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飛行機恐怖症を克服してヨーロッパに卒業旅行へいけた私の話【森田療法】

「飛行機に乗るのが怖いから旅行に行きたくない」

私は小さい頃から高所恐怖症で高いところに登ると力が抜けたような感覚と稀にパニックを起こしてしまうような人間でした。

意を決して飛行機に初めて乗った際には離陸時の雲を抜けるまでの揺れが本当に怖くて怖くて叫んでしまったこともありました(他の乗客の方にはご迷惑をおかけして大変申し訳無いと思います)。

それ以来、飛行機に乗ることが怖くて怖くて、移動はもっぱら新幹線か船でした。

そんな私が、どうしても行きたい旅行のために、飛行機恐怖症を克服できた話と、その際に実践したこと、飛行機に関する知恵袋をまとめました。
※あくまで私自身が効果があった方法です


一生後悔するであろう卒業旅行の行き先がヨーロッパ

3月は卒業旅行のシーズン

大学卒業の迫る3月に同級生と卒業旅行を計画しましたが、みんなの意見がやはり海外(ヨーロッパ)ということで多数決で決まりました。

絶対に乗りたくない飛行機と絶対にいかなければ一生後悔する卒業旅行。
3月の旅行まではあと2ヶ月…。
私は恐怖を克服しようと誓い、飛行機に乗ることを決断しました。

一生に一度しか行けない旅もある

ヨーロッパは鉄道も整備されていて便利ですが、やはりLCCで移動するほうが時間や費用的にもメリットがあるため、どうしても克服する必要がありました。

ジェットコースターなんてもってのほか、高層ビルのエレベーターですら苦手な私が、あんな巨大な金属の塊で大空を飛んではるか先まで行くなんて…。

まずはネットで色々と調べて、Youtubeを見て、、、とおそらく誰もがするであろう方法を調べれど、結局最後は自分自身が納得するしかないと理解しました。

ヨーロッパ旅行に行く前に高層ビルや小さなジェットコースターで訓練を重ね、メンタルケアを続けていきました。

そしてついに、旅行当日。
意外にもすんなりと目的地であるパリ・ロンドン・バルセロナへたどり着くことができました。

「あれ、飛行機ってただの移動手段だったんだ」
と帰国後に思うまでに成長!
もう飛行機で悩むことも卒業できたんです。

そこで私が飛行機恐怖症(私が怖いのは揺れ・高所・閉所)を克服できた方法を共有し、世界1のパスポート(※)を持つ日本人だからこそ、不安を抱える誰かが楽しみに旅行へ行けるようにこの記事を書きます。
※これはあくまで私の個人的な意見です。

※ビザ(査証)なしで渡航できる国と地域の数を示す「パスポート指数」で日本が首位

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR11ELD0R10C24A1000000/


飛行機恐怖症を理解しよう

飛行機恐怖症は、墜落への恐怖、閉所への恐怖、高所への恐怖、死ぬ恐怖、パニック状態になることへの不安、状況をコントロールできない無力感、テロへの不安などが入り混じったものである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A3%9B%E8%A1%8C%E6%A9%9F%E6%81%90%E6%80%96%E7%97%87

私の場合、飛行機恐怖症は主に、閉所恐怖症(閉鎖された空間にいることへの恐怖)、揺れ恐怖症(飛行中の揺れや乱気流に対する恐怖)、そして飛行機全般恐怖症(飛行機に乗ること全体への恐怖)というものでした。

飛行機を理解しよう

飛行機は最も安全な移動手段
一般的に言われるように実際に航空事故に合う確率は極めて低いです。
宝くじの1等が当たるよりも確率は低く、自動車事故のほうが高いんです。
まずは飛行機を信じよう!なぜなら信じる根拠がありすぎるから。

航空機は事故率は0.0009%で、438年間毎日搭乗して1度の確率 と言われ、2012年は29億人の乗客数で372名の死亡者数。 自動車は死亡事故率は0.33%(300人に1人)。

https://www.kaiyo-kai.com/cms/wp-content/uploads/2018/04/180612_yokohama_koenkai_gaiyo_RV-1.pdf

