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ナガランド(インド)2018


Nagaland ナガランド

 ミャンマーと接するナガランド州は文字通り、ナガ族の土地である。ナガ族はミャンマーにも分布するモンゴロイド系なので我々と見た目非常に似ている。肌の色も我々日本人に近いのでタイ人など他の一般東南アジア系よりもぐっと親近感がある。今回はコルカタから入国した。e-VISAの二回目だったためであろうか、入国検査官にスケジュール表を求められた。それを見せると検査官は怪訝な顔をしてスケジュール表を眺めながらどうやら上司らしき人を呼んで相談を始めた。今までスムーズに流れていたイミグレが急に止まってしまったのである。なにかスケジュールに問題があったのだろうか?正直言って心中は穏やかではない。当たり前だが、いくら何でも入国できないと困る。今回はモコクチュン(Mokokchung)方面に向かうのだが、以前はこのエリアには入域規制があり許可証が必要とされた。しかし現在は不要となっているはずだ。しかも許可証は州都のコヒマ(Kohima)で取得可能のはずだ。検査官達は相談後、私に対してこう質問してきた。「Are you Naga people?」 「NO!!」 どういうわけでナガ族と聞かれたのか不明だが、パスポートは当然日本国籍となっている。ということはナガ系日本人(?)と勘違いしたのだろうか。思いっきり否定しておいたが、モコクチュンというところにはほとんど観光地というものがない。彼らからすると日本人で観光資源がないモコクチュンに行く人は極めて稀なので外国人観光客とは考えにくく、見た目で日本で暮らしているナガ族と判断され里帰りと思われたのかもしれない。どういうわけで審査が止まったのか不明ではあるが、ナガランドにおいては外国人の入域については年によって変化しているのでおそらく確認だったのであろうかと推測した。


 ところでこのナガ族は結構最近まで首狩りが広く行われていた。それも50年ほど前と本当に最近まで行われていたのである。そのため村の長老達には首狩りを経験している者もいる。他部族の首を狩ることで力が得られ部族の豊作繁栄をもたらすとされ、男たちの通過儀礼の一つだったようだ。もちろん現在は完全に行われてはいないが、村によっては狩ったときの頭蓋骨がいまだに残されていたりするようだ。

 

 

ナガ族とキリスト教

 ナガランドに行くまでは独特の民族衣装で首狩りがあった習慣からアミニズムかと思っていたのだが、実際にコヒマに着くと教会がところどころ目に入るのに気づく。聞くとどうやらナガ族の90%はクリスチャンなのだという。アメリカ人の宣教師クラークがナガの地にやってきたのが1872年。そこで徐々に宣教運動をはじめていったらしい。当時のナガ族は小部族ごとに分裂していて他部族の首狩っていた。したがって外部からの潜入はとっても厳しかったはずだ。下手したら自分の首を狩られてしまう!そんな状況下で自分の首の危険を顧みずに宣教したのは実に大変なことだったと思う。その努力が実を結び徐々にキリスト教化されると、部族の民族衣装や習慣がだんだん廃止されるようになってしまったらしい。これは平和的なキリスト教への改宗と引き換えに首狩りや民族衣装などの習慣の廃止があったようだ。そのため普段は民族衣装をまとうような人はほとんどおらず、街を歩くと他のアジアのどこかの田舎町と言われても違和感ないほどの特徴のない光景になってしまっている。


学校

 途中でちょっと学校があるのでのぞいてみた。一応制服があるようなのだが着ていない子供もいる。そしてちょっと不思議なのは生徒数がかなり少ないのである。教室そのものは30~40人ほどは入れそうなものなのだが、なぜかどの教室もほとんど一桁ぐらいの生徒しかいない。こういう田舎だと子供がいっぱいいるようなイメージがあるのだが、どうせ作るなら将来的に作り直さないよう大きいのを作ってしまえ論があったのかもしれない。それにしてもこの老朽化した教室の中で垢抜けない感じの少ない子供たちを見ていると、机以外の具品もなく電灯もなく空虚感漂う教室はまるで廃墟の町の学校のような雰囲気であった。それでも休み時間ともなればみんな元気で校庭を走り回るので学校にやっと活気が戻ってくる。 


市場

 ナガランドは教会があることを除けば比較的特徴のない街ではあるが、特徴があるとすれば市場だ。東南アジアでよく見かけるゲテモノ系の何かの幼虫がよく売れるようで多く売られている。しかもかなりデカイ。ちょっとゲテモノ系は苦手なので見るだけにした。(気になる方は Movie をクリックしてご覧ください)そしてカエルもよく売られている。結構意外なのは魚類が普通に売られていた。ナガランドは山岳地帯なので魚系は少ないのではと思っていたが、かなり大きい魚が売られている。淡水魚にしては大きいのでベンガルの方から冷凍で運ばれてくるのかもしれない。肉系、特に鶏はそのまま生きたままで結構豊富に売られている。やはりこういうのを見ていると市場というのはその土地の食事情を表しているし、昔ながらの市場というのは雰囲気があっていつ見ても異国情緒というのを感じられる楽しい場所である。もちろん衛生事情はかなり悪いと思うけど。


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