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【資金調達】取り繕った損益計算書には何の意味もない。

こんにちは。元銀行員 勤続10年、法人融資営業をしていた谷本と申します。
現在は独立して、主に中小企業の財務担当者のアウトソーシング事業を行っています。

厳しい題名だなと思われる方もいるかもしれません。
しかし、事実なのです。

「今期赤字だな・・・」
税理士と相談したところ、「次期の売上を今期に入れて売上利益を調整しましょうか」と。
これについては、私や銀行としては良いとか悪いとかは言いません。
税務署としても税金を払ってくれるので文句は言わないでしょう。

しかしながら、なぜ意味がないのかは下記の通りです。

前期決算
(貸借対照表※抜粋)
現金30
売掛金10
(損益計算書※抜粋)
売上100
利益10

今期
(貸借対照表※抜粋)
現金10
売掛金30
(損益計算書※抜粋)
売上100
利益10

この違いが分かるでしょうか?
前期には現金が30ありましたが、今期は現金が10に減っています。
売掛金は10ありましたが、30に増えています。

売掛金の相手科目は売上高です。

取引先や銀行に対して、前期と同じくらい利益の出ている決算書を作りたいという意思がここに出ているのです。

しかしながら、同じ商流、同じ取引先、同じ売上高で、急に売掛金が倍以上になるでしょうか?
売掛金が倍以上になった理由は、架空または来期の売上を今期に組み入れたからです。
この会計処理は、たとえ御社に来ている銀行の担当者が気がつかず、
「良い決算書ですね。帰ってすぐにご提案できるように進めます。」と言われ、経営者がホッと胸をなで下ろしたとしても、審査部門が決算登録をして
格付けが出てくると漏れなく評点が下がって出てくるのです。

経常収支比率という指標があります。
これはキャッシュフローに貸借対照表を加味させたものです。
キャッシュフローはその名の通り、現預金の増減です。
それに売掛金、在庫、仮払、前払、買掛金、未払金などを前年対比で加算減算をして算出します。
なので、大幅に売掛金などが増加しているとすぐに指標に表われてしまうのです。(経常収支比率の悪化要因)

安易に決算の直前(1~2ヶ月前)で何か対策を打ちましょうと言ったところで売掛金を増やすことしか出来なくなってしまうのです。
普段から自社の状況をタイムリーに把握し、今期の着地を定めましょう。
決算後に銀行から調達を行なう計画なら、それに見合った決算書を会社一丸となって作らなければなりません。

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