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メキシコ全部がこうじゃないと、分かってはいるけれど... 「ボーダーライン」

うなぎが絶滅危惧種と言われながらも殆ど対策をとられず違法なシラス漁が横行しているのも、食べる人がいるから。象が密猟されその牙が切り落とされるのは、象牙を買う人がいるから。同じようにメキシコで麻薬カルテルが増強するのは、アメリカで膨大な量の麻薬が消費されているからだ。

いったいどんなアメリカ人がどんな感じで麻薬を使っているのか。実際のところ、HipHopのギャングのような人かと思っていたんだけど、どうもそうばかりじゃないようだ。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」を観てみよう。

もうひとつ「フライト」を観てみよう。でもこれはネタバレになるので、これから観る人は見ない方がベターです。

ウォールストリートとかめっちゃドラッグとか消費されてそうですもんね。とにかく、アメリカがドラッグを買うので、供給する人がいるわけです。それがどこから来るかと言うとコロンビアやメキシコが殆どというわけで、アメリカとメキシコの国境をみてみましょう。

実は前に観た映画「ノクターナル・アニマルズ」でメキシコ近くのファーマという町を調べた時、メキシコの国境もついでに色々みてたんですね。メキシコとアメリカの国境ってすごい長いんだけど、いくつか町があって、そこでアメリカとメキシコが行き来できるようになってる。

アメリカからメキシコへ行くのは簡単だけど、メキシコからアメリカに行くのは大変。映画の中にも国境で渋滞している様子がありますが、国境の町は100%麻薬抗争中。市民はどうやって暮らしてるんだ?

この映画と「カルテルランド」を観て、家に帰ってから「シナロア・カルテル」と「ロス・セタス」を検索、一通り読んだら、大体メキシコの麻薬抗争の感じが掴めます。でも、頭のない死体とか、橋から吊り下げられた死体とか残酷な死体がいきなり飛び出しますから、心臓の悪い人は検索してはいけません。

それで、この映画の見所はですね、さっきも書いたように、アメリカからメキシコへ行くシーンがあるんだけど。ここが非常に緊迫してて、悪路を5台の車が猛スピードで整然と均等に並んで走るシーンがすごいきれいでかっこいいです。護衛の車とかも途中で加わるんだけど、アメリカからメキシコ、再びメキシコからアメリカに戻るまでの一連の場面の流れが素晴らしいので、ぜひ。予告にもちょこっとあります。

音楽が今月9日に急逝したヨハン・ヨハンセン。不穏なサウンドが砂漠のシーンによく合って、これもかっこいいです。

あと、興味のある人は、Google Earthでアメリカとメキシコの国境あたりのストリートビューを見ると面白いです。メキシコ側に行った途端、いきなり解像度が落ちて、同じ場所とは思えないような光景に出会えます。

ところで、エミリー・ブラントが小さいニコラス・ケイジに見えるのって、私だけでしょうか。

どちらさまも、ステキな映画ライフを。

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