最近、とても疲れている。
胃腸も良くなり、生活が急にスピードアップしてきた。4月という新学期の季節がらもあるだろう。春の土用といって、季節の変わり目で疲れが出る時期だと古来からも伝えられている。
考えることが多い上に、締め切りもあるし、子供たちも元気いっぱいだ。幸せで何よりなことだが、疲れて、夢ばかり見ている。
ダライ・ラマとか、鳥使いの青年の夢とか、だからなんだ！疲れが取れないじゃないかと落ち込んだりしている。
そんな姿を見て、以前から妻が「ジムで水泳でもやれば？」と言っていたので、今日はイヤイヤながら（笑）、近所のジムに見学に参加してみた。

ここは、昔からある昭和ながらの大手ジムだった。入館してまず度肝を抜かれたのが、70代以上の紳士淑女が、広いスタジオの前で、ダンスレッスンの開始を待ち構えていた場面だ。30人くらいはいただろうか。みんな笑顔で、ハキハキしている。◯ジ◯バの社交場だ。
奥のトレーニングルームでも、やはり70代くらいの紳士淑女が、ウェアーきて、めちゃくちゃバーベルあげたり、マシーンで筋肉を鍛えたり、柔軟したり、走ったりしている。午前中の時間帯もあるのだろうが、何でこんなに年齢層高いのだ？？
次にお目当てのプールを見学した。ぼくは、クゥッ！と唸った。
ここでも紳士淑女が、3レーンを使って、水面のダンスを繰り広げている！淑女率高い。どうサバを読んでも80代の大先輩もいる。
コーチの方のしなる動きに合わせて、ひきがえるがジャンプしているようだ！驚きを隠せない。

僕がその時に痛烈に思ったことを、ここで述べよう。

「くそっ！！僕はなんてダメなやつなんだ！！」

何を（寝れない）とか（疲れた）とか言ってるんだ。まだ40代半ばだぞ。あの紳士淑女をみよ！！
2階スタジオでは、「ラテンダンス」のレッスンだった。これもまた60-70代のマダムたちが、キャッツアイの衣装を堂々と身につけて、クネクネお尻を振っている。その楽しそうなこと！！輝いている。僕の母と同じくらいの世代のマダムが、クネクネして輝いている！

くそっ！負けた！
定年退職後だから、悩むこともないし、やりたいことをやりきってるんだろうな、と捻くれた考えは消え去って、僕は素直に負けを認めて、妻にこう言った。

「あのマダムたちは、今を生きているんだね」と。

そして、スポーツジムを後にした。僕は全力で走り出したくなった。身体よ！心よ！お前はまだまだ動ける。人生を謳歌できる。腐ってる場合じゃないよ。30年後に、あの◯ジィくらい、バーベルあげられるかよ。腕立てが20回できたくらいで喜んでるんじゃないよ！

拗ねたキリギリスより、喜び跳ねるヒキガエルだよ、人生は。

妻と再び、もう少しだけ最新設備のあるスポーツジム巡りをすることになるだろう。それでも、大切なことは一つ。ここを見失うな。

お前は今、生きている。
身体を動かせ！食べて、働いて、しっかり寝る！強く生きろ！

おわり。