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#1)女性アーティストTracey Emin-先駆者の苦悩 #MeToo

トレイシー・エミン(Tracey Emin,1963- UK) 過激にして革新的な英国のアーティスト。
そのコンテンツは、自伝と告白のアートワークで知られる。#MeToo 以前に表象から伝えた先駆者。
当初の悪評から、現在では、王立芸術アカデミーの会員だ。
絵画、彫刻、映画、写真、インスタレーション、縫製アップリケなど、さまざまなメディアで作品を制作。

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以下、概略
1963年、ロンドン(クロイドン)生まれ。
1989年、 ロイヤルカレッジオブアートにて修士(MA)。また、一時期、ロンドン大学バークベックで哲学も学んだ。
YBAs(Brit artists or Britarts)の中心的なメンバーの1人。
1997年、「1963年から1995年まで眠たすべての人」は、このアーティストが、かつてベッドを共有していたすべての人の名前でアップリケされたテントだ。ロイヤルアカデミーで展示。(London)

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                      (c)Tracey Emin
また、同年に、「絵画の死-BBC」ライブディスカッション・プログラムに、どうやら、飲酒状態で参加している。
ここまで聞けば、確かに問題視されるだろう。
1999年、「Every Part of Me's Bleeding」リーマンモーピンギャラリー(US)

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Fig.Every Part of Me's Bleeding

1999年後半には、 Tate Galleryでターナー賞の最終候補作品の1つとして”My Bed”が展示された。それは、自身の汚れたベッドで構成された既製のインスタレーションであり、そこで、数日間を過ごすが、そこでは、飲酒、喫煙、食事、睡眠、性的な表象にまで至る。
それについては、時間の流れの中で、多様な評価が展開された。
ただ、その後、”My Bed”は、Saatchi Gallery(ロンドンの現代美術を扱う)が購入した。
その後も多くの展示と、その多様な評価がされるが、
2005年、テート・ブリテンで、「芸術の構築における主観性と個人史の役割」について、エミンの表象が評価された、また、つづいて、王立芸術アカデミー (2008)でも評価され、エミンの表象は絶対的なものになった。
2011年、エミンは、王立アカデミーのドローイング教授に任命される。王立アカデミーが、1768年に設立されて以来、2人目の女性教授だ。
また、現在は、王立芸術アカデミーの会員だ。

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Fig.ホワイト・キューブギャラリー(London)での個展 (2019.4 )-不眠症の部屋

最後に、辛い話を付け加えたい・・・それは、エミンは、幼少期に性的な虐待(レイプ)にあっていると言う事だ。
そのあまりにも辛い経験が、表象に現れ、それが、「創造性と自伝の関係性」がここに現れているといわれる。
それが、辛い文脈になったが、現在の#MeToo運動も含めて、表象文化(イメージと文化)というものだろう。

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そして、トレイシー・エミンは、現在の現代アートの第一人者と言って過言ではないだろう。


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Tracey Eminの”My Bed”については、次回につづきます。


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