乱気流は一般的
乱気流は一般的な現象です。乱気流は、飛行機が異なる気圧の地帯を移動することで生じる自然な現象であり、大きな振動を伴いますが、決して珍しい出来事ではないということ。
舗装されていない道を車で走行する時の感覚と思うことにしましょう。
つまりは車の揺れと大差がないんです。
パイロットは基本的に乱気流を避けて運行しようとします。乱気流を移動する選択をしたのであればそれは安全だからです。
パイロットの方は世界で最も空に詳しくて、空の状況を知っている!そう決めちゃいましょう。

飛行機は上空で支えられているようなもの
大きな金属の塊に見える飛行機が空中に留まることが不思議に感じられるかもですが、これは「揚力」という力によって上向きに引っ張られているからです。
飛行機がまるで空中に浮いているように見えるかもしれませんが、実際には揚力によって上から支えられていると考えると、その不思議さや恐怖が少し和らぐかもしれません。
私の場合は理解すればするほど、空を飛ぶことは安全とわかるようになっていきました。
そして、飛行機は実際かなり軽いのです!
飛行機は、その巨大な体躯にも関わらず、空中での軽やかな挙動と高度な空気力学的設計により、まるで空気中を滑る羽のように軽い存在と言えます。
地上の感覚と違うからこそ不安になっていましたが、空には空の常識があるんだなあ、と思うようにしました。

エンジン障害があっても安全に飛行可能
飛行機は通常、複数のエンジンを搭載しており、一つのエンジンが停止したとしても、残りのエンジンで安全に飛行を続けることができます。万が一全エンジンが停止しても、飛行機は空気を受けて滑空することができ、即座に墜落するわけではありません。
そもそもエンジン障害なんて起こるわけがないことを心配するだけ時間の無駄になってしまいます。

飛行機の翼のたわみは正常な挙動
飛行中に翼が曲がるのを見て不安に感じていましたが、飛行機の翼が柔軟に動くのは全く普通のことです。
一部の人々は翼が折れるのではないかと心配することがありますが、翼はしなやかで丈夫に設計されており、釣り竿のように柔軟性と強度を兼ね備えています。
なので、翼が折れる心配は全くもってありません。
調べても調べても過去に私たちが乗るような大型の飛行機の翼がポキっと折れたという事実もありません。

飛行機恐怖症は意外と多くの人が抱えている問題だから仲間がいる

ちなみに飛行機恐怖症を持つことは決して恥ずかしいことではないんです。(私が過去に飛行機で叫んだことは非常に恥ずべき行為ですが…。)
実際、この恐怖は一般的で、多くの人々が向き合っています。
CAさんやパイロットもそのような乗客がいることは理解してくれて、しっかり安全なフライトができるよう注意を払ってくれています。

ここからが私がどう実践して克服していったかをお話していきます。

森田療法との出会い

さて、飛行機恐怖症という山を乗り越えるための一つの道具として、森田療法という心理療法を紹介します。
この療法は、不安障害や恐怖症に対する非常に効果的なアプローチです。
森田療法は、日本の精神科医、森田正馬によって開発されました。
その核心は、「不安を避けるのではなく、直面し、受け入れる」ことにあります。
私がハッとさせられた考え方で、森田療法を知って私は飛行機恐怖症を克服するきっかけになりました。
色々な著者が本を出版されていますので深く知りたい方はぜひ手にとってみて下さい。
この記事では私が森田療法で飛行機恐怖症を克服するのに効果的だった内容を短くまとめてお伝えします。

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森田療法の基本原則

簡単に言えば、この療法は不安や恐怖といった感情を「敵」と見なすのではなく、それらを理解し、受け入れる方法を学ぶことに重点を置いています。森田療法によれば、恐怖や不安を感じること自体は問題ではありません。問題なのは、それらの感情にどのように対処するかです。

森田療法を通じて、自分の不安や恐怖に対してより積極的な姿勢をとることができるようになるかもしれません。
恐怖を直接的に解消しようとするのではなく、それに対する自分の反応を変えることで、徐々に恐怖を管理し、克服することが可能になります。
このアプローチは、飛行機恐怖症だけでなく、日常生活における様々な不安に対しても応用することができるので社会人になった今でも感謝しています。
恐怖を感じたとき、その感情に対して「これは自然な反応だ」と認め、その上で「それでも私はこの状況を乗り越えられる」と自分自身を励ますことが重要です。

