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ADHD診断のきっかけはアルツハイマー

ADHDと診断されたのは2023年4月24日で、その日私は若年性アルツハイマーと診断されるのではないかと思って地元の心療内科を受診した。発端は住宅宿泊管理業の更新作業を失敗したことだった。更新自体は完了したのだが、手続きの部分を読み違えていて、送らなくてもいい書類を沢山送ってしまった。会社の謄本や身分証明書など法務局や役場に何度も出向いて取ってきたにも関わらず必要なかった。送った余分な書類は国土交通省名古屋地方整備局から丁寧に送り返されてきた。

それだけならまだいいのだけれど、同じ失敗を5年前の最初の登録の時もやっていたことが過去の書類から判明した。同じく名古屋地方整備局から送り返されてきた5年前の書類がそっくり残っていたのだ。前回から今回の更新までの間に会社の役員退任もあったからそでも合わせて申請したら、その書類も送り返された。とっくに自分で役員退任の届けを済ませていた。

そんなことすっかり忘れていた。

よくあることではあるが、あまりにお粗末だった。何も学んでない自分にあきれ果てたのだけれど、それだけではなかった。当の書類を用意しているときに会社の住所など何度も書くのだけれど電話番号がでてこなかった。この電話番号というのはもう15年くらい使っているもので、さすがに最近は固定電話を使うことが少なくなったとは言え暗記していてすぐに出てきて然るべきだろう。その番号がまったく出てこなくて、とうとう自分の名刺を見て調べてしまった。

過去にやった同じ失敗を繰り返し、加えて会社の電話番号まで忘れてしまう。それでけではなかった。このところどうにも気力が湧かない。あんなに好きだった書くこともパソコンを前にしても一向に文章が進まない。午後いっぱい使っても1本の記事を書くことができない。書けたとしても読み返すとたいして面白くない。映画を見ることも減ってしまった。見ても「へえ」となるだけで心の芯が揺さぶられるようなことがない。いろんな興味が退化している上に、頭も鈍っているようだった。

人が恐れていることのひとつに認知症がある。人格の喪失。周囲への負担。どれを考えても恐ろしい。認知症の症状に当てはまっているように思えた私は、意を決して地元の心療内科を受診することにした。幸い近所にあったので予約を取って出かけていった。以前、肛門科へ行ったことがあり、待合室では(あぁ、ここの人たちはみんな尻で悩んでるんだなぁ)などと勝手に同士のような連帯感を感じたことがあるが、心療内科の待合も同様で(あぁ、ここの人たちはみんな心のことで大変なんだなぁ)とは思ったが、連帯感は特に生まれなかった。尻と心はまた違うのかも知れない。

診察室でひととおり先生のアルツハイマーテストを受けた。このテストは標準的なもので、

  • 今日が何年、何月、何日、何曜日か

  • 自分の名前

  • 目の前にものを5つ並べて覚える(例えば、鉛筆、定規、手帳、電話、時計など)

  • 間にもうひとつ別の質問をする

  • さっき並べたものを並べた順番に言う

などと言うテストをやった。これは合格した。つまりアルツハイマーではないらしい。すると先生は「もうひとつ別の病気の可能性がある」というわけで、その可能性を調べるテストを受けた。これがADHDのテストというもので、一般にも出回っているから興味のある人は受けてみるといいかも知れない。私はたいがい当てはまって、むしろこれに当てはまらに人などいるのだろうかと思ったが、どうやら世の中の多くの人は当てはまらないらしいことに驚いた。

ADHDの薬が処方され、薬局でもらったら8000円くらいしてたまげた。診察費も5000円近くしたし、これを毎月払うのかと思うとかなり家計を圧迫する。次の診察時に先生から精神なんちゃらで国からの補助があるというので、役場に行って手続きをした。すると薬代が一気に安くなった。診療費も安くなった。薬と診療費合わせて月2500円くらいになった。このようなシステムが整備されている日本はありがたいと思うばかりだ。

緑色の証明書には「精神医療治療なんちゃら」と書かれていて、より一層自分が世の中に適応しない失敗ばかりするダメダメ人間であると真に証明されているような気分になる。外からは見えないが精神的な障がいを持っている証。その日を境に普通の人間から一気に「ダメ人間」の烙印を押され可哀そうな人のジャンルへ押しやられてしまったような感覚だ。釈然としないが、かと言ってそれがないと毎月高額の治療費が必要になるから持たざるを得ない。

一方で(じゃあ、この証明書で障がい者割引とかされるのかな?)なんて思ったけれど、ちょっと調べてみると確かに障がい者手帳が精神障がいの人にも交付されることがあるようだけれど私が対象になるのかどうかは分からない。

かつて、知人にまったく普通の人に見えたけれど障がい者手帳を持っている人がいて、高速なんかでそれを提示して安くなっていたと聞いたことがある。その人は電通で働いていたという経歴でずいぶんん怪しい人だったけれど、今思えばもしかするとそのような精神障がいの手帳だったのかも知れない。その人は数年前に謎の死を遂げてしまったので今となっては真相は不明だ。

私の処方された薬は「インチュニブ」というもので、6ミリが成人の量とされている。それをまず1ミリから徐々に増やして行く、ということになった。

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ADHD(注意欠如・多動症)である私の散らかった思考がそのままマガジンになっています。日々書かれることに一貫性はありません。

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