見出し画像

自己受容のための手続きと資料集め

期限の二日前ギリギリに支援措置を終えられた。
これでまた親に住民票を覗かれ
住所を特定される心配がなくなった。

そのついでに役所内のあちこちの窓口をはしごして
相談した結果、毎年苦戦していた自立支援医療と
精神手帳の更新の手続きを生活福祉課の地区担当の
ワーカーさんに代筆してもらうように頼めた。
これで来年以降の負担が二つほど減った。
ついでに支援措置についても役所と警察の間だけで
どうにかできないか、せめて二、三か月に一回など
頻度を減らせないかワーカーさんに頼んで調べてもらっている。

ひとまず一番手前の大きいタスクが片付いて安堵した。
健常者だったら何てことないような、しかし障害を抱えているからこそ
必要になっているあらゆる書類の必要な手続きが本当に苦手だ。
連日日常生活を正常に送ることが困難な、体調を整えることすら
ままならない重篤な障害者に任せる仕事量ではない。

しかしここでも私は「自分で何とかしないと」という
思考の悪癖が発動し、毎年苦しみながら書類を片付けていた。

役所内で情報を集めるのもかなり困難だった。
支援措置の件、自立支援医療と手帳の件について
地域の警察署、権利擁護センター、保険予防課、
戸籍住民課、生活福祉課の順でハシゴしてそれぞれ相談したが、
「こちらの管轄ではないからあの部署へ…」とたらい回しにされ
部署内での情報共有すらも本人の承諾が無ければ
軽率にはできない。部署間での情報共有などもっての外だ。
それぞれの部署の間に分厚い隔たりがあり、
互いの部署がどこまでの仕事を管轄し取り扱ってるか、
職員すらも把握しきれていないようだった。

福祉と警察の連携が難しいとされているように
役所内のそれぞれの部署にも同じくらいの連携の難しさを感じた。
いざとなったら引継ぎ役の職員(保険師、ソーシャルワーカーなど)が
先導してくれる場合もあるが、上にも書いたように
まず「預けられた案件をどこなら捌いてくれるか」を
比較的長く役職に就いている職員さんに確認する作業が間に挟まる。

結果的に生活福祉課で代筆を頼めて
私の事態は収束したのだが、同じ困り事に直面して
途方に暮れている患者が多く存在することは
明らかだったので、後日権利擁護センターで話を
親身に聞いてくれた職員さんに連絡し、
「あの後こういった形で解決したので、似たケースの方が
訪ねてきたら是非ご活用ください」と情報提供した。

これで少しでも他の患者さんの困りが
解消される機会が増える事を切に願う。

そうして困り事を自己解決してなお、
不眠が続き、悪夢を見ては虐待の追体験をして、
弟の窃盗の濡れ衣で寝起きに殴られて
脳が揺れて視界が白飛びした衝撃を思い出し、
作業中の瘡蓋弄りやスキンピッキングが止まらないが
ストレス耐性が人より低いのも、外出で異常な負荷が
かかっているのも、どうやら虐待の後遺症なんだそうだ。

脳発達の観点から見ると既に小児期には,ニューロン同士の連結は網の目状になっているので,一つの神経細胞が壊れ,ある経路の伝達に支障が生じても他の経路による代償が十分に可能である。しかしながら,あまりにも過剰なシナプス形成が行われ,ひとつの刺激が周囲の不特定の神経細胞に伝わるため,不必要な全体的な興奮を引き起こし,やがて脳代謝に負荷がかかるようになる。その結果,エネルギーの消耗が激しくなり,むしろ神経伝達の効率が低下するリスクが生じてくる。これに対応するかのように,生後1年目から思春期さらには若年成人の頃までに,過剰な神経回路網の刈り込み(pruning)が行われ,神経伝達の効率が向上するようになる。すなわち不必要なニューロン同士の連結が減少し,ミエリン鞘(信号伝達に必要な絶縁体)によるミエリン化が進行していく。ところが子ども時代に言葉の暴力を繰り返し浴びることによって,シナプスの刈り込みが進まず,雑木林のような状態になってしまうのではないだろうか。人の話を聞きとったり会話したりする際に,その分,余計な負荷がかかることが考えられた。「生まれてこなければよかった」「死んだほうがましだ」など,暴言を受け続けると,聴覚に障害が生じるだけでなく,知能や理解力の発達にも悪影響が生じることも報告されている。言葉の暴力は,身体の表面には傷をつけないが心や脳に傷をつけることを看過してはならない。

心理学ワールド80号 体罰や言葉での虐待が脳の発達に与える影響
https://psych.or.jp/publication/world080/pw05/

まず、幼年時代に性的・肉体的・精神的な虐待や二グレクトなど、トラウマとなる経験をしたことがあるかを回答してもらった。次に、うつ病や不安神経症、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の有無と、だ液中のコルチゾールの量を調べた。コルチゾールはホルモンの一種で、これが少ないのは神経内分泌系のストレス反応システムの機能が低下した状態だとされている。

 その結果、特に性的虐待、精神的虐待、感情的ニグレクトを幼年時代に受けた経験は、慢性疲労症候群と密接に結びついていることがわかった。そうしたトラウマは、成人後に慢性疲労症候群になるリスクを6倍高めていることもわかった。

幼少期の虐待経験が慢性疲労症候群の原因に、米大学研究報告
https://www.afpbb.com/articles/-/2555295

眠れず何の気力も湧かない時はこういった情報を集めている。
自傷行為と答え合わせ4:6の、現実に打ちのめされ身の程を知る作業。
色々な角度から自己分析するための資料集めであり、
つらい情報でも向き合わないでいるより有益だと思っている。

生まれつきの特性上興味のない事は事務作業も調べ物も
すぐ手が止まり、義務教育の授業すら板書ができてなかった私だが、
その一方で自分に少しでも関連する事や興味がある事に
関しては多少詳しく調べられるし、複雑な文章も読解できる。

それがたとえ今更分かったところで仕方のないことでも。
ただ何も知らないでいるよりかは、少しでも現状の困難に
関連付けできる情報があればあるほど、現状に諦めがつく。
健常者のように動けなくても仕方ないと思える。
そうして自己受容と他者を頼るハードルを下げるのも
ヤングケアラーとしての強迫観念や思考の悪癖を軽減させ
生きやすさを得る手段のひとつだと実感している。


生きる活動に使わせていただきます