森田療法で飛行機恐怖症を克服することへのステップ

ステップ1: 感情の受容

  • 自分の感情に気づく: 飛行機に乗ることに対する恐怖や不安を認めます。これは、自分の感情を正直に認識することから始まります。
    感情を受け入れる: 感じている恐怖や不安を否定せず、それらが存在しても大丈夫だと自分自身に告げます。この感情は自然な反応であり、あなたがその感情を持っていることを受け入れます。
    私の考え方は、「その時になったらどうせ私のことだから気絶してしまうでしょうし、なるようにしかならない。」と考えるようにしています。

ステップ2: 注意の方向づけ

  • 現在に集中する: 心配事から注意をそらし、現在の瞬間に集中します。呼吸に注意を向けたり、周りの環境の細部に意識を向けることで、不安の感情から距離を置くことができます。
    俯瞰して考えてみましょう。例えばCAさん達は何百回と飛行機に乗っているにもかかわらず、いつものように笑顔で業務を続けているかと思います。それを見て「これはいつものことなんだなあ」と冷静に考えてみることです。

  • 身体感覚への焦点: 自分の身体の感覚に集中することで、心が過去や未来にさまようのを防ぎます。座席に触れる感触や足の床への接触を意識することが役立ちます。

ステップ3: 行動の継続

  • 日常活動の実行: 飛行機に乗っている間も、読書や音楽を聴くなど、通常の活動を続けます。これにより、恐怖があなたの行動を支配することを防ぎ、心理的な安定感を促進します。
    飛行機のエンジンの音が気になる場合は耳栓をしたり、ノイズキャンセリング機能付きイヤホンをしましょう。(最近のノイズキャンセリング機能はすごく高性能で私の時代にもあったらなあ、と羨んでいます)

  • 感情に対する行動ではなく、価値に基づく行動を選択する: 恐怖に基づいて行動するのではなく、自分の価値観や目標に沿った行動を選択します。たとえば、家族に会うため、旅行のために飛行機に乗ることは、その目的を達成するための重要なステップです。
    先ほどもお伝えした「飛行機での移動は旅行をより楽しむためのものなので、基本的には楽しい行為の一部」なんです。

ステップ4: 自己対話の改善

  • 肯定的な自己対話を行う: 不安や恐怖を感じたとき、自分自身に対して肯定的で支援的なメッセージを送ります。
    自分を落ち着かせ、安心させる言葉を選びます。

  • 現実的な思考を促進する: 飛行の安全性や、恐怖が過剰反応である可能性について現実的に考えることで、不安を和らげます。
    お伝えした通り、飛行機は最も安全な交通手段です。普段、自動車や自転車を運転することのほうが危険であるということを考えてみて下さい。

森田療法を取り入れることで、飛行機恐怖症に対する新たな視点を持つことができます。
大切なのは、恐怖を避けるのではなく、それを受け入れて、自分自身を支えることです。やさしい気持ちで自分自身を見守ってみましょう。

その他にも簡単な自己対処法あれこれ

飛行機恐怖症を短期間で克服するために、日常生活で容易に実践できるいくつかの簡単な対処法をご紹介します。
不安を感じた時にすぐに試すことができる実用的なテクニックです。

  1. 深呼吸: 不安や緊張を感じた時には、深くゆっくりと呼吸をすることで、心と体を落ち着かせましょう。深呼吸は、ストレス反応を減少させ、リラックス状態を促進する効果があります。

  2. ポジティブな視覚化: 安全に目的地に到着して楽しんでいる自分を想像することで、不安を和らげることができます。ポジティブなシナリオを思い描くことで、心の準備を整え、恐怖に立ち向かう勇気を得ることができます。

  3. 情報の収集: 飛行の安全性に関する正確な情報を学ぶことで、恐怖が根拠のないものであることを理解しましょう。飛行機は最も安全な交通手段の一つであるという事実を知ることで、不安が和らぐことがあります。

  4. リラクゼーション技法: 瞑想やヨガなどのリラクゼーション技法を習慣にすることで、不安やストレスを効果的に管理する方法を身につけましょう。これらの技法は、心を穏やかに保ち、恐怖に対する耐性を高めるのに役立ちます。

-番外編-

飛行機の特性や機能などをさらに知る知恵袋

・大きな飛行機ほど揺れない

「超大型ワイドボディ機 エアバスA380」 ANAのハワイ就航便フライングホヌ

大きな機体ほど重いため、風の影響の揺れを感じにくいのです。
大きいほど不安だと思われている方には驚きですよね。
なので私は今でも大きな機体のフライトを選ぶようにしています。

