見出し画像

大型書店で本棚と対話する

とある平日の日没前。
なんの予定もなかったけど有休消化のためにとった休みで、東京駅の丸善へ行ってきました。
1階から4階まで本があって、洋書もあれば文房具もあり、さらにはギャラリーまである大型書店です。もう本好きにはウハウハの空間。諸事情により私は1時間半しかいられませんでしたが、いつもは自宅近所のワンフロアしかない書店に行くことがほとんどなので、とってもわくわくしました。

今日では自宅にいながらでも本が買える時代ですが、書店のいいところは偶然の出会いがあるところ。
ネットだと、自分が狙って調べた本か、そこからサジェストされる本としか出会えませんが、書店ではとりあえず棚の前をゆっくり歩いて背表紙のタイトルを眺めていけば、思いがけず心を捉える本が見つかることがあります。
それで予期せぬ出費をしたこともしばしば。嬉しい悲鳴です。


さて、ふだんは特に目的なく書棚をふらふら歩く私ですが、この日は自宅近所の本屋だと品揃えが乏しいジャンルを重点的に見てまいりました。
それは「福祉×住宅」の分野。過去記事でもちらっと書いたのですが、住環境の福祉に興味があるのです。

住環境の福祉、という、あまり言い慣れず耳慣れない言葉をつかったのは、そうはいっても具体的にどのあたりに関心があるのか自分でもまだ曖昧だからです。
自分がいま本当に興味があることはなんだろう? 


まずは「建築」コーナーを覗いてみる。
失敗しない家づくり、暮らしやすい間取り、リノベーション、建築の新常識、といったタイトルが並んでいる。
あとはイギリスの建築様式とか、北欧に学ぶ住みやすい家の条件とか。やっぱり木造がいい、木の家を見直そう、とか。
確かにどれも興味はある、けど、うーんなんていうか私はいま、自分の終の住処を考えたいわけではないなぁ……。

もっとこう、自分が建てる・作るに携わるのではなくて、貸すほう? と思い「不動産」コーナーへ。
するとこれは時代の潮流なのか、不動産投資の書籍がけっこうたくさんある。あとは、大家向けの本や今アツい地域はどこか、とか。
ちょっとずれた気がする……。

もっとこう、社会問題として住宅を考えたいんじゃないかな、私は? と思い「社会学」コーナーへ。
何やらメディア論とかマスコミ論とかの書棚の隣に、社会問題の書棚があって、人権の本とか人種差別の本とかと隣り合って住宅問題の本棚があった。
「ハウジングファースト」……あっ、これかなぁー今の私がやりたいことに近いのは……。

そうそう、福祉だ福祉。と「福祉」コーナーにも足を向ける。
社会保障、年金、生活保護……たしかに近いんだけどもっと「住」に特化したい。

「経済」コーナーも覗いてみる。
空き家問題、人口問題、都市計画の本があって、ああーマクロにすればこんな感じかも、と思う。


ここで帰らないといけない時間になりタイムアップ。
結局1冊も買わずに出てきたけれど、なんだか思考は整理された感じ。
とりあえず今度、近所の図書館で、住宅保障に関する本を探してみようと思いました。


それにしても平日の帰宅ラッシュに、本屋に吸い込まれていくサラリーマンの多いこと!
丸の内で働いている人って、仕事終わってもこうして勉強熱心なのかしら……いやはや、帰路に大型書店があるっていいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?