47.姑獲鳥の夏(京極夏彦)感想考察

京極夏彦さんの『姑獲鳥の夏』(うぶめのなつ)を読みました。
1994年発売の「百鬼夜行シリーズ」の第一弾。
twitter(X)上で#絶対に読んどけっていうミステリー小説ランキングというのがあってランクインしてたので読むことを決めました。
前回読んだ占星術殺人事件もそうですが、ミステリーハマってるし古典ミステリー読んどくかの気持ちです。
630Pと大ボリュームなのですが、京極夏彦作品にしては少ないらしいです。(異常)
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という有名なセリフは私も聞いたことがあります。

こっからネタバレ~~~~~~~~~~~
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面白いけど、読むの大変すぎ。
読み終わった後の感想は読後感は良いけど、とんでもミステリーすぎるなという雑感です。

ミステリーとしての題材は
・密室殺人
・妊娠20ヶ月
と最初に謎が提示されるわけですが、
冒頭から明らかにされる謎ではあるものの、それを元にした京極と関口の話し合いだけで100Pもあるわけです。
しかし京極の話は小難しいが納得性があって面白い。
この小説はミステリーそのものより会話劇を楽しむほうがよさそうだと思いました。

そしてちょくちょく挟まれる謎。
・関口が涼子と既に会ってたという榎木津。
・これは警察を呼ぶべきだと言う例の部屋
・恋文の記憶がない梗子
・謎の研究をしている藤牧
・消えた赤ちゃん
もうこれ、風呂敷広げすぎて解決できるのかと思ったら、解決編のラスト100Pで綺麗に回収する様は見事でした。
ようやく解決編かと待ちわびた京極堂の久遠寺家への乗り込みは、何が起きたのか意味不明すぎましたが京極堂の話す解説はとんでもミステリーなのに妙に納得感がありました。

"だいたいこの世には、あるべくしてあるものしかないし、起こるべきして起こることしか起こらないのだ。"
「この世には不思議なことなど何もないのだよ」という強調されてきたのは、

狂っている登場人物たちの行動や幻覚を妖怪に例えてミステリーに落とし込むという新感覚のミステリーでした。
私は面白かったけど、通常の感覚のある人が見たら解決編「えぇ?納得いかない」という感情が出ても不思議ではない。

しかし、作者の色々な知見は面白い。
ダチュラの話とか、脳の知覚の話とか、妖怪や宗教に関する話とか。
文章構成も含めて天才タイプなんだろうなと感じます。
非常にページ数多いのに会話部分が飽きないからハマる人はハマりそう。

ちなみに私は630P読み切るのは辛かったです。
普段一冊3日あれば読めるのに気乗りしなくて2週間かかりました。
次の『魍魎の匣』の方が有名らしいですが1050P。
気が向いたら読み進めます…

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