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エクササイズ・ナビゲーション 001


はじめに

身体の調子を気にしていますか?

いきなり質問から入ります。
あなたは、自分の身体の調子を日頃から気にしているでしょうか?

調子の良いときは案外気にならないものです。
ところが風邪をひくなど普段と違う不調さに気づくとき、
身体の状態を気にするのではないでしょうか。

また、比較的若い頃にはなにをしても〜たとえば徹夜や激しいトレーニングなど〜身体に負担をかけることをしても、多少の身体の変調があるにせよ、
そんなに気に留めることなく日々過ごしてきたことでしょう。

しかし、年を重ねるにつれ少々の負担でも身体が痛い、動きづらい、
と感じることが多くなってきます。

つまり、病気に罹ったときや加齢によって、
初めて自分自身の身体状態を意識することが多いわけです。

なぜ身体を動かすのが面倒なのか?

もう一つ質問です。
あなたはいつまでも自分の身体を自由自在に、なめらかに、しなやかに、
素早く、あるいは長い時間動かすことができたらいいな、
と思ったことはありませんか?

一方、身体を動かすのは、億劫で疲れる。
できればやりたくない、と思うことも多いのではないでしょうか。

ところが、
日常の生活で身体を動かさないことがないのも事実です。
生きている限り、身体のどこかは常に動いています(心臓や肺を含めて)。だったらそれでいいじゃないか、と思われるかももしれません。

しかし、どんな年齢になっても、
相応に自分の身体を思うように動かしたい・操作したい、
となれば意識して身体運動(エクササイズ)を
日常に取り入れることが必要になります
(理由は後で説明していきます)。
運動習慣化の必要性ですね。

それなのに、
身体を動かすことが面倒臭くなるのはなぜでしょう。

これにはいろいろな理由があると思いますが、
そもそも人類の進化の過程にそのヒントが隠されているようです
(以下、参考図書参照)。

狩猟採集民の時代、人類は長い距離を歩いたり、ときには走ったり
して獲物を採って住処に持って帰る必要がありました。
1日 11〜16kmくらいは移動していたようです。

しかし、狩に費やす時間はせいぜい1時間半くらい。
それ以外のときはできるだけ休息をとるために、
無駄なエネルギー消費を控えるような生活をしていたようです。

翻って現代の人類の生活はどうでしょうか。
移動は必ずしも歩かなくても達成されます。
食料は近くのコンビニに行けば、ほとんどの物が手に入ります。
そして決定的に違うことは、椅子に座っている時間が長い生活様式です。
つまり、運動を意識的にしないと、日々の活動で消費するエネルギーが
足りないことになります。

ところが、必要な食料を簡単に手に入れること以外の活動は
できるだけ避けるよう進化してきた人類なので、
食料が比較的容易に手に入る生活が可能になった現代人は、
それ以外の時間を、結果的に怠惰と見做されるような、
運動をしない・休息をする選択をしてしまう
ということになります。

つまり、
必ずしも運動をしないことが怠惰な生活とは言えないことになります。
そんなわけで、意識的な運動に億劫さを感じてしまうのです。

ではどうしたらいいのでしょうか?
次回、そのお話をしたいと思います。

<参考図書>
運動の神話(上・下)」 ダニエル・E・リーバーマン 著、早川書房、2022



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