44.兇人邸の殺人(今村昌弘) 感想・考察

今村昌弘さんの兇人邸の殺人を読みました。
『屍人荘の殺人』、『魔眼の匣の殺人』に続く3作目です。
剣崎比留子シリーズとも呼ばれてるみたいです。
班目機関が研究した超常現象を利用したトリックが見どころの作品です。
私自身、前作も前々作もめちゃくちゃ面白かったので購入。
このシリーズは全部読み進めようと思います。

こっからネタバレ
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オチ好きだ~。

今回はタイトルでもわかりますが、巨人がいる中での殺人事件を題材にしていました。
イメージ的には青鬼のようなホラゲーを連想しました。
屍人荘の時と同じような、パニックホラーと屍人荘とは違うクローズドサークルが発生し、そこでの不可解な殺人を追っていきます。
それを取り巻くいくつもの謎を剣崎比留子が安楽椅子探偵の立場で解いていくというような流れでした。
最初の夜の臨場感や、首を持って帰る巨人の不気味さは怖いけど読む手がとまらなかったです。

同時に、進んでいくケイ視点の過去編。
これが本編かってくらい面白い。
絶対にバッドエンドになるのがわかっている過去編でしたが、そのオチが悲しすぎる。
サキミが研究所での大量殺人を予言しての(魔眼での設定生きてるの嬉しい)不気味さと、
ケイが左手を引きちぎるシーンの鳥肌がすごいし、ケイが家族を守るために今でも猿の首を切ろうとしてるのがわかるの切ない。
裏井がコウタだったのも、最後にケイの下に行くのも、犯人側が必ずも悪ではないような演出はオチとして綺麗すぎました。
剛力京=ケイへのミスリードからの、ケイ=巨人を書きたかったんだろうと思うと納得。
作者は今まで登場人物の名前を特徴でわかりやすくしてたので、それすらミスリードに使う技術もすごい。
今回はいつもに比べると超人特有のトリックは血の偽装だけで、ミステリー感は薄かったのが残念でしたが、オチがめちゃくちゃ好きなので今回も大満足でした。

個人的には魔眼>屍人>兇人の順で好きでした。

やはり今村昌弘さん天才か?

そんな今村昌弘さんがマーダーミステリーを作ったみたいです。
私も遊びたい。というか絶対やります。詳しくはこちら。
マダミス通話アプリ「ウズ」からミステリー作家・今村昌弘先生が原作・シナリオを担当したマーダーミステリー『歪んだ実験室の殺人』がリリース決定!|PressWalker


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