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「にんじん」の話


ニンジンに関する謎理論

僕はニンジンって野菜が子供の頃から大好きです。今も、自宅にいる日は毎日、必ず食べますね。

そんなニンジン。子供の頃の家族との会話で、こんな思い出がある。

「ケンスケは午年うまどし だからニンジンが好きなんだね」

と、両親が僕に言った。

子供ってニンジンが嫌いな子が多い。現に3歳年上の兄はニンジンが大嫌いだった。父も母も嫌いじゃないけど、さほど好きじゃない、みたいなことを言っていた。

だけど僕は物心ついた時からニンジンが大好きだったので、両親はそれを午年うまどし 、つまり「馬がニンジンが好き」だから、という“謎な理論”でそれを説明してくれた。

幼い僕は素直に親の言うその話を信じていた(あの頃は純真だったのだ…)。

「ああ、僕はお兄ちゃんと違ってウマどしだから、ニンジンが好きなんだな〜」

でも、僕が中学生くらいになった頃、ある重大なことに気づいてしまった。

僕は確かに午年だ。だけど兄も、父も母も、

やつらは全員卯年うさぎどし だったのだ…。

(いや! 馬よりもむしろウサギの方がニンジン好きじゃね??!!)

と思うのは僕の先入観だろうか…? 一体全体、両親の言ってた「ケンスケは午年うまどし だからニンジンが好きなんだね」理論は、なんだったのだろう? 今となっては、両親も兄もこの世におらなんで、確かめる術はなし…。

とにかく、僕はニンジンが好きだ、という事はご理解いただけただろうか?

美味しいニンジンを知ってるか?

今日はニンジンの話、なんだけど、我が家ではニンジンは、近くの自然食品店で、お気に入りの北海道の農家さんの栽培したニンジンをいつも買う。

無農薬、無肥料の、自然栽培の人参で、こういう形の悪いものとか、小さめのものは、安いのでいつも買う。

こんな感じのものが多いかな。

形や大きさより、なんと言っても「味」だ。とにかく味が濃い。「THE・ニンジン!」という香りと味。歯応えも硬めだ。

僕も以前「自然農」でニンジンを栽培していた。ズボラな僕にしては、比較的にしっかりと栽培、収穫できた。

にんじんと、ブロッコリー、紫のカリフラワー。2016年の写真。

とにかく、我ながら、自分で種から育てたニンジンはとても味が濃かった。八ヶ岳の寒い冬を、雪の下で越冬したニンジンの甘さなんて、もう「お菓子ですか?」ってくらい甘くてとろけそうになった。

しかもそこは「不耕起栽培」。つまり耕さない畑だったので、人工的にふかふかにさせた土とは違い、周りの雑草の根っこや、石ころなんかにも負けずに育ち成長したニンジンは、形もまっすぐでないし、皮も少し硬いけど、とてもパワフルな味わいだった。

Threadsにこんな投稿したけど、

米も野菜も、栽培方法や、栽培の環境でずいぶん違うのだ。

そんなある日。最近のことだ。地元のスーパーの「地場野菜売り場」で、ニンジンが売っていたので買ってみた。ちょうど切らしていたのだ。

そして食べてびっくりした。

味が薄いのだ。

普段食べているニンジンと比べ、香りも弱い。歯応えも弱い。いや、これは「柔らかい」と表現されるのだろうか?

でも多分、一般的にはこっちの方がウケるんだろうってことはわかった。

昔から「ニンジン = 子供が嫌いな野菜」だ。それはあの独特の「香り」だと思う。

でも最近のニンジンは香りが弱い。味も淡白だ。だからだろう、昔に比べて、子供が「ニンジンきらーい!」というのが減ったという話を聞いたことがある。

でも、僕が負担食べている自然食品店のニンジンや、自然農のパワフルなニンジンだったら、嫌いという子供もたくさんいるのだと思う。

野菜は「土」から生まれる。

実際に、僕らの祖父母世代が食べていた野菜と、今僕らた食べている、普通のスーパーで売ってる野菜は、ビタミンも鉄分などのミネラル、すべてが減っていて、半分以下になっているらしい。

日本の土壌汚染は深刻だけど、世界中で起きている。

原因は、化学肥料と農薬で、土壌にいる本来の微生物が駆逐されたからだろう。

いやいや、昔の測定方法が間違ってるだけで、昔と今の野菜の栄養に変化はない!という説もありますが(こちら)、僕は実際に自然栽培や自然農の野菜を食べて、味の濃さがまったく違うことを知っているので、同じだとは思えない。

