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ロイス・ワインバーガー、生態系の問題点を作品化する

ロイス・ワインバーガー(Lois Weinberger,1947-2020/オーストリア) 概念芸術のアーティスト・詩人、また、農業・園芸家(植物アート)。
都市において、人間の構成してきた常識を覆す、それは、生態系や環境問題のあり方に揺さぶりをかけた作品だ。ただ、残念なことに、2020年4月23日、病(循環器)により逝去された、72歳だった。ご冥福をお祈りしたい。

ドクメンタX(1997)、ドクメンタ14(2017)、ヴェネチア・ビエンナーレ(第53回-2009)に選出されているだけでも、そのコンテンツの奥行きと規模を感じる。そして、国内でもワタリウム美術館等々で、ご覧になった方も多いだろう。

ロイス・ワインバーガーの作品は、少なくとも90年代から現在に至るまで、芸術と自然に関する、新たな議論に大きな貢献を行なっている。
いわゆる雑草、それは役に立たない(また、人の視点では有効な植物にを及ぼす)と言われるが、その雑草の保護と植物抵抗の芸術は、彼の植生美学(しょくせいびがく)だろう。そのワインバーガー行動は、例として、ベルリンの壁が崩壊した後、ベルリンの死の帯の下草にバラ園のように価値があるかのように水を与えた。そういったアートの世界観(極)の持ち主だったという事だ。
まずは、作品をご覧頂きたい。

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(c)Lois Weinberger

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Fig.Lois Weinberger


Museum Ferdinandeum Innsbruck - Lois Weinberger "Kunst&Natur"

(註)
・Vegetation(植生):ある地域に集まって生育している植物の集団:ワインバーガーは、そこで、野生の成長と雑草の価値を追求している。
・ヴェネチア・ビエンナーレ(第53回-2009):オーストリアパビリオンのジャルディーニに堆肥の山を作り、自然植生のための構造を持つスペースの制作を行う。
・ドクメンタX(documentaX kassel-1997):放棄された列車のプラットフォームに、ヨーロッパ南部および南東部から100メートルの植物を植栽。
・ドクメンタ14(documenta14 kassel-2017):カールサウエ(カッセル)の公園で、遊歩道の間の雑草に「難民キャンプ」を開くため、芝生に長いスワス(Swath/芝刈り)を描きました。一方、アテネでは、ワインバーガーは、家族の歴史の伝記(両親の農場にあった物)と雑草をショーケース展示した。

(追記)次回は、ロイス・ワインバーガーの植物アートでの問いかけを、そのキャリアから、追ってみたい所存でおります。


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