そして実は飛行機によって乱気流時に揺れを低減させる、といった機能が備わっている機種があります。

ボーイング787です。

787には乗り心地をより快適にするためのシステムが装備されています。このシステムはタービュランス(乱気流)等を感知し、揺れを少なくするようにコンピューターが補助翼などを細かく制御して客室内の揺れを最小限にコントロールするシステムです。

https://www.ana.co.jp/group/787_10th/about_20220210.html#:~:text=787%E3%81%AB%E3%81%AF%E4%B9%97%E3%82%8A%E5%BF%83%E5%9C%B0,%E3%81%AB%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

そしてこの機体は機内の空気の乾燥を防ぐ機能があったり、窓の日除けを濃度で調整できたりと、飛行機嫌いには嬉しい機能が搭載されています。
人気の機体なので多くの路線で使用されていることも嬉しいです。

低圧・低湿度を改善したのが787です。JAL広報部によると「787が巡航高度に達したときの気圧高度は約1800m、湿度は20%程度です。従来機より改善されていることは確かです」

https://weathernews.jp/s/topics/201808/100165/

・座席指定を翼があるあたりにする
横に揺れる場合は機体全体の話ですが、上下に揺れるような場合は翼を軸に機体の先と後ろが揺れるので、なるべく翼の横の席となるように座席を指定して予約しています。
揺れないに越したことはないのですよね。

・座席を窓側にして外の景色を見る
揺れた時は何で揺れているのか、窓から原因を確認できると私は少し落ち着きます。
離陸後の揺れは雲の中にいるときがほとんどなので、「今は雲の中だから揺れるのはしょうがない」と考え冷静になれます。

・冬や雪の降る際には旅行にいかない
雪を降らせる雲の中は揺れる場合がほとんどです。
ですので私は寒い地域への旅行は冬は控えています。
北海道へ行く場合は新幹線を使ってしまいます。

・夏の積乱雲が出る時期には乗らない
先程は冬と書きましたが今度は夏です。
積乱雲はあの夏によく見られる大きな雲です。
揺れが苦手な人は夏も避けるべきかもしれません。
あまり夏だから揺れたと感じることは私の中では無いので今では飛行機に乗り上空から積乱雲を眺めるのが大好きになりました。

・韓国路線は何故か揺れる【個人的な意見です】
これまで何回か東京から韓国/ソウルにフライトを経験しましたが大きく揺れる確率が高いように感じました。
本当に個人的な意見となってしまうのですが、私の友人なども皆同じ意見です。(大陸側の風とか関係あるのでしょうか…?)
飛行機に慣れるための短時間フライトで韓国に行こうと考える方も多いかと思いますのでご参考までに。

・病院に行くことも検討する
精神科を受診して先生のアドバイスを聞くことはとても有効かと思います。
薬を処方してもらい、症状を抑えることができます。
また「薬を飲んだから安心」とプラシーボ効果を得ることができます。

推奨しない方法ですが

私が過去にたまたまそうなってしまったケースですが、長時間のフライトの前に徹夜をしてしまい、そのまま飛行機に乗ることになってしまいました。
眠い中、重いスーツケースを転がし空港へ向かい、手荷物検査や出国審査も終え疲れもピークに達しようやく搭乗した機内で座って、最初は緊張しましたが頭が働かず、すぐに眠ってしまいました。
気がついたら現地に着陸するところでびっくりでしたが、これは推奨しません。
せっかくの旅行を台無しにしてしまうかもしれませんし、フライト前にベンチに座ってうっかり寝過ごしてしまうなんてこともありえます。

終わりに

旅行は素晴らしい体験で本当に楽しいです。
そう思えるようになったのも飛行機が車や鉄道と同じ、ただの移動手段に過ぎないからです。
「自分のことを自分で理解してあげる」ことで得られるものは飛行機恐怖症の克服だけではなく、人生そのものを変える行為になりえます。
今では森田療法との出会いがなかったら社会人として人生を楽しめていたのかと不安になります。
私が書いたことはほんの一部ですので飛行機恐怖症を克服したい方は本を読んだり自分自身で調べたりして原因を理解してみて下さい。

もっと詳細で個人的なテクニック

最後に私が実践した飛行機恐怖症に対する細かい方法のnoteを書きました。(有料です!すみません。。)
私みたいな方はこれを実践してうまくいくことがあるかも?というテクニックですが、旅のお守り程度に興味のある方は見てみて下さい↓


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