野菜は土から育つ。僕らはそれを食べている。つまり、土を食べているのだ。

「僕は肉ばっか食べて野菜は好きじゃないです」

という人もいるかもしれないけど、その人の食べる家畜の餌は植物だ。結局、動物を介して、土(植物)を食べているのに等しい。

その土が今、危機に瀕している。

まあ、そんな理屈を言われてもピンとこないだろうし、頭で考えてどうこうするものではない。だからぜひ、まずはあなたにも食べて欲しい。自然栽培や自然農の野菜を。その味の濃さを。パワフルさを知って欲しい。

そして、そういう農家さんを応援して欲しいと思います。もちろん、スーパーで大量に売られている野菜よりは値は張るけど、見た目は立派でもスカスカの野菜より、しっかりと栄養素のあるものを食べた方がいいのでは?

それが長期的に、あなたやあなたの家族の健康を守り、エネルギーとなるのはどちらかを考えると、実はコスパが良いのかもしれません。

さて、こっからニンジンを使った我が家の定番料理を紹介します。

にんじんしりしり

にんじんシリシリは、沖縄の料理なのかな? ツナを入れたり、色んなアレンジもあるけど、できるだけシンプルに作りたいので、使うのはにんじんと卵、塩、醤油少々。

ちなみに日本以外のアジア料理を思い浮かべるとわかるけど、どの国も味が濃い、脂っこい、辛くてパンチがあるものが多く、素材より「ソース」を楽しむものが多いです。

でも日本は出汁などで「素材の味を引き出す」の料理が多く、その素材本来の美味しさを演出する。

僕も基本的には、そんな素材の味を活かすのが好きです。

まず、大量にニンジンを千切りにする。

この時点で、生のままで一つ、つまんで味を見ておきましょう。後で比較できます。

フライパンに油を引いて(国産の菜種油、もしくは米油を使ってます)、弱火で炒める。

塩をひとつまみします。味付けではありません。野菜を炒める時に塩ひとつまみを高い位置から落とす。儀式のようなものです。

10分〜15分くらいは炒めます。弱火でじっくり、じっくり、焦がさないように、丁寧に。とにかく丁寧に。

しんなりしてきたら、味見。ほどよく柔らかくなり、何より「甘さ」がアップしているのがわかります。

満足いく柔らかさと甘みを引き出したら、ニンジンが油を吸ってしまったので、中央に軽く油をして、卵を投入。

目玉焼きにはしません(笑)。すぐに箸で崩して、全体に混ぜます。少しだけ火も強くします。

溶き卵にして入れる人もいるけど、僕はこの方が「白身」と「黄身」と「白身と黄身の混合」が混ざっていて、それぞれの食感があって好きです。

味付けは醤油。ひと回しかけて、味見をする。塩気が物足りなければ塩で整えて完成です。あまり醤油を入れすぎると、にんじんの香りを打ち消すので、ほどほどに。あくまでもこれは「にんじんを楽しむ料理」なのでね。

にんじんしりしりは、もちろん出来立て熱々も美味しいけど、冷めたあとにも、味が馴染んでさらに美味しくなります。

冷蔵庫に入れておけば3、4日は平気だと思います(夏場は注意ですよ!)。食卓の一品になります。

ポイントはとにかくじっくりじっくりと炒めることです。

こうすると、例え味の薄い人参でも、かなり甘みや、人参らしさを引き出せますので、ぜひお試しあれ。お好みで、ごま油をしてきんぴら風にしても良いです。

早くて美味い、という料理もあるし、煮込んで美味い、ものもある。でも、丁寧に目を逸らさず、素材と語り合うように手をかける料理もあって、そういう手間ひまに、必ず食材は応えてくれる。そう思います。

ちなみにこれは、自然農で収穫した大根の写真。大根も美味かった。
若いよなぁ、なんだか(笑)。2016年の春。

玉ねぎは、自然農では難しいとされている。でもとても上手くできた。無農薬は手間もかかる。苗の3分の1はネキリムシにやられたけど、生き残った玉ねぎたちは抜群に美味しかったです。

今は都会暮らしだけど、また田舎暮らしをしたら、庭でできる範囲でいいので、家庭菜園はやろうと思ってます。

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つながるからだ、つながるこころ  

こちらのアメーバブログも参考に

聖音瞑想会 大阪 2月24日

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