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祝30周年!「十六茶」の味の秘密に迫る!(後編)

皆さん、こんにちは!
本日は前回お届けした「十六茶」の開発業務にあたる商品開発研究所の担当者による対談インタビュー続編をお届けします。
前回の記事はこちら↓


「十六茶」の進化


―――近年の「十六茶」はどのような特長があるのでしょうか。
 
 発売から改良を重ねて時代に合ったおいしさを追求していますが、近年では発売当初に比べて大麦の比率が多くなっている傾向にあります。これはお茶飲料の市場では近年麦茶もとても人気ということもあり、二ーズにあわせて大麦の風味をより立たせたものになってきています。ただ 、これは決して麦茶に似ているというわけではなく、16素材をブレンドした「十六茶」ならではの風味となっています。

笑顔でインタビューに応じる林

―――2023年のリニューアルポイントはどのようなところですか。
 
 一言で言うと、「甘香ばしい香りが強い。けどすっきり。」です。2023年のリニューアル時はおいしさという観点だけでなく「理想の穀物茶」という指標を組み込むことで、「十六茶」の改良方向性を明確にしました。そして、研究と調査を進める中、「十六茶」の今ある価値を高め、理想の穀物茶に近づけるには「甘く香ばしい香り」を強化する必要があると考えました。そこで本年は素材の選別を行い、焙煎度を調整することで「甘く香ばしい香り」を強化する改良を行いました。

平田 私も定期購入しているのでリニューアルした際は香ばしさがアップしたのを実感して、変わったなと思いました!飲み進めるとその香ばしさがクセになりますね。
 
―――大変だったことはありますか。

 「十六茶」として変えてはいけないところを守りつつ、より良い味わいにすることは難しいです。各素材における焙煎度の違いや粉砕の有無などにより選択肢が多く、さらに素材の組み合わせや比率を考えると改良の仕方は無限にあります。本当にトライ&エラーの繰り返しです(笑)。既においしくてバランスの良い香味ではあるので、どうやってさらにおいしくするかには頭を悩ませますし、これからも苦労すると思いますが、本年は理想的な穀物茶に向けて科学的なアプローチで改良の方向性を導くことができたので、今後にも生かしたいですね。

試作品の香味をチェックし、改良につなげています!

平田 味覚や感覚によっておいしさを評価する官能評価の仕方もどんどん発展していて、より科学的なアプローチがしやすくなりましたよね。人によって捉え方が異なるおいしさを数値化したり、目標の立て方を工夫することで開発の仕方も変わってきているように感じます。
 
―――今後取り組んでいきたいことはありますか。

 ブレンドの魅力を改めて知ってもらえるようにしていきたいです。ブレンド茶である「十六茶」は「複雑な味わい」に加えて、「飲みやすさ」という魅力やブレンドでしか出せない世界観があると思います。近年は緑茶や麦茶など他のお茶に比べてブレンド茶の印象が薄いので、「十六茶」の開発を通してブレンド茶のイメージアップを図っていきたいです。
 

16素材のブレンドで届け続ける「おいしさ」と「健康」


 
―――お二人は特に印象に残っている年の「十六茶」はありますか。

平田 2003年発売の「新撰 十六茶」です。2002年の売上がピーク時の半分以下ということでブランドとしても一つポイントになる10周年を無事迎えられるのかというタイミングで、ここで終わらせてしまうのではないかという怖さもありました。お客様に受け入れられるのか不安が大きい中でのリニューアルでしたので、反響が大きくうれしかったです。
 
 1993年に発売された初代「十六茶」です。「十六茶」が発売された年・月と私自身が生まれた年・月が一緒なのでとても親近感がありました。当時は商品を口にしたことはありませんでしたが、当時の処方を再現したものを飲んだときに、今との違いから歴史を感じたことが印象に残っています。今と比べると、緑茶やウーロン茶もブレンドされていたことからお茶ならではの渋みなども感じる味わいでしたね。あとはやっぱり自分が作った現在販売されている「十六茶」も印象に残っていますね!

左から1993年発売「お茶どうぞ十六茶」、2023年発売「十六茶」


―――「十六茶」の味づくりのうえで大事にしていることはどのようなことですか。

平田 「十六茶」らしさを守りながら、その時々でお客様がおいしいと感じる味わいの方向を追い求めることです。ブランドは自社のものではなくお客様に愛されて成り立つものですから、自分たちが持っているイメージとお客様が持っているイメージのズレがあってはいけません。お客様の期待を壊さないように取り組みました。

 私も「十六茶」として変えるべきところと変えてはいけないところが何かを考えて開発するようにしています。ときにはそこまで大きく変化させてもいいのかなというアイデアも出てきますので、維持とチャレンジのバランスも意識しています。あとは、何よりブレンドしていることが魅力なので、何か特定の素材だけが目立つのではなく、組み合わさったことによるおいしさを目指すようにしています。

和やかに会話するお二人ですが、ゆっくりとお話しされたのはこの日が初めてだったそうです!

