見出し画像

【有料記事】数学が得意なだけの私が高専を卒業するまで

#無料で最後までお読みいただけます#

今月の有料記事。テーマは自分の学生時代(高専:高等専門学校)のこと。つまり、自分のこれまでをネタにしてみました。

人生のターニングポイントとなる、高校進学。普通高校に進学する大多数とは異なる道を選択しました。早くから進路をひとつの方向に決める。とても勇気の要ることだと思います。

今でこそ高専に進学して良かったと思っていますが、学生当時は「高専に進学して良かったのだろうか?」と悩み続けていました。

数学が得意なだけで「ものづくり」のプロを養成する高専に進学したわけです。元から工作や実験は苦手な部類でしたし、プログラミングとか実習モノは全くついていけませんでした。

今回は高専に進学することについて、自分の学生時代をもとにお話しします。誰かの将来的な参考なり、学生時代を振り返るきっかけにしてもらえたら、私としても嬉しいです。

高専に進学したきっかけ

画像1

高専に進学したきっかけは、中学校の先生から「谷口君は高専に進学した方が良い」と言われたことでした(正確には直接ではなく両親経由で言われた)。当時から理数系教科の成績は群を抜いて良かったので、進路指導としては一理ある判断だったと思います。

一方で、前に書いた通り工作の類は苦手だし、パソコンに関しても無知でした。正直、あまり乗る気はありませんでした。どう考えても相性が悪すぎる。

ただ、私は家庭の事情もあり、将来的に国立大学に進学することを考えていました。高専は国立の学校でもあるため、同じ国立大学へのパイプがあり、普通高校よりも大学への進学に有利と言われていました。

一般受験したところ、英語がズタボロでしたが、奇跡的に合格しました。実験とか苦手だけど、国立大学への進学を考え、高専に進学しました。

ところが、当時の「相性が悪すぎる」という予想はすぐに的中することに。

実験・実習が苦手すぎた

画像4

座学は自分の得意分野もあり、何とかなりましたが、実験(実習)がとにかくダメダメでした。ある意味で予想通りでした。

実習は何が何だかわからず、とにかく周りに助けてもらうばかり。大抵はグループに分かれて行うのですが、チームで私だけが話についていけず、上手く協力できないことも多々ありました。

高専の4年目まで、この苦悩は続くことになります。一方、座学は数学を中心に順調に成績を伸ばし、トップクラスにまで上り詰めました。この辺は数学が得意だったことが功を奏した気がします。

ただ、実験に対する苦手意識は残されていました。いつも理解と行動がひとつ遅い。周りに対する申し訳なさもあり、辛い時期でもありました。

高専のイメージチェンジのきっかけ

画像3

高専の5年目で卒業研究を迎えます。ここが私のターニングポイントになりました。実験(実習)ではなく、シミュレーションに関する研究があり、このテーマを選択することに。

実験の類が苦手なので、卒業研究も不安でしたが、何とか良い方向に落ち着くことに。ひとりで黙々と数字と向き合うという、シミュレーションならではの楽しさにハマります。最終的に、仕事でも同じ分野を突き詰めることになります。

ここまできて、ようやく高専に進学して良かったと思えるようになりました。数学に特化した私の数少ない居場所と言えるものを手に入れました。

実験(実習)が苦手だった理由

画像4

いま思い返すと、実験(実習)が苦手というのは、知識や経験が無いということもありますが、自分が周囲と積極的にコミュニケーションを取らなかったことが原因でした。

そう思うのは、ひとりで黙々と研究を進めることにはすぐ慣れたからです。当時の研究は前から苦手だったプログラミングも関係しますが、ひとりで黙々と進めるうちに、苦手意識は克服できました。

実験(実習)はチームで進めるのが基本なので、チーム内でコミュニケーションを取らないといけない場面はいくらでもあります。でも、私はどうしても自分が前に理解できなかったことなどに執着し過ぎてしまい、いまとらなくてはいけないコミュニケーションを蔑ろにしていたように思います。

周りに合わせること。もしくは、周りに合わせるために自分が何をすれば良いか聞くこと。そういう意識があれば、もう少し楽に過ごせたかもしれません。

コミュニケーションの課題は、今なお水面下でくすぶり続けています。教訓として、理系の学校でもコミュニケーションは必要なスキルです。

これが私の歩んだ5年間の高専生活です。その後2年間の専攻科課程に進みますので、最終的に7年もお世話になりました。

おわりに

数学が得意というだけで高専に進学した私は、実験などで苦労しながら、何とか無事に卒業を迎えます。こうして卒業研究での経験を活かせる仕事に就けたので、高専という選択は正しかったと確信しています。

ひとりで黙々と研究を進める時間はとても幸せで、自分のスタンスとよく合っていました。逆に実験(実習)は自分にとっての課題でした。苦手という言葉で逃げずにきちんと向き合っていれば、少しは結果も変わったかもしれません。

今回は有料記事ということで、自分の過去の一端を深掘りしてみました。もし気に入りましたら、サポートとして購入いただけたら、とても嬉しいです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?