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危機感


2021年度以降 1房平均1200g~1500gで安定して生産できるようになった。          (マスカット・ベーリー・A)


結果を言ってしまうと通所16年経過しても当初言われていた15万円どころかその半分の7万5000円も達成されておらず実際は月6万2000円の工賃です。
ワイナリー開所後、もうすぐ働き始めて10年を超えようかといった時期になっても工賃が契約当初の半分にも満たなかったので本当にこのまま働いて5年後に15万ももらえるのだろうかと焦り出し所長を問い詰めましたが、このままの生産量ではとても10万を超えることすら難しいと言われました。
たしかに当時の自分の生産量も年300kg、全体で見ても2tもなくかつ品質もそんないいわけではない状態で慈善事業で来てくれた名古屋の1流ホテルのシェフには鼻で笑われる程度の物しか作れていませんでした。
国からの補助金やグループ内の他の部署の売り上げがよかったおかげで安定して工賃はもらえていましたが、品質をあげつつ量も取れと所長から朝礼や終礼で耳にタコができるくらい言われ続けたせいか脅迫概念のような物に取りつかれるようになりました。

2017年7月の梅雨が明けた頃、ワンオペレーションであるにもかかわらず夏場の体感40度を超えるような炎天下の中で休日も含めてサービス出勤し、毎日が落ちるまで仕事をするというスパンで21連勤(残業時間3週間で約105時間)した週末の夕方頃、畑の中で過労でぶっ倒れて2週間入院するハメになりました。過労の診断でした。
スタッフを含め誰も手伝ってくれることはなくひたすら工賃UPのためという信念で働き続けました。幸い時間をかけただけあったのか2週間畑は放置状態となりましたが収穫まで特に品質的に悪くなる要因は起こらず、退院・復帰後に良好な状態で収穫ができました。
入院中に見舞いに来た前所長に「収穫量が1t超えたら10万円出してやる」と言われたのでそれを信じ、また過労でぶっ倒れるのを防ぐためいろいろな事を最適化・効率化をした結果、2年後の2019年には自分担当の畑で1.4tの収穫を達成しました。2018年にはブラッククイーンという品種で過去類を見ないくらい最高の出来のぶどうに仕上がり、2019年に発売された「信長ワイン」という小牧ワイナリーのフラッグシップワインとして400本ほどの限定生産品が速攻で売り切れるような出来になりました。ワイン事業の場合、ブドウの醸造→販売→工賃に反映されるのが2年後という法則な関係で2021年にはいよいよ10万円の工賃がもらえるようになると期待していましたが、結果的にそれは達成されませんでした。それを問い詰めると「文句があるならうちをやめて別の所へ行け」と脅してきました。一般の方ならさっと転職すればよい話なのでしょうが、我々は障害の関係上一般就職は難しく他に今以上の工賃の出る場所なんて当然なくそのまま居座る以外の選択肢がありませんでした。挙句の果てに、その言葉を達成する事なく前所長が所長職を退いた関係でその言葉もなかった事にされてしまい家に帰ってから大泣きした記憶があります。他の人を含めて全体的に工賃があがらないのであればまだ納得はできたのですが、小牧ワイナリーの今でも続く悪い風習として、仕事をしない人に工賃を渡しすぎという悪習があります。仕事をしなくても出勤してくるだけでタイムカードにカウントされる関係で、いくら成果を出しても成果を出さない人に工賃が吸われて基本工賃額があがらないのです。できる通所者ができない通所者をひっぱりあげる感じですかね。普通はスタッフが行う事なのですがそれを通所者で行っています。一般の会社なら普通に解雇になるレベルの話だと思います。
グループのトップで15年前に15万の工賃の事を言っていた前会長にもその事を直談判に直接乗り込みましたが、仕方がないじゃんとはぐらかされてしまいそこでプッチンと切れました。

もう過労で倒れるのもうんざりだし、工賃も上がらないのであれば生産量とクオリティは保証できませんと前会長に訴え、自信の担当畑の減反と仕事量の減少を確約してもらいました。その後はかな~り余裕ができたおかげでいままでできなかった実験・検証の方にちからを入れれるようになり、
現在はぶどうの栽培・草刈りや伐採などの管理仕事・開墾作業・新規技術の開発・他諸々をひっくるめて1人で400万円ほどの収益分を生み出しています。
ブラッククイーンという品種からも退いたため、それ以降は特異な栽培技術を自分しか持っていない関係上2018年度を超えるレベルのブドウは生産不可能になりました。(糖度1つ取っても3度ほど低い)


ただ、所属している身の関係で年収は85万円ほど。両親もだいぶ高齢化してきて今はスネかじり状態ですが生きてるうちにせめて自分が生活できるだけの収入を作っておかなくてはと思い、すでに兄妹間で相続する場所が決まっていて自分がもらいうける予定の田んぼ2.5反(約1.4ha)でワイン用ぶどうの生産をしようと思い現在就農関係の講演や相談などをしています。
いざ就農が決まっても物がなければ意味はないので、毎年挿し木や取り木や種からの育成などを駆使して、株を増やす作業を現在進行形で行っています。工賃額以上分の生産能力があるのなら自分で作ったほうがいい気がしました。収入も全部自分に入るし。自分が生活できるだけの額を稼げればいいので採算率の悪い実験的な事も他よりはハードルが低いくなるのではないかと思います。


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