覚以外の感覚を刺激されるのはとても心地良いです。
もし家に絵画を飾るなら、モネの絵が良いかもしれません。その絵を見るたびに、旅先の風景を見られるような気がするからです。
そう思って、小さなマグネットを二つ買いました。冷蔵庫に貼る予定です。
990円×2=1980円。現実は厳しいです。

もう一つ思ったのは、筆致が大きいと力強くて生命力が感じられ、動きがあり、逆に筆致が小さかったり細かったりするとぼんやりとしていて、おだやかで淡い印象を受ける、ということです。
この辺り、自分で絵を描ける人はもっと色んなことを感じられるのだろうなと思います。私も絵を描けるようになりたいです。油彩は多分用意が大変なので、色鉛筆画を描いてみたいです。
色鉛筆であれば、色の組み合わせを様々に試せると思うので、モネの絵画の見方も変わると思うのです。やっぱりやらなければなりません。

また、構図に関して、印象派辺りの画家(確かカミーユ・ピサロなど)はチェコの国旗のような構図が結構多いなぁと以前から思っていたのですが、今回モネの絵だけをずっと見ていると、モネは左が陸で右側が海などの水を配置するような角度で描くことが多いなぁと感じました。全部ではありませんが、この視点が好きなのかなと思いました。

今回一番印象に残っているのは、〈ヴェンティミリアの眺め〉という絵です。
絵の下部(こちら側)は緑が生きており、上部(遠景)の山は白と青で雪が残っており、空は快晴です。
何にそんなに惹かれたのかはっきりとわかりませんが、強いて言えば青と白の色使いのような気がします。
なんて見ていて落ち着く絵なんだろう、と思いました。
ちなみに買ったマグネットの一つはこの絵です。

次に、睡蓮の絵について。
思っていたより色んな描かれ方をしていました。
一番良かったのはこちらです(この辺りの6つだけ写真撮影可でした)。

構図というか、描かれ方が素敵です。
描いているのは水面だけなのに、反射した空と木が背景のように位置しています。まるで水面が窓のようです。
これと同じ構図で別の光の作品もありましたが、こちらは撮影禁止でした。

つづいてこちらは、睡蓮の中では比較的初期の作品です。
有名な睡蓮の池の絵のように、水と睡蓮の色彩のハーモニーが描かれているわけではありません。
睡蓮にのみ着目し、輪郭は色が強くてくっきりと浮き出ています。

写真が下手過ぎて申し訳ないですが、こちらは逆に睡蓮と池が幻の世界に誘うような幻想的な絵でした。

その他に印象に残っているのは、〈テムズ川のチャリングクロス駅〉です。
こちらは写真が無いのですが、色合いが夜明けもしくは夕暮れの紫がかった橙色の空なのですが、太陽の位置がとても高く、色と全く合いません。
不思議だなぁと思っていたのですが、別の所の解説に「連作はその場と時間の忠実な再現ではなく、アトリエで展示効果を考えて作品同士が調和するように仕上げられた」とあり、腑に落ちました。
でも、印象派は屋外に出て、印象のリアルを描くというイメージがあったので、ちょっと解釈違いでした笑。

最後に、覚えておきたい知識関連をいくつか。

・1874年に第一回印象派展開催(今年は150周年)
・1875年頃、フランスの景気後退、モネはパトロンの実業家が破産し、経済的困難に陥る
・1878年、モネの次男が生まれる。生活を切り詰める為にセーヌ川の辺りへお引っ越し
・1879年、妻病没
・1888年、積みわらの連作に着手。手法としての連作の始まり
・1893年、睡蓮の池の家・土地を購入(それまでは借りていた)
・1895年、連作の睡蓮の一枚目が描かれる
・1926年モネ没する。その頃はシュルレアリスムが台頭し、印象主義は過去の遺物とみなされて、フランスでも忘れ去られていた。その後、1950年頃にマーク・ロスコらによって再評価された。
・ラマンヌポルトというアーチ型の岩
・モネの描く船の絵はなんとなくかっこいい

帰りに、大阪駅との丁度間にあるカフェ「あまでお」さんで珈琲とチーズトーストをいただきました。
めちゃめちゃ美味しかったです。
珈琲はコスタリカのカツーラでした。初めて飲んだのですが、かなり好みの味だったので覚えておきたいです。ちなみによくあるものの中だとグァテマラがかなり好きです。
平日の昼だったからか、人も少なく、静かな店内にモーツァルトの曲が流れていました。

おわりに

中之島美術館では、現在「福田平八郎展」も開催されています。こちらも近いうちに行きたいと思います。
あとすぐ近くの国立国際美術館で開催中の古代メキシコ展も。
その時、同じカフェをもう一度訪れるか、別の気になった所を開拓するか、とても迷います。
予約するわけではないので、その日の気分で決めようと思います。

ということで、最後まで読んでくださってありがとうございました。

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