―――ブランドオーナーであるシャンソン化粧品社(※)とはどのようにやりとりをしながら商品をつくられているのですか。
※「十六茶」はシャンソン化粧品社がティーパックとして1985年に発売。当社は1993年以降、原料供給を受けて缶・PET飲料として商品化をしています。
 
平田 先方では「十六茶」のティーバッグを販売されていますので、考えている方向性に齟齬がないかをすり合わせながら新たに加える原料の候補の調整等を行っていました。最も苦労したのは、「十六茶」の販売規模が拡大する中で「十六茶」の原料焙煎、ブレンドを行う自社工場をシャンソン様が立ち上げた時です。原料の品質を一定にするために何度も試作いただいたり、新たな管理項目を組み込んだり、一緒に苦労して立ち上げていただきましたね。

 試作にあたり素材のサンプルをいただいたり、調達面、品質面、生産スケジュールをご相談しながら一緒に商品をつくってくださる存在です。毎年先方の工場見学をさせていただき、私たちの知識の向上のためにもいつも力になってくださいます。今後海外で原料の視察をご一緒させていただく計画もあるので楽しみにしています。

 
―――「十六茶」を通じて、100年先の未来へ届けたい想いや願いを教えてください。

平田 アサヒ飲料は100年ブランドを3つ持っている稀有な会社です。「つなげる」ということも大切にしているなかで、先人が苦労して立ち上げたブランドの価値を高めて、お客様のニーズに応えるために磨くことが得意ですので、無糖茶のように比較的新しい市場で浮き沈みを経験しながらも、30年続けてこられたことは大きなことです。これから先、「十六茶」が進化して形を変えたとしても、お客様に「おいしさ」と「健康」を提供できるようなブランドであり続けていたらうれしいです。

 100年先というとなかなかイメージが湧かないですが…、私も「十六茶」を通して「おいしさ」と「健康」の2つの価値をしっかりお届けして、お客様に愛されるランドとしてつないでいきたいです。近年ではサステナブルな活動としてラベルレス商品なども力をいれていますし、十六茶粕の使用用途などが広がっていくことで資源を循環させていくことにつなげていければと思います。

体にも環境にもやさしいブランドを目指して取り組んでおります 

―――読者の皆さんに向けてメッセージをお願いいたします。

平田 私は緑茶やウーロン茶が主流だった大学生の頃に「十六茶」を飲んでいる友人を見たことがきっかけでブレンド茶のおいしさに気づき、こういった商品を開発したいなと思うようになりました。私自身がアサヒ飲料に入社した大きなきっかけとなった「十六茶」は、今もストックを欠かせない大好きな飲料です。ブレンド茶のおいしさを知っていただきたいという想いもありますし、これから暑くなってきますので、ますます「十六茶」がおいしく感じられるかと思います。どんな体調の時も体に負担なくおいしく水分補給できる「十六茶」を、ぜひ皆様にも飲んでいただけるとうれしいです。

 皆様のおかげで発売30周年を迎え、そのタイミングに関われたことはとても光栄なことです。「十六茶」は「おいしさ」と「健康」を皆様に届けるために30年改良を重ねてきました。毎年リニューアルを行っているのもこだわりがあるからこそです。ぜひ一度手に取って、「十六茶」の「おいしさ」「健康」を実感していただきたいです。これからも「十六茶」は進化を続けていく予定ですので、皆様と共に「十六茶」を育てていけたらと思っております!
 
――ありがとうございました!
 
 

30周年記念の新商品も発売!


「十六茶」の開発に込められた熱い想いをお伝えできたでしょうか。
5月30日には30周年を記念して新商品「十六茶 金のブレンド」も発売になりました!マーケティング部門の「十六茶」担当者からもメッセージが届いておりますので、最後にそちらもご覧ください!

左)内田 勝大(うちだ かつひろ) 
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング二部 お茶・水グループ所属。
「十六茶」ブランドの商品開発担当。趣味はサッカー。
右)杉本 真崇(すぎもと まさたか) 
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング二部 お茶水グループ所属。
お茶・水カテゴリーのブランド戦略立案を担当。
3月まで「十六茶 金のブレンド」の商品開発に携わる。マイブームはサウナ。

―――「十六茶」30周年を受けて反響はいかがですか。

内田 広告に初代CMタレントの小林聡美さんに出演いただき、発売当時を懐かしむ声を多くいただいています。当時のCM内で出てきた「日本全国十六茶」という言葉や「やっぱり くっきり まったり・・・」という早口のシーンに触れてくださる方もいらっしゃいますね。また、お客様とお話しする中で、「約30年間、お客様の嗜好に合わせて、ほぼ毎年調合や焙煎等の改良を加えている」旨をお話しすると、「そんなにこだわりが詰まっているのですね!」と感動していただけたのが印象深いです。
 
―――本年の「十六茶」のポイントやサステナブルな取り組みを教えてください。

内田 初めての試みとして高度なデジタル味解析を導入し、「香り」「後味」「風味」による”おいしさの3要素”を解析しました。そうして特定した理想の味わいを、職人の技を活用し50種類以上の候補から最適な素材と製法を選び抜いて実現しました。また、本年3月より「十六茶」「十六茶麦茶」のラベルレスボトルに貼付していたタックシールを廃止するなど、サステナブルな取り組みも積極的に行っています。
 
―――5/30(火)発売の新商品「十六茶 金のブレンド」はどのような商品なのでしょうか。

杉本 30周年を記念する商品として、素材と製法について“金”をテーマに検討し、「国産ゴールデン大麦」と、当社が持つ特許製法である「ゴールデンドロップ製法※」を採用しました。その結果、贅沢なコクと香りを楽しんでいただけます。
※ハトムギの一部を自社特許製法にて抽出しています。(特許第5525178号)

左から「十六茶」と5月30日発売「十六茶 金のブレンド」

―――読者の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

杉本 最近「十六茶」を飲んでないなという方はぜひこの機会にお手に取っていただけると幸いです!16素材のブレンドによる複層的なおいしさと香りをぜひ楽しんでください!
 
 
――――ありがとうございました!
 
「十六茶」で水分補給しながら暑い夏も乗り切っていただけるとうれしいです!次回は、工場での環境の取り組みをご紹介します!お楽しみに!


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