見出し画像

“わたし”という神話 「天地創造」

第1話   天地創造
第2話   人間の誕生
第3話   闇の誕生
第4話   堕天使降臨
第5話   悪の誕生
第6話   広がる恐れ
第7話   光と闇
第8話   偽りの光
第9話   宗教の誕生
第10話  古代の叡智の破壊
第11話  神になる堕天使

 1 天地創造

 光。
 
 光しかなかった。

 だからそれが「光」だと理解することもできなかった。

 愛だった。

 愛しかなかった。だからそれが「愛」だと理解することもできなかった。

 すべてだった。

 すべてが完全に調和されていた。

 しかし、すべて“しか”ない世界では、何もない世界であり、それを“世界”と呼ぶことさえできなかった。

 常に至福だった。

 そこには不幸というものの概念はひとつもなく、それが「至福」であり、幸福を理解することはできなかった。

 退屈も楽しさも存在しなかった。それを体験する術もなかった。

 何もすべきことはなかった。調和だった。

 理解すべき対象はなかった。

 理解することはできなかった。

 そもそも理解する者もいなかった。 

 体験…。

 理解という、体験。

 光を理解しよう。

 愛を理解しよう。

 すべてを理解しよう。

 I AM

 わたしは、“わたし”になった。

 体験する者であり、体験される者だった。

 “わたし”と、わたし以外の世界が生まれたのだ。

 わたしは、世界を体験する。

 世界は、わたしに体験される。

 世界は光。世界は愛。世界はすべて。

 しかし、私は光を理解するために、闇を作った。

 光と影のある世界。光は眩しかった。闇は暗かった。

 闇もまた、体験される“わたし”だった。

 わたしの分身であった。

 わたしはどちらか“だけ”を体験しようと、意識を分けた。

「すべて」であるわたしと、「一部」であるわたし。

 一部であるわたしは、光から闇へと移動した。

 移動することで、わたしは自分が、そしてこの世界が『空間』だと知った。

 空間を移動すると、時間が発生した。移動には時間が必要だった。空間には時間が必要だった。

 空間と時間は兄弟のようなものであった。

 わたしが空間の中を移動した“運動”により、渦が生まれた。

 移動しながら、その渦がまた新たな空間を生み出し、それがまた新しい時間を生み出した。それは次々と生まれ、果てしなく、果てしなく、新しい時間と空間の創造が続いていった。

 わたしはそれを『宇宙』と名づけた。

 宇宙はまた分裂を繰り返しつつ、しかし同時に引き寄せった。離れつつ、近づき、近づきすぎるとそれは融合し、分裂し、宇宙は物質として固まり、空間と物質が、時間の中で次々と生まれていった。空間は広がり、物質は増えた。

 闇はどこにでもあった。

 どんな熱の中にもあり、どんな放たれるエネルギーの光の中にもあった。

 闇は光があると離れた。あくまでも、光と対極にあった。それが闇の意志だった。

 世界は光と闇が拮抗し合い、この成り立ちが宇宙のあらゆる基本的な要素になった。

 その拮抗を保つために、わたしは“わたしの意志”を恒久的に行使する存在を作った。

 熱を作るもの。

 水を作るもの。

 鉱物を作るもの。

 運動させるもの。

 巡らせるもの。

 それらのバランスを取るもの。

 その存在を“天使”としてを創造し、宇宙のさまざまなエネルギーの調整を取らせた。

 宇宙は美しかった。

 光が増えすぎると、闇がそれを調整し、またそこから創造の息吹が光を放ち、光が集まり、新たなものが生まれた。生まれ、滅び、また生まれゆく分裂の中で、数が生まれ、幾何学が生まれ、その法則に則り、数々の元素が生まれていった。そして凝固したものと、拡散された空間が分かれた。

つづく 


イベントのお知らせ。

12月4日(日)女性性を巡らせる“音体験” in 大阪
https://innerpeace-kensuke.stores.jp/items/6357bc455976207314a25532

☆ Youtubeチャンネル

☆ サークル「探求クラブ」(noteメンバーシップ)

☆ Youtube アーティスト・チャンネル 新曲「風 風 風」


サポートという「応援」。共感したり、感動したり、気づきを得たりした気持ちを、ぜひ応援へ!このサポートで、ケンスケの新たな活動へと繋げてまいります。よろしくお願いします。